保証会社とは、家賃保証のこと。
保証会社は、入居者の連帯保証人を代行します。
サブリースとは異なり、入居者から家賃を引き落とし、大家に支払う支払い代行の機能を備えています。
1.なぜ、保証会社が必要なの?
日銀短観によると、2018年の上半期において、
月末での1ヶ月滞納率は3.1%、月末での2ヶ月以上滞納率は1.3%。
これらは、大家さんにとって見逃せない数字です。
①家賃の滞納リスクが減らせる
保証会社に加入すると、大家さんにも、入居者にもメリットがあります。
保証会社加入の際に、入居審査があるため、家賃の支払いにおいて、ある程度信用のある人を入居させることができます。
また、入居者も家賃の滞納があった場合に、家賃の立て替え払いをしてくれるために、退去通告される可能性が少なくなります。
保証会社が立て替えをしてくれるのは、1カ月から数カ月、会社によって違います。
保証会社の資金力・規模・実績などをチェックし、どの保証会社を選ぶがよいか、見極めることが必要です。
②様々な属性の入居者を入居させることができる
日本における高齢者や外国人の数は、年々増加傾向にあります。
そのため入居者や保証人も高齢になってきています。
また、未婚率も増加して、生涯単身の人の数も増加傾向です。
入居者が子どものいない高齢者で、兄弟や親が他界してしまった、
連帯保証人が年金生活者で、入居者が滞納したときに支払能力がない、
などのケースはこれまでもありましたが、今後、さらに増加することは確実と言えるでしょう。
滞納の際に支払うことができない人を、連帯保証人にするのでは、大家としては意味がありませんし、迷惑です。
だからといって、高齢者を入居させないと、縮小し続ける賃貸市場の中で、入居のチャンスを逃し、空室率が上がってしまいます。
保証会社を使うことで、連帯保証人がいない人でも、安心して入居させることができます。
高齢者だけでなく、滞納リスクが日本人よりも高い、外国人を入居させるチャンスも広がります。
2.保証会社おすすめランキング
家賃保証会社を選ぶ際には、
・家賃保証内容はどうなっているか
・経営状況は良好か
・立替日数が自分の希望と合っているか
・信託銀行を使っているか
の4つの視点からチェックすべきです。
堅実な経営を行い、スピーディーに対応してくれる会社が、大家さんにとってよい保証会社と言えます。
①どんなところに着眼点を置くか
・家賃保証内容のチェック
保証会社によって、何に対して保証してくれるかが異なってきます。
代位弁済だけなのか、原状回復費や明け渡し訴訟費用、残存物の処理費用もカバーしているのかを確認しましょう。
保証会社によっては、保証の対象となっていても、オプション料金が発生するケースもありますので、しっかりとチェックすることが必要です。
希望する立て替え日数は半年だったが、保証料が安く、サポート範囲が広いため加入をしたら、立て替え日数が1カ月なのに気づかなかった、
という事例があります。
立て替え日数も必ず確認すべきです。
家賃回収業務についても、実際に物件まで出向いて家賃滞納者と支払いについて交渉するのか、電話で督促を行い、解決がない場合は法的処置に移行するのかも聞いておくべきです。
また、強引な督促をする企業は、物件自体の評判が悪くなる可能性があるのでおすすめできません。
不動産経営・管理に詳しくない人には、法務コンサルティングサービスや入居者の夜逃げ・逮捕といった事故後の対応をしてくれる保証会社がおすすめです。
・財務体質のチェック
優良企業かどうかも重要なポイントです。
ホームページで財務常用を詳細に公表している企業と、そうでない企業があります。
公表されていない場合は、口頭でよいので、担当者に確認しておくのがベターです。
信託銀行を活用しているのかどうかもチェックポイントです。
入居者から集めたお金を受益者(銀行)に預けておき、財産として保管しておけば、万一、保証会社が破綻した場合も資金回収ができるからです。
②おすすめの保証会社トップ3
上記のチェックポイントからEdge編集部は次の3社をおすすめします。
3社とも「一般社団法人 賃貸保証機構(LGO)」に加盟しています。
この団体は、ゆきすぎた取り立てが社会問題化したため、自主規制ルールを制定。
会員である保証会社に対してその遵守を求め、賃貸保証制度のルールづくりを確立しようと活動しています。
・フォーシーズ
家賃保証会社として20年以上の実績を持ち、なおかつ無借金経営を続けています。
高額な賃料の保証も可能で、入居者審査の承認率98%以上と高水準を保っています。
通常の居住用物件以外にも高級賃貸物件、オフィス、店舗、SOHO、貸地、倉庫、工場など広範囲の物件が対象で、入居者は、企業経営者、芸能人、スポーツ選手、フリーランス、学生、高齢者、外国人、生活保護受給者、年金受給者などの、色々な属性な人を審査対象としています。
戦争犯罪人、テロリスト、マフィア等の犯罪組織から資産を守るため国際犯罪組織排除のための取引禁止リストを導入。
国連、世界銀行、イギリス、EU、日本、香港シンガポール、オーストラリアなど、各国政府や情報期間が発行する取引禁止リストによるスクリーニングを実施。
徹底したコンプライアンス遵守や食料支援・住居支援・生活支援などの入居者支援制度も導入しています。
・家賃保証内容 上限なし
・経営状況 無借金経営
・財務・契約状況 開示あり
・資本金 3億3,200万円
・立替日数 3日以内
・信託銀行の活用 あり
・日本セーフティー
売上高が100億円を超え、家賃保証業界でもトップの規模を誇る企業です。
財務状況を詳細に公開。
流動資産、現預金比率、流動負債、流動負債/現金及び預金、固定負債、利益剰余金(利益準備金)に関して、過去5年のデータをホームページに掲載しています。
入居から退去まで対応してもらえるのが特徴で、原状回復費用、明け渡し訴訟費用など、滞納で発生した費用はカバーしてくれます。
明け渡しまでの法的手続きに罹った費用の支払いにかんする上限額はありません。
信託を活用した、集金代行も得意とするところです。
入居者から引き落とした家賃等を保管しておくことで、保証会が廃業や倒産したときに大家さんや不動産会社様に送金できるように資金保全をしています。
・家賃保証内容 24ヶ月
・経営状況 無借金経営
・財務・契約状況の開示 あり
・資本金 9,900万円
・立替日数 当月末
・信託銀行の活用 あり
・URL http://www.nihon-safety.co.jp/
・Casa(カーサ)
「Casa」では、従来は、家賃滞納時の対応は代位弁済請求書を送って入金してもらう方法が一般的でしたが、2015年リコーリース株式会社との提携以降、集金代行付き保証サービス(Casaダイレクト)を採り入れています。
家賃保証プランはシンプルです。
住居用と事務所・店舗用ともに、保証人無しで毎年更新があるタイプのみとなっています。
住居の場合、初回保証委託料が月額総賃料の70%(最低保証委託料28,000円)、更新料は10,000円/年。
店舗・事務所の場合、初回保証委託料は月額総賃料の1ヶ月(最低保証委託料30,000円)、更新料は月額賃料の0.1ヶ月です。
審査は自社独自の基準となっています。
保証範囲は賃料の他に光熱費や更新料、退去時精算、訴訟費用まで含まれますが、原状回復費用は対象外です。
・財務・契約状況の開示なし
・資本金 13億円
・立替日数 当月末
・信託銀行の活用 なし
・URL https://www.casa-inc.co.jp/owner/
3.まとめ
入居者は人間ですので、どんなに高所得の人でも、病気や失業になり、収入が不安定になる可能性はないとはいえません。
保証会社はそんなときにサポートしてくれる心強い味方です。
また、今まで、入居させるのに抵抗があった人も安心して入居させられる可能性が高くなります。
ランキングを参考に、財務体質のしっかりした、自分に合ったサービス内容の保証会社を加入することで、安定した賃料収入が確保でき、大家さんの不安を取り除くことができます。