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指摘されにくい不動産管理費の相場と税務調査で負けない3つのポイント

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1.税務署に指摘されにくい不動産管理費の相場

指摘されにくい不動産管理費の相場と税務調査で負けない3つのポイント
不動産管理会社を設立した方が納税額は少なくなる。という話を聞いたことがあると思います。所得税は累進課税制度となっているので、課税所得が大きいほど税負担も大きくなる仕組みです。

そして所得は「収入-経費」で計算されます。単純にいえば、この経費が大きくなれば、所得が少なくなり、所得税も少なくなるということです。

一方で、法人の利益に課される税は「法人税」といわれ、この税率は所得税と異なり一定です。つまり、所得税として納税するよりも、不動産管理会社を設立して収入の一部を管理費として経費にして、管理会社の方で法人税として納めることで、全体でみると節税につながります。

そのため、理論上は不動産の賃貸経営で得た利益のほとんどを、設立した不動産管理会社に管理費として支払うことで、大きな節税につながる。ということになりますが、そうはならないのが現実です。

あからさまな節税目的の、実態が伴わない管理費は税務署から指摘されてしまいます。そこで不動産管理費の相場をお伝えします。

1-1.管理委託方式の相場は5%

管理委託方式での管理費の相場は家賃収入の5%です。これ以上の金額を管理費として経費に計上したいのであれば、税務署に指摘されても妥当性を示せるように他社の見積を取得しておくことが重要です。

「同様のサービスについて他社に見積もりをとったところ、家賃収入の10%を管理費として請求されたので妥当です。」といえる根拠になります。

1-2.サブリース方式の相場は15%

サブリース方式では管理費の相場は管理委託方式よりも多く、家賃収入の15%です。管理委託方式よりも多くの節税効果を見込めます。

もちろんその分、管理委託方式よりも手間がかかります。サブリース方式は、管理会社に不動産を一括して貸付けたあと、管理会社が第三者に貸し付けるというものです。「又貸し」となるため、オーナーと管理会社間での賃貸借契約を結んだあとに、管理会社と入居者の賃貸借契約を結ぶ必要があります。

2.管理料を税務署に否認されないためのポイント

指摘されにくい不動産管理費の相場と税務調査で負けない3つのポイント
賃貸経営の管理業務には大きくプロパティマネジメントとビルメンテナンスに分かれます。プロパティマネジメントは、家賃の入金確認や滞納時の督促、入居者からのクレーム対応です。対人業務が主になります。

ビルメンテナンスは、清掃の他にもエレベーターや電気設備、給排水設備などの保守点検業務、原状回復やリフォーム工事などの対建物・土地の業務が主です。特にビルメンテナンスの方は修繕計画など、建築・不動産に関する専門的な知識や資格が求められます。

そのため、管理会社を設立したとしても、管理業務の一部または大部分を地元の不動産会社に依頼することになるでしょう。

このように2つの管理会社に業務を委託することになると、同族会社の不動産管理会社は何を管理しているのか、その管理料は適切なのか、指摘されてしまいます。

そこで税務署に指摘されたときや、否認されて裁判にまでもつれこんだときに「管理費は必要経費になる」と認めてもらうためのポイントが3つあります。

①委託する業務内容が記載された契約書を作成すること
②作業報告書を作成すること
③同様の業務内容について、外部の管理会社に委託したときの見積を取得していること

まず管理費について税務署に指摘されたとき、具体的に

・定期的に物件の見回りをしていました
・入居者からのクレームに対応していました
・設備の点検や清掃を行っていました
・原状回復工事での業者への依頼、工事の立ち会いを行っていました

と説明したとしても、税務署員にはそれらの発言が「嘘ではない」ことを証明する必要があるからです。

実際に業務を行っていたと客観的事実を残すために、たとえ同族会社であったとしても作業報告書を残すことが大切です。

平成10年2月26日裁決の裁判事例では、管理会社のN社に委託した以外の業務を同族会社H株式会社に委託して管理料を支払っていたところ、その管理料は不動産賃貸経営に必要な費用とは認められないとされました。(http://www.kfs.go.jp/service/JP/55/04/index.html)

ここでポイントとなったことは、作業報告書の有無です。H株式会社とは、委託業務内容を記載した契約書を作成していましたが、N社に委託している業務と多くが重複していました。ただしN社との契約書は存在しません。

しかし、H株式会社が契約書に従って業務を行ったと確認できる報告書などの資料がなく、報告自体も口頭で行われているという事実から、裁判でも否認とされました。

「請求人において当該支出が単に必要経費に該当すると主張するのみではなく、それが必要経費に該当することをある程度合理的に推認できるに足りる具体的立証を行わない限り、当該支出は必要経費に該当しない。」

という判断の根拠からも、契約書だけでなく、作業報告書などの客観的事実が必要であることがわかります。このことは平成25年3月4日に裁決された裁判事例(http://www.kfs.go.jp/service/JP/90/03/index.html)からも判断できます。

この事例でも同じく、他の管理会社と同族会社に管理業務を委託しており、その業務内容も一部が重複していたため、2つの管理会社に業務を委託する必要性の有無に関することでした。しかし裁決では、「同社の業務に係る出来事をノートに記載しており、そのノートによれば、同社は随時、上記の各業者等からの連絡等を受け付け、必要な対応等を行っていたものと認められる。」という検討の結果、必要経費に算入すべきであるという判断に至りました。

この裁決では、管理会社が行わない業務を、同族会社が独自に行なっていたこと、もポイントになっています。

3.まとめ

指摘されにくい不動産管理費の相場と税務調査で負けない3つのポイント
不動産管理会社の設立は、節税に効果的です。しかし、同族会社に対する管理費は、オーナーの考える金額で恣意的に決められるものです。そのため税務調査でも指摘されやすい項目となります。

この記事で紹介したように、管理費の相場から逸脱しないように注意しながら、万が一指摘されたときでも説明ができるように契約書、作業報告書は準備するようにしましょう。

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賃貸”住まい”の新しいカタチを提供するEdge編集部が記事を書きました。

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