不動産を取得すると、不動産取得税が課税されます。しかし一律で計算できるものではなく、所有する不動産の価格や軽減措置の適用によって変化することがあります。
本記事では、不動産取得税の計算方法や軽減措置を受ける条件を紹介します。
不動産所得税の仕組み
不動産取得税というのは、不動産を購入して取得した際にかかる税金のことです。不動産を所有していると、固定資産税を毎年払う必要がありますが、不動産取得税は一度だけ支払う税金です。
不動産取得税は、相続の場合を除いて課税されるシステムとなっています。例えば、不動産を購入後にすぐに売却した場合でも、不動産を取得したので課税されます。
不動産取得税の計算方法
不動産取得税は、「課税標準額×税率」で計算されます。課税標準額というのは、不動産の価値のことです。取得時の金額ではなく、固定資産税評価額を元にして計算されます。
評価額は、実際の価格よりも低くなっていることがほとんどです。土地の場合には時価の7割程度で、建物の場合には5割から6割ほどです。
また税率に関しては、原則として4%ですが、2021年3月31日までに取得した住宅や土地は、特例措置よって3%に引き下げられます。
譲渡所得には所得税と住民税が課税される
不動産取得税と共に取り上げられるのは、不動産を売却した際の所得税です。譲渡所得に所得税が課税されるのです。
譲渡所得は、売却価格から売買にかかった費用を差し引いて計算する必要があり、売った際の価格から買った時の価格を差し引きし、プラスになる場合に所得税として課税されます。
所得期間が5年以下なのか、5年超なのかによっても税率が異なります。なお、譲渡所得がマイナスの場合には課税されません。
軽減措置を受ける方法
不動産を取得した場合の軽減措置を見ていきましょう。これらの知識を知ることにより税金を抑えることができます。
新築の場合
取得したのが新築住宅の場合には、固定資産税の評価額よりも1200万円が控除されます。そのための条件は以下の通りです。
・土地を先に取得している場合は、取得から3年以内であること
・土地を賃貸していて建築物を建てる場合には、建築後1年以内に土地の名義を取得していること
この新築の場合の軽減措置は誰でも受けることができます。
優良住宅の場合
令和2年3月31日までに、認定優良住宅を新築した場合には、新築住宅の特例控除額が1300万円となります。手続きをする必要がありますが、固定資産税の評価額からの控除がさらに増加しますので、知っておきたい情報でしょう。
中古住宅
中古住宅の場合には、新築日によって控除額が異なります。例えば、1997年4月1日以降に新築された建物であれば、控除額は1200万円です。もし1989年4月1日から1997年3月1日に新築された建物であれば、控除額が1000万円です。
このように、新築された時期によって控除額が異なるのです。詳しくはこちらの表を参考にしてください。
平成9年4月1日以後 | 1200万円 |
平成元年4月1日〜平成9年3月31日 | 1000万円 |
昭和60年7月1日〜平成元年3月31日 | 450万円 |
昭和56年7月1日〜昭和60年6月30日 | 420万円 |
昭和51年1月1日〜昭和56年6月30日 | 350万円 |
昭和48年1月1日〜昭和50年12月31日 | 230万円 |
昭和39年1月1日〜昭和47年12月31日 | 150万円 |
昭和29年7月1日〜昭和38年12月31日 | 100万円 |
土地
新築の戸建てを取得した場合では、税率をかけた後の計算結果より金額を控除します。
土地については、以下の1、2でどちらか金額が大きい方を軽減前の土地の税額から控除することができます。
2:土地1m2当たりの価格×1/2×住宅の床面積の2倍(200m2が限度)×住宅の取得持ち分×税率(3%)
不動産取得税を正しく理解しよう
不動産取得税は計算が複雑ですが、正しく理解することで軽減措置などを利用し、費用を抑えることができます。
不動産を取得する際には、軽減措置を利用できないか検討してみることをおすすめします。