海外の不動産を購入する際、現地の情報が日本に比べて少ない、現地の慣習が分からないということがリスクになります。そんなときに頼りになるのは不動産会社です。不動産会社は、物件を購入するときだけではなく、修繕や家賃管理などの不動産購入後も付き合いが続きます。
1. 物件を購入する場合に知っておきたい不動産会社の選び方
不動産購入の際は、まずサポートをしてくれる不動産会社、または、それに準ずるサポート企業を探します。投資国の銀行に口座を開設する、税金の納付方法を確認するなどの事務手続きを含め、サポート企業が行ってくれます。そのため、海外不動産投資の成否は、企業の選定に左右されます。下記のことに注意しながら自分に合った企業を選ぶべきです。
【1.-1】現地のエージェントに精通しているか
まずは、現地のエージェントに精通しているかどうかをチェックします。フィリピンの情報はたくさん持っているが、ベトナムの情報には疎い、仲介は自信があるが、管理はずさんだ、など、どの会社にも得意分野、不得意分野があります。よく話を聞き見抜くことが大切です。
【1.-2】リスクをきちんと説明してくれる企業を選ぶ
成長率が高い国でも、特定の地域に建物の建設が集中すると不動産価値は上がりません。建設が集中するということは好景気の証ですが、不動産が集中すれば空室率を高める可能性があります。
また、海外は「プレビルド物件」の販売が非常に多いです。これは、完成前の建物に投資することになりますので、デベロッパーの資金不足で建物が完成しなかった、建物は完成したが賃貸や売却の目途がまったく立たないという事例が少なくありません。
このようなリスクを購入前にきちんと伝えてくれる企業を選ぶべきです。物件購入の際、いい話ばかりする企業は要注意。契約を迫る業者、手数料が安すぎる企業も敬遠したほうが無難でしょう。アフターフォローがしっかりしている会社なら、しっかりとした手数料が必要になるからです。
人任せにせず、まずは、一度現地を見て、サポート企業と話をするくらいの念入りさが必要です。海外投資には、しっかりとした調査が必要だということを覚えておきましょう。
2. 管理を頼む場合に知っておきたい不動産会社の選び方
海外不動産の管理は、日本の企業、現地の企業、どちらかに頼むことになりますが、日本の企業の場合は、サービスの品質面や信頼面では安心できますが、コストが高いというデメリットがあります。いっぽう、現地の管理会社の場合は、サービスは日本の企業に劣りますが、コストが安く、現地に精通しているために、客付け面では優れています。そのため、現地の管理会社を使うことがおすすめです。
【2.-1】海外の不動産会社に紹介してもらう
海外不動産を購入する際、エージェントに相談してみるのも1つの手です。海外のエージェントを使う場合は、複数のエージェントを天秤にかけすぎるのは良くありません。信頼関係が築けないと判断され、不動産投資がうまくいかなくなるからです。
商慣習の違いを理解し、大家とエージェントの間に、よい関係が構築されれば、必要な情報をすぐに届けてくれ、定期報告をきちんとしてくれます。エージェントを使うなら、管理会社はどこがよいか、相談を持ちかけてみてください。お勧めの管理会社を紹介してくれたり、エージェント自身が管理を手掛けている場合は名乗り出てくれたりします。
【2.-2】日本の不動産会社に紹介してもらう
日本の不動産会社に管理会社を紹介してもらう方法もあります。日本語に精通していますし、現地でのネットワークを活用した物件や管理会社を紹介してもらうことが可能です。このような不動産会社には、「ビヨンドボーダーズ社」「フォーランドリアルティネットワークジャパン社」などがあります。
管理会社の担当者とは、何度かメールのやり取りをすれば、その会社の雰囲気を掴むことが可能です。こまめに返信してくれる会社は、信頼がおけます。誠実な管理会社を選ぶべきです。
3.海外の常識と対応方法
海外には日本の常識が通用しない部分もたくさんあります。ここでは、不動産投資をするにあたって、トラブルやストレスになりそうな、日本と異なる慣習を紹介します。
【3.-1】時間にルーズである
日本人にとって、とくに、トラブルがあったときなどは迅速に連絡してほしいと思うものです。しかし、現地の人は日本と比べて非常に時間にルーズで、なかなか連絡をくれないことが少なくありません。メールに関しても日本人ならすぐに返信してくれるような要件なのに、数週間かかったという話もよく耳にします。
設備の修理やトラブルなどで、すぐに対応してほしいとき、外国語が得意でない場合には、現地のエージェントに頼んで通訳してもらいましょう。そのほうが、細かいニュアンスが伝わります。メールの場合は、用件をまとめて1通のメールで送るのではなく、1件ずつ、複数回聞くようにすると問い合わせ内容に対して正確な答えが返ってくると言われています。
客付けやトラブル対応が迅速でないと賃料収入の減少につながることが予想されますので、レスポンスのよい管理会社を選びたいものです。
【3.-2】担当者が休みだと業務がストップする
海外の人たちは日本人と違って、どんなに仕事が忙しくても、しっかりと休暇を取ります。個人ごとに、業務の担当範囲が明確にされていて、担当者が休みだからといって、他の従業員が肩代わりすることはないようです。そのため、担当者が休みだと、業務がストップしてしまうのです。
また、日本では、「お客様との信頼関係もあるから」と、サービスで業務範囲外のことをしてあげるケースがあります。仲介のみ行った入居者から電話がかかってきて、修繕の手配を管理会社の代わりに行ったという話をよく聞きます。しかし、海外は契約に定められている業務以外には一切手をつけません。管理会社だからいって、全てやってくれるとは限りません。
ひと言で管理といっても家賃管理、修繕、クレーム対応など様々です。どこからどこまでの業務を担当するのかを細かく確認するために、契約をする際に細かく決めておくことが大切です。また、個々の担当者が、どの業務を担当しているかも確認しておきましょう。
現地の様子が分かりにくい状況で、頼りになるのが、エージェントや管理会社です。相手のことを理解し、売却までうまく付き合って高い利回りを出すようにしましょう。
【3.-3】ベトナムやラオスは建物管理の概念がない
ベトナムやラオスなどの一部の東南アジアでは、建物の管理まできちんと行わないエリアがあります。
日本のマンションは、大規模修繕の計画があるところがほとんどですが、それらの地域では、そのような概念はありません。そのために、エージェントを通して、管理会社にしっかり確認しておく必要があります。
「定期的なメンテナンスでは何をしているか」「建物の価値を維持するために何をしているか」などを尋ねてみましょう。質問に対する明確な答えが返ってこないならば、管理の概念がないことを疑うべきです。
4、まとめ
海外不動産への投資の場合は、物件選びと同じくらい、「どの会社から購入するか」ということが大切になってきます。これらのポイントを参考にして、信頼できる不動産投資会社を見極めていきましょう。
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もくじ1.海外不動産投資とは? 2.どうやって購入すればいいの?3.どこの国へ投資すればよいか4.まとめあなたは、海外不動産投資に興味がありますか?近年、ASEANなどの新興国に対する不動産投資が日本