賃貸経営をしていれば入居率の向上は家賃収入に直結します。そのため、入居率を上げるための方法は知りすぎるということはありません。
ですが、入居率を上げるための施策の前にするべきことがあります。
1.入居率アップ施策の前に、現在の入居率の原因を調査
入居率アップ施策を知りたいということは、現状の入居率の満足いっていないからだと思います。
すぐに何か施策に取り組みたくなりますがその前に、なぜ現在の入居率が期待した入居率になっていないのか、その原因を調査しましょう。
物件の管理を管理会社に任せていると、オーナー様自身が物件についてあまり把握しされていないことも多いです。管理会社からの報告書には目を通していても、実際に物件にまで足を運ばれる方は少ないです。
もしそうなら、一度ご自身で物件、そして物件周辺を歩いてみましょう。
報告書では問題なかったはずの共用部分の管理が行き届いていなかったり、賃貸経営を始めたときに比べて周辺環境が大きく変わっていたり、競合物件が増えていたりすることに気づくかもしれません。
さらに詳しく、競合物件の家賃や間取り、それが自分の物件と比較してどうかということも調べます。
そうすることで、何が原因で入居率が低くとどまっているのかが見えてくるはずです。そのあとで、課題を解決するための入居率アップの施策に取り組むようにしてください。
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2.入居率アップを実現する5つの方法
それでは入居率アップを実現するための方法を紹介します。
2-1.退去をできるだけ出さないようにする
入居率を上げることを意識すると、空室を埋めることばかり考えてしまいますが、退去をできるだけ出さないようにすることも同じくらいに大切です。
就職や転勤、結婚などライフスタイルの変化はどうしようもない部分ではあります。ですが、たとえば、共用部分が汚いままだったからという理由や、トラブルがあったときの対応が遅かったからという理由であれば、空室を埋めても同じような理由ですぐに退去されてしまうかもしれません。
そのため、共用部分は日々きれいに保つようにし、入居者からのクレームや問い合わせには迅速に対応できるようにすることが大切です。もし管理会社の対応が遅いようであれば、その旨を伝えるようにしましょう。
また入居者に退去の理由を聞くと、物件の設備に対する不満が出てくるかもしれません。もし要望を聞いて費用対効果が見合うようであれば柔軟に対応できれば、退去を取りやめてくれる可能性もあります。
逆説的ですが、入居率を上げるためには、本来不要な退去者を出さないことも大切です。
2-2.物件情報の写真を改善する
もし、家賃や間取りも競合の物件と比べて大きな差があるわけではなく、SUUMOやHOME'Sのような賃貸物件のポータルサイトに入居者募集の情報を出しているのに内覧すら希望者が来られない場合、物件情報の写真が魅力的ではない可能性があります。
賃貸物件を探している方は、内覧の前に仲介会社の店舗で複数の物件情報を見て比べます。そのときに物件情報の写真は、内覧するかどうかを決める重要なポイントです。
物件情報掲載用の写真を管理会社や仲介会社に任せているのであれば、どのような写真で掲載されているか確認してみましょう。ご自身で見て、物件の魅力を引き出せていないと感じれば、管理会社の担当者に話して写真を変更してもらいましょう。
2-3.人気の設備を設置する
賃貸物件を探している方にとって、希望する設備があるかどうかも入居の決め手になります。そのためには、無闇に設備を設置するのではなく、現在の入居者やこれから入居してもらいたい方が望んでいる設備は何かを考えることが大切です。
たとえば単身者向けのワンルームマンションであれば、生活リズムもばらばらで24時間ゴミ出し可能なサービスが人気です。ゴミ出し日が決まっているよりも、いつでも好きなときに出せるという点が魅力なので、過去にゴミ出しで苦労した経験がある方は競合物件に比べて少し家賃が高かったとしても選ぶ理由になります。
そのほかビジネスマンが多く住むマンションであれば宅配ボックスの設置や、女性の入居者が多ければオートロックや防犯カメラの設置が望まれているでしょう。
もちろん設備の設置には費用がかかるので、設置することによって競合物件との差別化になるのか、家賃を上げることはできるのか、上げられないとしてもどれくらいの期間で費用を回収できるのか、ということを綿密にシミュレーションしてから行うようにしてください。
2-4.リフォーム・リノベーションで物件の価値を高める
リフォームやリノベーションも入居率を上げるために効果的な施策です。水回りの設備が古くなっている場合はリフォームすることで入居希望者にとっての魅力を上げられるでしょう。
また競合物件と比べて築年数が古かったり、間取りが現代と合っていなかったりする場合はリノベーションすることで物件を蘇らせることも期待できます。
ただしリフォームやリノベーションは数十万から高ければ数百万の単位で費用がかかります。そして費用だけでなく工事の時間もかかります。当たり前ですが、工事をしている間は入居者がいませんので家賃収入がありません。
費用と入居者がいない期間の損失家賃まで含めて費用対効果を考えることが大切です。またリノベーションは特に「壊してみないとわからない」とも言われるように想定よりも費用がかかったり、工期が延びたりします。
その結果、入居者募集シーズンに間に合わず、タイミングを逃してリノベーション後も長い間空室のままになるというリスクもあるので気をつけてください。
「工事によって高まる物件の価値は、費用に見合うものなのか。」あくまでも賃貸経営ということを忘れずに冷静に判断することが大切です。
2-5.客付け力の強い管理会社に変更する
管理会社を変更するだけで、入居率がアップすることもあります。それは、管理会社が原因で入居率が低くなっていることがあるからです。
客付け力がない管理会社の場合、入居率が低い原因として
・間取りが古い
・周辺に新築物件が増えた
などのもっともらしい理由を並べます。
ですが実際には空室ができたときに仲介会社への連絡が遅かったり、仲介会社とのつながりが弱いために物件を紹介してもらえなかったりすることがあります。
本当に客付け力がないのか、管理会社が言うように競合物件が原因なのか判断に迷われると思いますが、もし近隣の似たような物件では入居率が高いのに、自分の物件だけ入居率が低いようであれば管理会社の変更を検討する目安になるでしょう。
3.まとめ
賃貸経営で入居率を上げることは非常に重要です。
そして入居率を上げる方法はいろいろありますが、この記事でもお伝えしように、まずは自分の物件の入居率が低い原因を調べることが一番です。原因を把握した上で適切な施策を取ることで効果が上がり、余計な費用や手間がかかりません。
入居率アップの施策の中には新規の設備設置やリノベーションなど、多額の費用がかかるものもあります。そうした施策を行おうと思っている場合は、費用対効果と投資回収期間を事前にシミュレーションするようにしてください。
収益を上げるための賃貸経営、ということを忘れないことが大切です。
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