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【初心者向け】不動産トラブルを避けるための民法知識【知っ得!】

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不動産に関するルールは、民法をはじめ都市計画法や建築基準法など、その他にも多くの法律によって定められています。特に、民法では不動産の定義といった基本的なことから、不動産売買契約、土地の所有権、近隣トラブルに関することなどが定められています。

また、今年の6月2日には改正民法が公布されました。民法の改正は120年ぶりのことであり、大変注目を浴びています。不動産取引に関しても変更があり、今後は契約書の作成にも影響すると言われています。

そこで今回は、民法に基づいた不動産トラブルの解決方法や、民法改正による不動産取引の変更点についてご紹介します。

1.民法の定める不動産の定義について


不動産の売買契約では、どこからどこまでが不動産であるのかを把握することは非常に大切です。庭木や建物に設置されている家電などの付帯物が売買の対象に含まれるのかどうかも、確認することが必要となってきます。

不動産と動産とは?

不動産の定義は民法第86条第1項で「土地及びその定着物は、不動産とする。」と規定されています。

土地が不動産であることは、問題ないでしょう。定着物というのは、建物や庭木、基礎工事をして固定された機械など、その土地に固定された物のことです。

ただし、建物には「どの状態のものを建物として認めるのか」という問題があります。特に、建設中の時には気をつけましょう。柱、屋根、壁を備えたものを建物として見なすことができます。

また、民法第86条第2項では、「動産とは不動産以外の物」であること、そして、民法第86条第3項では、「乗車券や商品券といった債権者の名前が記されていない無記名債権は動産である」と定められています。

しかし、実際の契約時には、不動産か動産か判断しにくいことも多くあるため、契約対象を契約書に明確に記すことが大切です。

木は不動産になるのか

通常、庭木はその土地の定着物と見なされ、不動産に含まれます。しかし、立木法の適用を受けて、さらに、登記を済ませておけば、庭木は独立した不動産として取り扱うことができます。

つまり、木がその土地に生えていても、売買契約の対象とならない場合があるのです。契約時には庭木の所有権についても、きちんと確認し、契約書に記載しましょう。

2.民法改正による3つの買主救済措置とは?【2017年版】


2017年5月に民法改正法案が成立し、約200項目にも渡って見直された改正民法が6月に公布されました。この民法改正に伴い、不動産契約のルールについても見直されました。

特に、改正民法では不動産売買における買主の救済措置が拡大されています。ここでは、民法改正による3つの買主救済措置を確認しましょう。

その①:買主の知っていた欠陥(瑕疵)も売主の責任となり得る

買主も知っていた越境などで、売買契約後に隣人トラブルに発展した場合、民法改正前は、買主が撤去費用を工面していました。しかし、買主は越境について知っていても、そのような欠陥(瑕疵)が売買契約後に隣人トラブルに発展するとは予想できなかったはずです。

上記のようなケースにおいて、民法改正前は買主の知っていた瑕疵であるため売主に責任はありませんでしたが、改正民法では、売主の責任対象となり得るのです。

そのため、今後はあらゆる不動産の瑕疵については、売主と買主の間で確認するだけでなく、契約書にも明記することになるでしょう。

その②:欠陥の修補請求が可能

これまで、売買契約後に雨漏れなどの瑕疵が見つかった場合、買主の取る対応は、損害賠償の請求あるいは契約解除でした。つまり、瑕疵を修理するにあたり、業者への依頼や工事の対応などは、買主に負担がかかっていたのです。

民法改正後は、売主に対して修理を請求できるようになりました(修補請求)。また、買主は修理費用を自己負担する分、購入代金の減額を請求することも可能となりました(代金減額請求)。

その③:売主の責任期間が5年へ延長

民法改正前も改正後も、買主が瑕疵を知らずに売買契約を個人間で結んだ場合、売主の責任(瑕疵担保責任)の期間は、瑕疵に気付いてから1年間です。

しかし、民法改正後は第566条第1項但書にあるように、売主が瑕疵の存在を知って売却した場合や、売主が瑕疵を知らなくても重大な過失があると認められた場合、瑕疵担保責任の期間が1年から5年へ延長されます。

3.民法に関連する不動産トラブル例


不動産に関することでは、売買契約から日常生活までのいたる場面において、トラブルが後を絶ちません。民法を理解しておけば、不動産トラブルの回避や解決に役立ちます。ここでは民法に関連する不動産トラブルの例を見ていきましょう。

その①:隣人トラブル

これまでご近所と仲良くしていたけれど、些細なことをきっかけに、隣人トラブルへ発展することは頻繁にあります。

特に、塀の越境や、塀の設置といったように、境界線付近でトラブルが起きやすいものです。塀の越境を放置したままでは、越境部分の土地を時効取得される危険もあります。

しかし、たかだか数センチの越境だけでは、塀を撤去させることはほとんどの場合できません。そのような時は、将来的に境界線に合わせて塀を設置し直すことを記した文章を作成し、時効取得を認めさせないようにしましょう。

また、塀だけでなく庭木のはみ出しなどもトラブルの原因となります。民法第233条第1項では、庭木の枝などが越境している場合、所有者に越境部分の除去を請求できる、と定めています。

その②:共有名義不動産の売却トラブル

共有名義不動産の売却でも、よくトラブルが起きます。「マンションやアパートなどの共有名義不動産を売却したいが、共有名義の一人が応じない」という状況で困っていませんか?

民法206条では、「所有物を自由に処分できる権利」を保証しています。そのため、共有者全員ではなく自己持分のみ、あるいは数人の共有者だけが持分を売却することは可能です。

しかし、不動産全体の売却では、共有名義の全員の承諾が必要です。一人でも拒むことがあれば、売却することはできません。

その③:自分の土地を失う

現在、核家族化が進んだことにより、代々受け継いできた土地の情報が曖昧になっている人が多いようです。そのまま放置していると、その土地を失うことになってしまいます。

民法第162条では、「20年間他人の土地を占領し続けると、占領された土地の所有権が移行する」と定められています。また、他人の土地と知らずに占領した場合においては、10年間で土地の所有権が移るのです。土地を失わないためには、時効成立前に訴訟や調停により、占領者を立退かせる必要があります。

不動産関連のトラブルは後を絶ちません。些細なことが積み重なって、当事者間だけでは、解決できなくなり訴訟に発展することも数え切れないほど多いです。そのため、不動産売買契約時のトラブルや、隣人トラブルの回避や対応には、民法の知識を身につけて理解することが必要だと言えます。

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賃貸”住まい”の新しいカタチを提供するEdge編集部が記事を書きました。

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