宅建は、最も人気のある国家資格だと言われており、毎年多くの人が試験を受けています。人気の理由はやはり、土地や住宅といった不動産に関する問題が、生活に直結しているためでしょう。
宅建は不動産会社に勤務する人には必須の資格とも言われています。また、不動産会社に勤務していない人も宅建を取得して損はありません。今後も、宅建人気は衰えることなく、続くことでしょう。
そこで今回は、宅建の受験方法や、宅建が不動産業界だけでなくプライベートでも役立つ理由についてまとめました。
1.宅建ってなに?概要・受験方法・試験形式を解説します。
宅建とは、「宅地建物取引士」の略称であり、国家試験に合格し、知事の登録を受けて、宅地建物取引士証を取得することができます。年齢や学歴に関係なく、誰でも受験することができ、なんと、平成17年には90歳、平成18年には12歳の方が試験に受かっています。まずは、宅建の受験方法や、学習方法を確認しましょう。
受験方法
年に1回、10月の第3日曜日に試験が行われます。申込み期間は7月中で、郵送またはインターネットで申し込みできます。なお、受験料は7,000円です。
試験会場の指定は先着順で、現住所に入力した都道府県の中から第5希望まで選ぶことができます。希望の会場で試験を受けるには、申し込みが開始されたら、すぐにインターネットで申し込むことをおすすめします。
インターネット申込みの締め切りは郵送よりも早いので注意してください。また、郵送申込み用紙は都道府県ごとに分けられていますので、必ず、現住所の都道府県の申込み用紙を入手しましょう。7月になると、大型書店などで申込み用紙が配布されています。
試験形式
試験時間は120分で、問題は四肢択一のマークシート方式となっており、全50問です。民法や都市計画法、農地法などに基づいた、土地や住宅、道路に関する問題が出題されます。
民法は法律に詳しくない人にとって、親しみを感じにくいので、まずは理解しやすい宅建業法などから勉強をはじめることをおすすめします。また、暗記しているだけで解ける問題と、出題された判決文などを理解して考えるタイプの問題があります。120分で50問を解くため、1つの問題に当てられる時間は、単純計算して2分24秒と余裕はありませんが、焦らないことが大切です。
宅建に合格するための勉強時間は、300時間だと言われています。また、合格率は15〜17%と、試験の難易度とは関係なく、毎年一定の割合で合格者数が決められています。計画的に試験勉強し、作戦を立てて試験に臨むことで、宅建の合格を手にしましょう。
また、試験当日には必ずと言っていいほど、プレッシャーがかかるものです。模擬試験を受けて雰囲気に慣れておくことも、試験対策として効果的です。
2.不動産業界で宅建が役立つ3つの理由
宅建の資格を持っていなくても、不動産会社に勤めることはできます。しかし、宅建の資格者のみが、携わることのできる業務があり、不動産業界では宅建はほぼ必須と言っても過言ではありません。ここでは、不動産業界で宅建が役立つ理由を見ていきましょう。
① 企業が宅建所有者を優遇する
不動産の売買や仲介を行うには、一定の割合で宅建所有者を配置して、宅地建物取引業免許を取得する必要があります。宅地建物取引業法により、1つの事業所に5人に1人の割合で、宅建所有者を配置することが義務付けられています。そのため宅建所有者は不動産会社にとって、貴重な人材なのです。
② 宅建士のみが行える業務
不動産業では、宅建所有者のみが携わることのできる業務があります。宅地建物取引業法により、宅建所有者が取引証を提示した上で、重要事項を説明することが義務付けられています。また、重要事項説明書への署名・捺印、契約書への署名・捺印についても、宅建所有者のみが行うことのできる業務です。
③ 資格手当がもらえる
事務所に宅建所有者を一定の割合で配置する規則や、宅建所有者のみが行える業務があることから、不動産会社にとって宅建所有者は大切な存在です。そのため、不動産業界では宅建を所有していれば、給料に資格手当が加算されます。資格手当の金額は不動産会社ごとに異なりますが、1〜5万円支給されます。
3.不動産業界だけじゃなく、宅建はプライベートでも役に立つ理由
宅建が役立つのは、不動産会社に勤務する人だけではありません。不動産に関係したことは一般生活に結びついているため、不動産業界か否かを問わず、宅建は多くの人に役立つ資格です。ここでは、宅建がプライベートのどのような場面で役立つのかをご紹介します。
アパートの賃貸契約に役立つ
大学で進学した時や、就職で親元を離れる時など、まずはアパートを借りる人が多いと思います。宅建で身につけた不動産知識は、アパートの賃貸契約にも役立つのです。
不動産知識がなくて、業者のすすめられるままに契約した経験がある人は少なくないと思います。優良な物件を紹介してもらうためには、不動産業者に対して、こちらも知識を備えている事を理解してもらうことは有効です。
また、賃貸契約を終了して部屋を明け渡す時にも、宅建で得られた知識が役立ちます。特に、トラブルが起きやすいのは敷金の返却です。不動産知識を身につけておけば、敷金を返却しようとしない貸主に対して、こちらも対応することができるのです。
マイホーム購入時に役立つ
マイホームはほとんどの人にとって、一生に一度の一大イベントであり、人生で最も高額な買い物と言っていいのではないでしょうか。それにもかかわらず、ほとんどの人が業者に任せっきりで、言われた通りに事を進めているのです。
特に税金に関することは素人にはほとんど理解できないでしょう。しかし、宅建取得の際に身につけた知識があれば、納税計画やローンの返済計画といった資金計画を立てることができます。
そして、何か問題が生じた時には、自分で正しいと思える選択を行うこともできます。納得のいく形で、マイホームを建てることができれば、その分喜びも大きいのではないでしょうか。
起業に役立つ
起業する時、どのような土地に事務所を構えれば良いのか?また、開業する場所に法的な問題はないのか?などクリアしなければならない問題はたくさん出てきます。
そのような時に、宅建取得の際に身につけた知識があれば、業者に任せっきりにすることなく、自分自身で本当に納得のいく判断を下すことができます。
土地のことから考えて起業すれば、ビジネスを成功させるチャンスもきっと広がるでしょう。
宅建の取得は生涯役立つと言っていいでしょう。土地や住宅など不動産に関する問題は生活と結びついており、宅建は不動産業界で働いていない人にとっても、とても役立つ資格です。まだ宅建を取得していない人は、試験を受けて、アパートの賃貸やマイホームの購入など、プライベートに生かしてみてはいかがでしょうか。
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