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まだ効果あり?相続税対策でのタワマン節税活用法【黄色信号あり】

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「タワーマンションの相続税節税対策に黄色信号が?!」とのマスコミ報道が相まって、「これってどうなの?」「節税の効果はまだあるの?」と相談や質問が増えています。相続税対策封じだと言われるタワマンにまつまる税制の改正についてお伝えします。

タワーマンション節税への規制は、国税庁が発表した2011-13年に売却された20階以上のマンションの相続税評価額が、売却額平均で3.04倍。最大で6.93倍という数値から端を発しています。

相続税の評価額が実際の時価の3分の1、最大で7分の1にもなることから資産家にしか使えない制度は不公平だとの声が広がることを是正しようとしたものになります。

1、そもそもタワマン節税とは?


タワマン節税とは、60メートルを超えるおよそ20階以上の高層マンションでは相続税評価をする際、高層階の部屋になるほど節税効果が大きくなることを利用した節税方法のことを言います。

相続税は不動産の評価額に応じて課税されます。マンションの場合、「土地部分」と「建物部分」を分けてそれぞれ評価しそれが合計されます。

この評価額がタワマンの高層階になればなるほど低くなり、実際の時価との差が大きくなるので、それを活用することで相続税の節税対策になります。

2、マンションの相続税はどのように計算されるかを知る


「土地部分」はマンション敷地全体を路線価で評価して持ち分に応じて按分します。路線価は公示価格の80%、公示価格を時価とすれば土地は80%相当額となります。

「建物部分」の評価では、固定資産税評価額を使います。固定資産税評価額は建築価格に比べればかなり低い価格(50〜80%)になります。

また、これが賃貸である場合は、土地は「貸家建付地」、建物は「貸家」となり、借地権割合と借家権割合に応じて評価がさらに下がります。マンションの相続税評価額はこうした「土地部分」の評価額と「建物部分」の評価額を合算して算出します。

3、タワマンがなぜ、節税対策になるか?


先の計算式で分かる通り、マンションの相続税評価額と、建築費、土地の実際の時価とには差が生まれやすくなります。さらにタワマンとなると高層階の価額と低層階の価額は大きく違い、実際の購入金額と相続税評価額は極端にかい離することになります。

例えば、現金1億4000万円が相続され課税される場合、タワーマンションの高層階を1億4000万円で購入したとします。評価額が国税庁の発表通り、時価の7分の1となれば2000万円となり、相続財産の1億2000万円が圧縮させることになる計算ですので、節税効果が非常に高いことがわかります。

通常、同じタワーマンション内で価額を比べると上階の方が高価額になります。例えば40階で1億4000万円の価格がついても、15階では7000万円という具合に階層、方角、眺望などによってタワーマンションでは価額に大きな差がでます。

しかし、この二つの部屋の専有面積が同じ場合、固定資産税評価額は同じです。タワーマンションの場合、評価額と実勢価格の差が大きくなる高階層の部屋の方が節税効果が大きくなるのはこのためです。

4、何が改正され規制されるのか?


結論から言いますと、2017年度の税制改正で、2018年以降に引き渡しを受けるタワーマンションでは、全体の固定資産税額を各戸に按分する方法に変わります。基準階を中心に階層によって按分額に増減を加えて調整をします。

マンション全体の税額は変わらず、一階上がる毎に税額が約0.256%上がることになり、40階建てのマンションの場合、最上階の部屋と1階の部屋と比べると約10%の差が生まれます。マンション全体の税額は変わらず、高層階は増税となり、低階層は減税となります。

5、今後、どれぐらいの影響があるのか?


今回の改正は相続税そのものについてではなく、固定資産税の改正であり非常に軽微なものとなります。相続税の節税封じのはずが固定資産税のみの軽微な改正となり、根本的な改正に至ってなく節税対策にはほとんど影響はありません。今のところタワーマンション節税効果は顕在だと言えます。

ただ、今後の動きには注意が必要だと言われています。与党税制調査会や総務省、国税庁が本格的にタワーマンションの評価方法の検討に入っているとされ、早ければ2018年から明確な評価方法がだされるのではとも言われています。

こうした動きからも、節税対策としてだけでタワーマンションを購入することには注意が必要です。流動性や利回りに大きな課題のあるタワーマンションですので、収益性を勘案した資産運用としての視点が大事だということです。

由木 正伸

1971年生まれ、大阪市出身。1998年から不動産業に携わり、2006年に(株)エスタス管財を創業。不動産管理業を不動産業ではなく、サービス業と捉えオーナーサポートを展開。アジアの留学生への住まいの提供。元気な高齢者に賃貸市場を開放しようと企画するなど、あらゆる「住まい」の窓口としての役割を担うことを目指している。

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