もくじ
最近よく耳にする「不動産ファンド」。興味を持たれている方も多いのではないでしょうか。
不動産というと、ちょっと難しそうに思えますが、実はとても簡単です。不動産ファンドに投資している人は年々増加しており、近年の高級マンション建設ラッシュは、この不動産ファンドが起こしているものです。
あなたにも大きな配当金が入るチャンスかもしれません。不動産ファンドについて分かりやすく説明していきますので、不動産ファンド初心者の方は、是非、参考にしてください。
1.不動産ファンドとは?基礎知識を理解しよう
不動産ファンドとは、簡単に言えば、不動産投資のことです。しかし、不動産投資といっても、自分でマンションなどの不動産を購入したりして、売却などして利益をあげるのではなく、多くの人が不動産投資会社に出資して、不動産を購入し、数年後に売却して利益をあげ、その利益を出資した全員に分配するという仕組みの不動産投資です。
出資金は、不動産投資会社が運用しますので、出資者は最初に出資金を支払うだけで、後は分配金が入るのを待つだけという、とても簡単な投資となっています。
不動産ファンドの種類
不動産ファンドは、大きく分けて“公募ファンド”“私募ファンド”があり、一般的に多くの人が行っているのは、公募ファンドになります。公募ファンドには、さらに“不動産投資信託(REIT)””不動産特定共同事業“というものがあります。
不動産投資信託(REIT)とは
不動産投資信託は、REIT(リート)と呼ばれています。この不動産ファンドは、複数の出資者が不動産投資信託の会社に投資し、その資金を投資信託会社が運用して利益を出資者に分配するという仕組みになっています。
この不動産投資信託の特徴は、株と同じように、証券取引所で取引されるということです。
不動産特定共同事業とは
不動産特定共同事業は、字のごとく、共同で事業を行う不動産ファンドです。この不動産投資は、複数の出資者が出資した資金を元に、不動産業者や保険会社などがファンドマネージャーとして、不動産運用を行い、利益を出資者たちに分配するという仕組みです。
不動産特定共同事業では、不動産小口商品と呼ばれているものを購入することで、出資と見なされ、その不動産の売買が完結して利益が分配されたら、不動産特定共同事業は解散ということになります。
不動産ファンドはどうやって利益を得るのか?
不動産ファンドの利益は、マンションやアパートといった不動産の賃貸収益や売買収益が利益となります。しかし、収益が全て出資者に分配されるのではなく、出資者にはあくまでも、契約時の配当金利率が適用されます。総出資金が10億円なら、その10%とか8%といった金額が出資者に分配されるわけです。
そして、不動産を購入するために利用した金融機関のローン返済や、様々な経費を差し引いた残金がファンド会社の利益になります。
不動産ファンドのリスクは?
不動産ファンドにもリスクはあります。それは、想定した金額で不動産が売れない、家賃が下がるなどして、予定していた利益が上がらない場合があるということです。最悪、配当金が0円ということもあります。中には配当金が保証されているものもありますが、全額を保証するものではありません。
不動産ファンドで利用される金融機関のローンは“ノンリコースローン”と呼ばれ、返済は、一般的に不動産を売買する何年後かに一括返済となっており、もし不動産が売却できたら、ローンの返済が優先されるケースがほとんどなので、その残金があれば、出資者に配当金として分配されることになります。
ただし、ファンド会社は金融機関にローンを返済できなくなるという事態が発生した場合でも、出資者にその債務の責任はありません。これがノンリコースローンの大きな特徴です。
他にも不動産ファンドには、地震や大雨といった自然災害が起こったり、ファンド会社の破たんなどが起こった場合にも配当金が受け取れないというリスクが挙げられる他、法令が変わって配当金の利率が変わったり、不動産市況の影響で満期前に終了してしまうなどのリスクもあります。
不動産ファンドは解約できる?
不動産ファンドは、REITは、株式や債券と同じように、いつでも簡単に解約できますが、不動産特定共同事業の場合は、途中で解約するということは難しいです。なぜなら、不動産は株と違って高額なうえに、手続きが面倒なので、売買がそれほど簡単ではないからです。出資者が減ってしまうと、それだけ資金が減ってしまうわけですから、解約はそう簡単にはできないような仕組みになっているわけです。
ただし、不動産特定共同事業は、クーリングオフが可能となっていますので、契約をして8日以内に申し立てれば、無条件で解約できます。また、契約書に途中解約OKと書いてあれば、不動産特定共同事業でも途中解約することができます。
しかし、途中解約の場合、ファンド会社が解約しようとしている人の権利を買い取ることになることがほとんどなので、出資金が満額返ってこないかもしれません。もちろん、手数料も差し引かれます。また、解約する時は、解約する理由を添えて、買取請求書などの書類を提出する必要があります。あと、やはり手数料は必要ですが、譲渡や相続はできることになっています。
2.不動産ファンドのメリット・デメリット
メリット
不動産ファンドのメリットは、資金をファンド会社に預けるだけで、家賃収入や不動産売買の利益が手に入ることです。不動産投資をやってみたいと思っている人は多いと思いますが、1人で投資を行うには多額の資金がかかるうえに、損失が出る可能性もありますので、ヘタに手が出せません。しかし、不動産ファンドは多くの人たちと資金を出し合うので、万が一失敗しても、損失は最小限に抑えることができます。
デメリット
一方、不動産ファンドにはデメリットもあります。それは、損失を出すリスクがあるということです。不動産が売買できなかったり、ファンド会社が破たんしてしまったりした場合、配当金を貰えないばかりではなく、出資金も全額戻ってくるか保証はありません。
また、不動産ファンドは、株式投資といった他の投資よりも配当金が少ないというデメリットもあります。不動産ファンドは、多くの出資者がいますし、不動産売買、賃貸を行いまうので、多くの経費がかかってしまうためです。
3.不動産ファンドの始め方【資料請求→契約だけ】
不動産ファンドのやり方はいたって簡単です。資料を請求したりして、好きな不動産ファンドを選び、投資の申し込みをして、契約を交わします。後は出資金を証券会社等の口座に振り込めば、いよいよ投資の始まりです。
ただ、儲けが惜しくて、契約を急いだりすると、後で失敗したということになる可能性もありますので、ファンド選びは慎重に行わなければなりません。複数の不動産ファンドを比較したり、第三者の意見を聞くなどして、じっくりと選ぶようにしてください。それと、契約内容はくれぐれも、じっくりチェックするようにしましょう。
4.大手不動産ファンド、おすすめばどれ?
近年では、様々な不動産ファンドがあり、不動産ファンド初心者にとっては、どれを選べばよいのか迷うことでしょう。初心者は、ついつい高い利率に引かれて、選んでしまいがちですが、利率だけではなく、分配回数や換金方法、扱っている物件数などもきちんとチェックすること、そして、ファンドを行っている会社の実績などもよく確認するようにしましょう。
- 住友不動産販売
- 三井不動産リアルティ
- 野村不動産グループ
- 東急リアルエステート
- 安藤証券
- マネックス証券
上記におすすめしたような大手の不動産ファンドは、はやり実績が高く、扱っている物件の数も多いので安心して取引することができます。ただし、審査が厳しく、融通が利かない面がある他、担当者がコロコロ代わって、経験があまりない担当者に当たってしまい、不安を感じる人が少なくないようです。
株取引などで既に証券会社を利用している人は、証券会社でも不動産ファンドを扱っているところがありますので、相談してみると良いでしょう。
5.不動産ファンドで成功する為のポイント
2020年のオリンピック開催に向けて、日本では建設ラッシュを迎えていますので、今が不動産投資を始めるベストタイミングと言えます。不動産投資を始めようと思っている人は多いことでしょう。
しかし、最初から大きく儲けようと考えず、堅実は不動産ファンドを選び、短期ものから初めてみると良いでしょう。少額の資金で投資できるものもありますので、まずはお試しで始めてみてはいかがでしょうか。
不動産ファンドで成功させるには、不動産ファンド選びにかかっていると言っても過言ではありません。信用度が高く、実績があること、そして、魅力のある商品を持っている不動産ファンドを見つけることが成功するための最大のポイントなのです。どのような物件なのか、実際に行ってみて確かめるなどして、慎重に選ぶようにしてください。各地で不動産投資のセミナーも開催されていますので、積極的に参加して、投資を始める前に勉強をしておきましょう。