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賃貸住宅新聞社が毎年秋頃に発表している「人気設備ランキング」

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メインとなるのが「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まるTOP10!」ということで、空室率の増加が課題と考える多くのオーナーが注視しておくべきランキングだと思います。

今回は、2019年人気設備ランキングの中から、単身部門で第7位、ファミリー部門では第8位にランクインした「24時間利用可能ゴミ置き場」(以下「24時間ゴミ置場」)を取り上げます。

初めてのTOP10入り

 これまで、単身、ファミリー共にランク外であった「24時間ゴミ置場」ですが、2019年度で初のベスト10入り。近年、注目度が高まり、需要が高い人気設備のひとつへと大きく変化しています。これからの賃貸経営では是非知っておくべき設備です。
 分譲マンションでは既に主流となる「24時間ゴミ置場」ですが、賃貸でも新築時での導入が増加傾向にあります。一見、それ程の価値があるようには思えないかもしれませんが、一度体験してしまうと、その利便性から、「もう24時間ゴミ出しができない物件には住めない」と言われるほど、想像以上の効果があるようです。

入居者はどこに利便性を感じるか?

・時間、曜日指定の制限が無くゴミ出しにストレスがなくなる
・室内にゴミを溜めなくて済むため室内を清潔に保てる
・自分のライフスタイルを変化させなくてよい

もちろん、オーナーのメリットも。

・テナントリテンション(入居期間の長期化)が高まる
・マンションの美観が保たれる
・入居者間、近隣とのトラブル防止
・導入していない物件との差別化(成約率アップ)
・様々なライフスタイルに対応でき、入居者層が広がる(ターゲットの拡充)

24時間ゴミ出しを可能にする3つの条件

1ゴミステーションの設置
2民間ゴミ回収会社への依頼
3維持管理の必要性

1、ゴミステーションの設置


24時間ゴミ出しを可能にするには、まず「ゴミステーション」の設置が必要になります。
世帯数により設置する大きさは変わりますが、24時間いつでもとなればある程度の大きさの「ゴミステーション」が必要になります。
まず設置スペースが確保できるかどうかです。新たに建物に付随した敷地を確保することや、駐車場の一部区画を整理して設置することが必要なケースもあります。また どうしても大型になるので、設置費用も安くはありません。およそ20万円~と言われ、そこに水道管の敷設、鍵付きの扉など状況に応じて費用が更にプラスされることになります。

スペースの確保と費用をを考えると、24時間ゴミ置場のハードルは高く感じますが、まだ諦めないで下さい。設置費用もスペースも可能な限り抑えた「小型ゴミステーション」の活用で実現が可能です。

⇒おすすめ!「小型ゴミステーション」の設置
 スペースに見合ったフタ、扉つきのゴミ庫を設置することで「小型ゴミステーション」が可能になります。費用は安いものであれば4万円程度で可能です。
 容量が大きいものに越したことはありませんが、設置スペースが狭くゴミ庫自体置けない場合や、入居者の通行の妨げになってしまっては意味がありません。設置スペースと入居者数に適したゴミ庫を置くことが重要です。フタ、扉つきゴミ庫は各メーカーから様々な商品が販売されているので、適正な大きさのゴミ庫を置く事はそれほど難しくありません。

2、民間ゴミ回収会社への依頼

悩む女性
 次に必要なのが「民間のゴミ回収業者」への依頼になります。

 ゴミの回収方法には二種類あります。市(区)などの自治体の回収と民間ゴミ業者の回収です。前者は無料ですが後者は有料です。24時間ゴミ出しを可能にする場合、後者の民間のゴミ業者への委託が必須となります。

 そもそも自治体のゴミ回収では、ゴミステーションやゴミ庫にフタや扉があるというだけで回収してくれないケースがあります。しかもその回収頻度は少なく、分別や曜日、時間指定があります。大阪市であれば、燃えるゴミは週2回、朝9時までという具合です。
 こうした回収頻度で24時間ゴミ出しを実行した場合、予測できるのは惨状です。
たとえ大きなゴミステーションだとしても、分別されずに回収されないゴミがそのまま残り、悪臭や害虫の発生など衛生的に酷い状態となります。またステーションから溢れ出たゴミをカラスや猫が荒らすという状況も想像できます。その結果、クレームや近隣トラブルが発生、入居者のゴミ出しを制限する必要が生まれ、24時間ゴミ置場として機能しない事態に陥ることになります。

 24時間ゴミ置場は、文字通り24時間いつ捨てても良いよう段取りした上で稼働させなければなりません。費用をかけてゴミステーションを設置したにも関わらず、クレームやトラブルを誘発してしまう。そんな事態を回避するため、民間業者へ委託する事は必須と言えます。
 民間業者のゴミ回収費用は、その地域や総戸数、頻度によって費用が異なりますが、週5~7日、曜日や時間指定なくゴミを回収(※お盆や年末年始を除く)を実施したとしておよそ月額15,000円〜25,000円(大阪市内)が目安になります。

3、維持管理の必要性

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ゴミステーションの設置、民間ゴミ業者への委託、最後に必要なのが維持管理です。

民間ゴミ業者がゴミを全て回収してくれたとしてもゴミステーション内は汚れてしまいます。ゴミ業者はあくまでゴミの回収が仕事ですので、整理や清掃まではしてくれません。

 汚れの放置は、異臭や害虫の発生の原因にもなるので定期的は清掃は必要です。物件全体の清掃を清掃会社に委託しているのであれば、その会社と連携すれば簡単に維持管理も可能になります。管理会社に管理をお任せしている場合は、担当者に巡回時や清掃会社との連携、入居者への働きかけなども含めて依頼しておくと、より維持管理がしやすくなります。
 入居者に気持ちよく利用してもらうことはもちろん、臭いや害虫は近隣の苦情の元にもなりますので、ゴミ庫やゴミステーションの維持管理は必要になります。

まとめ:最後に


 小型ゴミステーションであっても、設置費用、ゴミ回収委託費用、維持管理費と小さくない出費があり、「24時間利用可能ゴミ置場」を稼働させることは、思いのほか大変なことだと思われたかもしれません。導入のハードルは低くはないことは確かですが、だからこそ導入することで価値が大きく高まるということが言えます。
 近隣のライバルの物件でも考えることは同じで、おそらく導入へのハードルの高さから躊躇もしくは断念することが考えられます。周囲が導入したくてもできない設備だからこそ、もし導入することができるならば大きな差別化となるはずです。しかも、一度体験するとやめられなくなるのが24時間のゴミ捨てです。引越しを検討しても賃貸マンションで導入している物件はまだまだ少数なので、退去抑止やテナントリテンション(入居期間の長期化)に大きな期待が持てます。

 人気設備ランキングにTOP10入りするほどに価値が見出されている「24時間利用可能ゴミ置場」。需要の高まりから、差別化を図る上での費用対効果は決して低くなく、導入する価値が高いことがわかります。近い将来、あったらいいなという設備でなく、あって当然という設備に変化していることも予測出来るので、ライバル物件がまだ躊躇している今、検討する好機ではないかと思います。

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賃貸”住まい”の新しいカタチを提供するEdge編集部が記事を書きました。

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