コロナウイルスの流行により、世界中の都市でロックダウンが行なわれるなど大きな影響を与えています。世界的に経済の後退が懸念されている中で、海外不動産の市場にはどのような影響を与えているでしょうか?
海外不動産に与える影響や今後の展望をご紹介しています。
エリア別の不動産市場の推移
海外不動産のエリア別に、不動産市場の推移をご紹介しましょう。全てのエリアで不動産マーケットが後退しているわけではありませんが、影響が出ている地域もあります。
アメリカでは郊外不動産には売り手市場
日本での新しい生活様式などの言葉が誕生しており、生活のあり方が変化しようとしています。これはアメリカでも同じで、事態が収束したとしても、新しい習慣が残り続ける可能性があります。不動産市場にも新しい習慣が出ており、都心部から郊外へと移住する人が増加傾向にあるのが特徴です。
都心部で息の詰まる生活をするよりも、郊外の物件に住みたいという人が増えているのです。郊外物件の需要の高まりによって、物件の数が不足傾向にあり中古物件やリノベーションが必要な物件でも人気が高まっています。在宅勤務が一般化するにつれて、ニーズが郊外へと移っているのです。
フィリピンの住宅価格は上昇
フィリピンの住宅価格指数はほぼ横ばいになっているのですが、投資のメインとなるコンドミニアムについては価格指数が向上しています。コロナショックで影響を受けているのは工場や倉庫などです。法人向けの物件はコロナの影響を受けています。
しかし住宅価格はコロナによる影響があるにも関わらず、急速な立ち直りを見せており、住宅価格の上昇率が高まっているのが特徴です。利回りが高いことからフィリピンの不動産投資に注目が集まっています。
しかし中国人に対して入国規制を行ったことから、中国人投資家が売りに走っていたという経緯があります。コンドミニアムの投資物件は、今後の価格推移に注目です。
タイではエリアによって異なる
タイの不動産価格は上昇していましたが、2019年の終り頃には下落傾向にありました。その後コロナショックとなったので、基本的に縮小傾向にあったことから大きな影響はありませんでした。
バンコクでは住宅価格が下がると予測されていますが、プーケットなどのリゾート地では増進することも予測されています。今後不動産市場が回復することは予測されているものの、住宅の賃料は下落するとされています。
タイでは外国人が入国できないようになっていたので対面販売が難しくなり、購入キャンセルや開発の中止などが相次いでいました。
マレーシアは緩やかな減少傾向
マレーシアは中国人による不動産投資ブームが過ぎていたこともあり、反動はそれほど大きくないと予想されています。2019年頃まで中国人投資家による投資が盛んだったことから、今後のマーケットの動きには注目です。
ジョホールバルなどは投資認可額が前年同期と同水準になっているので、コロナ禍でも順調です。コロナによる影響は比較的短期的ではないかと予測されています。
コロナ禍による不動産市場の将来
コロナによる不動産市場の将来について予測してみましょう。働き方が変わることによるニーズの変化や購入までのハードルがポイントになるでしょう。
郊外や中古物件に注目される
アメリカなどで顕著に出ているように、郊外へのニーズの変化や中古物件への注目は高まっています。大都市であればなるほど、近隣の郊外への注目が高まっています。不人気エリアであったとしても外出が難しくなったことから、需要が高まっているのが特徴です。
またアジアのオフィスエリアでは、需要が低下しているエリアもあることから、特に立地条件が良いことがポイントとなります。コンドミニアムなどの需要は変化がそれほど大きくないものもあり、購入前の慎重な検討が求められるでしょう。
購入までのハードルが上がる傾向
外国人の入国が制限されている国もあることから、購入までのハードルが上がる傾向は引き続きあります。対面で見ることができないので、どのような条件なのか直接確認することが難しいです。
現地調査が難しいので、信頼できる現地の不動産エージェントの協力が不可欠となります。コロナの影響が収束するまで購入までのハードルをどのように克服するかはポイントです。
まとめ
コロナの影響によって、住宅ニーズが変わっているエリアもあります。また不動産価格が下がっているエリアでは、購入のチャンスとなっているケースもあります。
いずれにしても、コロナのが今後どのように市場価格の変化に影響を与えるか予測しづらい部分もあるので、慎重に検討することがおすすめです。