現代は、人生100年時代と言われ、老後の資金不足が心配されるため、投資に注目が集まっています。
不動産投資は、ほかの投資商品に比べ、リスクが少ないと言われています。それは、長期的投資で安定的な利回りを得られるからです。
また、一度購入した物件は、現物資産として残るのもメリット。物件によっては、少額から始められるので投資初心者におすすめの運用商品といえます。ここでは、不動産投資初心者に多い質問についてお答えします。
1.マンション投資のメリット・デメリットについて
不動産投資といえば、マンション購入を思い浮かべる人は少なくありません。マンション投資のメリット・デメリットとは何でしょうか。
1-1.なぜマンションなのか
不動産投資を長期で行うと、建物の老朽化が進み、収益不動産として役に立つかどうか心配という人がいます。建物の老朽化を防ぎ、長期にわたって安定収入を得るためには、建物の管理が必要です。戸建てだと、自分たちで建物の傷んだところを見つけ、メンテナンスの業者に発注しなくてはならず、プロの目線がある程度必要になります。
マンションならは、管理会社が多くの場合存在し、建物の維持管理を行ってくれます。住宅用の鉄筋コンクリート造の建物であれば、税法上の法定耐用年数は47年と長期に定められていますので、節税や売却益のことを考えても木造一戸建ての物件よりも利点が多いのです。投資を初めて行うならば、大手デベロッパーが建築した、RC、SRCの物件をお勧めします。
1-2. ほかの運用商品よりも利回りが低いが投資リスクが少ない
株やFXは、大きな収益を生むことがあります。しかし、ITバブルの崩壊や為替相場の乱高下の際、大きな痛手を被った人が多くいたのを考えると、長期的で安定した収益を上げることができるのかというと疑問です。自分ではどうすることもできない、予測できない要因に価格が左右されてしまいます。
不動産投資は、実質利回りは、4~5%が平均で、株やFX(外国為替証拠金取引)に比べると低利回りとなっています。これは、ほかの投資と比較したときのデメリットです。しかし、長期的・安定的に収益を上げることが可能です。将来、人口が激減しないエリアの物件を購入する、地震リスクの少ない地域を選ぶ、など自分が注意を払うことで、リスクを低下させることができるのです。
1-3. 資産として家族に受け継ぐことができる
マンションをローンで購入すると、団体信用生命保険がつきます。万が一のことがあったときにはローンの残債はなくなり、家族にローンのない収益物件を残すことができるのも不動産投資ならではのメリットです。
マンション投資は、株やFXのような、儲かる話でも美味しい話でもありません。しかし、その分リスクが少なく、長期的に安定収入を得ることのできる、地に足のついた、確かな投資なのです。
2.借り入れについて
マンション投資はまとまったお金が必要となるので、ローンを組むことが珍しくありません。しかし、多額のローンを組むのは不安な人が多いでしょう。ローンについてのよくある質問は次の通りです。
2-1. 自己資金を少なくしてローンを組むのは危険?
金利がずっと固定され、空室や家賃下落、滞納などの問題がなければ、ローンの利用はまったく問題ありません。しかし、実際に、金利は変動し、空室も起こります。空室や滞納が長期間続けば、毎月のローン返済額を全額自分で支払わなければならなりません。
そのためには、空室になっても返済できる額をローンで組むために、ある程度の自己資金は必要になります。より安全にマンション投資を行いたいならば、自己資金を用意しましょう。また、借り入れたお金を繰上げ返済して、上手にコントロールしていくことも大切です。
2-2. 投資用のローンは、自宅を購入するための住宅ローンの違いは?
自宅購入用のローンと投資用物件購入用のローンは、審査基準や金利が異なります。自宅購入用ローンは債務者の返済意思が高いことから、投資用ローンに比べて、審査基準も緩くなっています。また、需要の面から考えても、自宅購入用のローンの希望者は多数のため、低金利になっています。
平均すると、現在の自宅購入用ローンの金利は1%未満のものがあるのに対し、投資用のローンの金利は、2%以上となっています。
2-3. 投資用ローンでも、団体信用生命保険は付くのか?
ローンを組んで物件を購入した後、本人が死亡した場合、自宅購入用のローンと同じく、団体信用生命保険が付きます。先に述べたように、本人に万が一のことがあった場合、ローンは完済されます。マンションは、無担保の資産として家族に残すことができるのです。
一般的な生命保険の場合、30歳の人と50歳の人では、毎月支払う保険料の金額は、3倍くらい違ってきます。団体信用生命保険は、一般の生命保険とは異なり、加入年齢によって支払う保険料の金額が変わることがありません。
3.賃貸中の管理・運営について
投資で一番心配なのは、管理、運営です。空室は少しでも減らすべきですし、原状回復のリフォーム費用がかかりすぎると、利回りに大きく影響するからです。初心者なのに管理、運営のノウハウを積んでいる投資家は、そう多くありません。
3-1. 空室を避けるために現在の入居者に少しでも長く入居してもらう方法は?
良好な住環境を整えてあげれば、入居者は長くそのマンションに住み続けてくれます。3点式ユニットをバストイレ別にするなどの大規模なリフォームも、競争力をつけるためには大切ですが、賃料に見合った設備・環境を整えるだけで、入居者の満足度は高くなり、長く入居してくれます。
無料Wi-Fi設備の導入や室内洗濯機置き場の設置、24時間コールセンターの完備、近隣住人の騒音トラブルの解決、共用部分の美化などは、入居者の満足度を高くしてくれます。地域のニーズを常に把握し、退去したら、すぐにリフォームができるよう、準備をしておきましょう。
3-2. 築年数が経ったとき、空室になるのが心配
築年数が経過しても、好立地で管理が行き届いていれば、入居希望者は見つかります。一般に、鉄筋コンクリート造のマンションの法定耐用年数は47年、木造アパートでは22年ですが、建物をしっかりと管理していればこの期間を越えて建物の価値を維持することは可能です。
定期的に、エレベーターや水道配管のチェックを行っている、大規模修繕計画を立て、実行しているなど、行き届いた管理が行われているマンションは、古くても清潔感があります。居室内も10年、20年と時間が経過すると水回りを中心に老朽化が始まりますが、日常から設備の点検やメンテナンスを行うことで老朽化は確実に遅らせることができます。
また、数十年後に、人口減少の可能性が少ない場所にある物件を選ぶ事は、入居者を確保しやすくなります。また、物件自体の価値を維持するだけではなく、好立地の物件を選ぶことも重要です。駅のそばだけが好立地ではありません。将来の人口の動向を推測することが大事です。
3-3. 家賃はどうやって設定するのか?
家賃は「周辺の相場家賃」と「募集物件の特徴」を考慮して決定します。インターネットを活用して周辺エリアの類似物件の家賃設定を調べたうえで、現場の声を拾うために、近隣の業者に聞き込みを行います。
そして、様々な角度で物件の特徴を拾い出します。バストイレ別か、キッチンはガスコンロなのかIHなのか、オートロックや宅配ロッカーがあるかなど、特徴を確認したら、家賃を設定するのです。
相場家賃は、マンションが老朽化すると下がりますが、社会情勢にも左右されます。素早く適切な募集家賃を設定することのできる賃貸管理会社を選ぶことが空室リスクを回避するためには重要です。
4.まとめ
マンション経営は、収益計算だけでなく、入居者という人間が関わる投資です。そのため、金融知識だけでなく、コミュニケーション力やリフォームのための建築知識など多面的な能力が必要となります。難しい面もありますが、だからこそ、面白みのある投資です。疑問に思ったことは、専門家や不動産会社の担当者にどんどん相談し、不動産投資を成功させましょう。
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