1.どの国の利回りが高い!?利回り徹底比較
投資を行うのに最も重視するのは利回りです。
不動産投資の利回りには、キャピタルゲイン狙いの利回りと賃貸収入におけるインカムゲインの利回りがあります。
インカムゲインによる利回りなら購入前に予測が建ちます。そこで国別にインカムゲインの利回り中心に、各国の事情を詳しく分析します。
①フィリピン
富裕層の賃貸需要が魅力のフィリピンは、新興国の中でもダントツの利回りの高さを誇っています。
ホテルコンドミニアムは、観光客などに1日単位で部屋貸しをするものです。
普通賃貸に比べて収益性が高く、日本から視察ツアーでフィリピンに来る人などに上手に貸せば、10%以上の利回りが確保できます。
日本の銀座・六本木に匹敵する一等地のコンドミニアムは利回り7~8%で購入が可能です。
コンドミニアム平均単価は、首都圏メトロマニラで3,000米ドル~4,000米ドル程度と安価ですので、投資がしやすいのも人気の秘密です。
高い利回りが見込める、40平米から50平米のコンパクトなコンドミニアムの価格は、平均13万米ドル程度で購入可能です。
②タイ
中国企業の進出により経済成長を遂げているタイは、中国系企業が不動産相場を支えているのが特徴です。
首都バンコクにおけるコンドミニアムは、広さにかかわらず6%前後の利回りが期待できます。
バンコクでは高層コンドミニアムが多く建設され、平均単価は平米あたり3,000~3,500米ドルほどと高騰しています。
40平米のコンドミニアムであれば平均13万5千米ドル程度で購入可能です。
購入の際に大切なのは、エリア選定でしょう。
雨期には水害が起こりやすく、立地によっては被害を受けるため、賃貸需要に影響を与えます。
現地情報をしっかりと把握することが成功の秘訣となります。
③カンボジア
カンボジアで不動産投資をする際の利回りは、首都プノンペンで5%前後となっています。
利回りが高いのは広めのコンドミニアムです。
高級住宅街「ポケコンエリア」でのコンドミニアムの購入単価は平米あたり3,000米ドル程度です。
不動産価格はかなり高騰しているので、ある程度の資金が必要となります。
賃貸需要が多いのは100㎡を超える広めのコンドミニアムです。購入金額は平均35万米ドル程度と高めです。
カンボジアの不動産は、米ドルで決済がすることが可能です。
新興国の通貨は変動幅も大きく、為替差損がリスクとなりますが、米ドル相場は比較的安定しているので、通貨リスクも回避できるのがメリットです。
また、現地の銀行で外国人が口座開設でき、不動産ローンも組みやすくなっています。
これは、他の新興国では見られない利点です。
④マレーシア
移住先として人気も高いマレーシア。
不動産投資の利回りも高いのが特徴です。
エリアによって違いがありますが、首都・クアラルンプールで2%~6%程度。アンパン地区の1ベッドルームタイプの平均利回りは4%強となっています。
ほかの新興国と比べると、割安で購入できます。
先述のアンパン地区の1ベッドルームタイプのコンドミニアムなら17万米ドル、2,000万円弱で購入が可能です。
マレーシアには海外マネーを呼び込む経済特区があり、日本企業も進出しています。
これにより外国人が増加し、そのことが賃貸需要を支えています。
そのために、今後の不動産価格上昇と高い利回が期待できます。
2.投資の際の着眼点
国内の不動産価格は、東京オリンピック開催などの理由で外国人投資家などが目をつけ、上昇を続けています。
既に価格が上昇してしまった物件に投資するのは、リスクを伴うので海外不動産に投資するのは賢い選択かもしれません。
しかし、海外不動産投資はハイリターンになるいっぽうで、ハイリスクの可能性も高くなります。
ポイントを把握したうえで投資することをおすすめします。
①成長率をチェックする
海外不動産投資は、成長による物件価格の上昇などを期待して投資するために成長率をチェックするようにしましょう。
具体的には国など公的機関やシンクタンクで発表されているGDPと人口を確認します。
今後の労働力として期待できる20代から30代の人口が多い国であれば、成長が見込めるので長期的に投資できると判断できるでしょう。
②為替の動向をチェックする
投資した国の通貨が高くなると物件の価格は上昇し、通貨が安くなると物件の価格は下落します。
通貨が高くなる国に投資するほうが利益を得やすくなります。
一般的には、今後成長が見込める国の通貨が買われます。
投資した国の為替の動向は、投資物件に大きな影響を与えるということです。
③物件価格や利回りを確かめる
投資を検討する国の物件価格や利回り相場も確認しましょう。
相場とかけ離れて安い物件や利回りの良い物件であれば、それなりの原因があり、保有した後で、トラブルになることが考えられます。
安いからという安易な考えで投資するのは危険なのです。
④ローンが利用できるか確かめる
海外の不動産を購入するときに金融機関のローンが利用できるかどうかを事前に確認することは、非常に大切です。
融資が受けられなければ、キャッシュで購入するしかなくなります。
キャッシュでの購入は一般的な投資家にとっては現実的ではないので、ローン利用の可否は予め知っておくべきです。
ノンリコースローンは、海外不動産投資の際によくとり入れられています。
日本では、ローンを組んで物件購入した際、もし返済ができなかったら物件を売却し、売ったお金で返済をします。
いっぽうノンリコースローンは物件を売却したら、それ以上の債務があっても返済義務はなくなります。
失敗しても被害は最小限に抑えることが可能で、金融機関のブラックリストに載らないため、もう一度海外不動産投資を行うことができます。
ただし、審査基準は厳しいです。
ノンリコースローンは金融機関にとってはリスクが高いので、誰にでも利用させるわけにはいかないのです。
貸し倒れを防ぐためにも、厳しい審査が行われます。利用の際は、自分が借入できるかどうかを予め確認しておく必要性があります。
⑤情報を確実に提供してくれる不動産会社がいるか
海外不動産への投資で苦労する点は情報を集めにくいということです。
不動産投資に限らず、投資を成功させるために新しい情報を得ることは非常に重要です。
「成長率」「為替」「物件価格」「利回り」などの情報は最新のものでなければ意味がありません。
海外不動産は、頻繁な現地確認が難しく、パートナーからの情報で判断することが少なくないからです。
情報源になる不動産屋がいなければ、新しい情報は入りにくくなり投資を成功させるのは難しくなります。
3.まとめ
海外不動産投資は、日本の不動産投資を行う場合と着眼点が若干異なります。
特性を把握して投資すれば、利回りは国内不動産に投資するよりも期待できます。
投資の成功に導くのは情報収集力です。
各国の利回りや物件価格、国の動向を素早くキャッチし、堅実な投資を行いましょう。