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不動産管理会社設立での節税テク【税務調査で否認されない手数料の相場】

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多くなった不動産所得税は不動産管理会社を設立することで節税が可能です。これは相続税の節税にもつながるので、相続時の家族の負担を小さくすることができます。

この記事では不動産管理会社設立で節税できる理由と注意点についてお伝えしています。不動産所得の節税を考えていればぜひご覧ください。

1.不動産管理会社の設立で節税できる理由


不動産を持っていて家賃収入で十分な収入を得ている場合、節税対策として不動産管理会社の設立をすすめられます。

不動産管理会社の設立は所得税と相続税、2つ税を節税できる手段として今でも利用されています。のちほどあらため、不動産管理会社を設立するメリット・デメリットをお伝えしますが、ここでは節税できる理由についてお伝えします。

1-1.給与所得控除

賃貸事業がうまくいくと毎月定期的に家賃が振り込まれるようになって、オーナーの収入になります。するとそのまま不動産所得(あるいは、事業所得)として課税対象になります。

ここで不動産管理会社を設立し、そこから給与をもらうようにすれば給与所得としての課税対象となり、「給与所得控除」の分だけ所得税は安くなります。

不動産所得の場合は、単純に【不動産所得‐諸経費】から算出される利益が課税対象になるのですが、給与所得として受け取ることで給与所得控除を受けられます。そのため、控除額の分だけ課税対象は減るので、所得税も安くなるというわけです。

控除額は給与によって差がつけられていて、平成29年分は下表のように定められています。

給与などの収入金額(給与所得の源泉徴収票の支払金額) 給与所得控除額
180万円以下 収入金額×40%、65万円に満たない場合には65万円。
180万円超360万円以下 収入金額×30%+18万円
360万円超660万円以下 収入金額×20%+54万円
660万円超1,000万円以下 収入金額×10%+120万円
1,000万円超 220万円(上限)

1-2.家族への給与支払いによる所得分散

さらに不動産管理会社を設立すると、家族を従業員とすることにより給与を支払えるようになります。不動産所得であればオーナー1人のみが賃料の受取対象となり、当然、オーナー1人に課税されます。

一方で、家族に給料として支払うことで人数分の給与所得控除も受けられて、累進課税となっている所得税の節税にもつながります。

平成29年現在の所得税率は下表の通りです。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 97,500円
330万円超695万円以下 20% 427,500円
695万円超900万円以下 23% 636,000円
900万円超1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

この評価から分かる通り、たとえば不動産所得が1,000万円だったときにオーナー1人が受け取っていた場合の所得税の税率は33%です。仮に家族4人、均等に分けたとすると給与は1人250万円となり、所得税の税率は10%になります。

非常に単純ではありますが、所得税を3分の1にまで減らすことができます。

1-3.相続税の節税

不動産管理会社がない場合、家賃収入はすべてオーナー1人のものです。そうするとオーナーの財産は増え続けることになり、相続財産もその分増えてしまいます。相続財産は増えた分だけ、その財産を相続した家族は相続税を支払わなければなりません。

ですが不動産管理会社を設立して家族を役員・社員として給与を支払うようにすることで、オーナーに集中していた財産を分散させられるようになります。

結果としてオーナーが亡くなったときに相続する財産は不動産管理会社を設立しなかったよりも少なくなっているので、相続税の負担を小さくできます。

2.不動産管理会社を設立するメリット


ここまでお伝えしてきたように不動産管理会社を設立するメリットは節税です。

所得の分散によって実質的な所得税を節税したり、相続財産を抑えたりするだけではありません。個人から法人にすることで、経費計上できるものが増えます。

たとえば、小規模企業共済の掛け金や中小企業倒産防止共済の掛け金、役員の生命保険などの会社で加入した保険の保険料です。

小規模企業共済は退職後に退職金として受け取れるもので、中小企業倒産防止共済は40ヶ月以上加入することで全額戻ってきます。これらの費用を経費として計上できるので、個人で不動産投資を行うよりも節税の選択肢が広くなります。

また青色申告の繰越控除制度も個人事業主は3年間なのに対して、法人では9年です。さらに減価償却費も、法人になれば償却限度額の範囲内であれば自由に調整できるので、税制上有利になります。

3.不動産管理会社を設立するデメリット


不動産管理会社を設立するためには最初に設立費用がかかります。収入印紙や公証人の手数料、登録免許税など諸々の諸経費で20万円ほどです。これはデメリットのようにも感じますが、法人設立のために使った費用は「設立前」であっても経費となるので節税にもつながります。

領収書はしっかりと残しておきましょう。

また法人になると赤字でも税金を納めなければいけません。個人の場合は赤字の場合は不動産事業に対する納税義務はなかったのですが、法人となることで法人市県民税の約7万円が毎年かかるようになります。

また節税のために設立したわけですから、今まではオーナーが自分で確定申告の手続までしていたとしても専門家である税理士を雇った方がいいです。その顧問料が発生することもデメリットといえますが、税理士を雇うことによって節税できる金額と、税務処理のための手間を考えれば十分でしょう。

そして法人を設立すると個人よりも税務調査が入りやすくなる傾向があります。税務署が公に言っているわけではないですが、いつ税務調査が入ってもいいようにしっかりと支払いなどの記録はとっておくようにしましょう。

4.不動産管理会社を設立したときの節税例


今回紹介するのは、不動産管理会社を設立することで3,298万円の節税に成功した例です。仮に斉藤さんとします。

土地の賃貸料で年間3,000万円の収入がある斉藤さんのおばが介護施設に入って、自宅は空き家となっていました。空き家固定資産税がかかっているだけの状態です。そこでまずは自宅を壊して賃貸住宅に建て替えました。

おばは預貯金が多かったおかげで、建て替え資金を現金で支払うことでき、これによって相続税評価額が下がって相続税の節税につながりました。

さらにここで不動産管理会社を設立します。運営は斉藤さんが行い、斉藤さんの家族も不動産管理会社の役員とすることで役員報酬を受け取れるようにしました。

一括借上げによってオーナーに支払う家賃は、家賃収入の85%が相場です。その結果、おばの所得も15%抑えられることになり、所得税の節税につながりました。

こうしてオーナーであった斉藤さんのおばに1点集中していた所得を分散し、またおばの現金の増加を抑えることで相続財産も減らせたので、所得税と相続税の両方の節税を実現できました。

5.注意!管理委託手数料が税務署から認められない場合もある


不動産管理会社を設立したとき、管理料徴収方式を選んだときには注意が必要です。

管理料徴収方式では、不動産の所有者はオーナーということになります。不動産管理会社はオーナーが所有している物件の管理を委託されているという立場です。そのため、管理会社の売上はオーナーから支払われる管理委託手数料となります。

ですがこの管理委託手数料が税務調査では問題となることがあります。税務署としてはできるだけ多くの税金を払ってもらいたい立場です。そのため不当と思われる支出は認められません。特に同族会社に支払う不動産管理委託料には厳しいです。

節税目的で不動産管理会社を設立し、オーナーから多額の管理委託手数料をもらう形にするとオーナーの収入は減るので所得税の節税になります。ですが、同族会社の不動産管理会社には管理業務をおこなうノウハウはないはずなので、結局はそこから管理業務の大部分を他の不動産管理会社に委託することになります。

そうなると、税務調査で突っ込まれます。他の不動産管理会社に委託するために同族会社の不動産管理会社が管理委託手数料を受け取る必要性はないと判断されて経費計上されないこともあります。

節税目的で民間の不動産管理会社よりも高い管理料を設定して支払っているとほぼ間違いなくその金額の妥当性を問われるので、同族会社への管理委託手数料は相場並みの8%に設定しておくことが無難です。
尚、記事を読んでも分からない部分は専門家に相談することがオススメです。弊社では無料相談を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
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6.不動産管理会社設立するタイミングはいつ?


不動産オーナーが不動産管理会社を設立する主な目的は節税です。つまり、節税する意味があるだけの家賃収入をすでに得ていることが大前提になります。

今まで個人にそのまま不動産所得として受け取られていたものを、管理料を支払ったり、一括借上での賃貸借契約を結んだりすることで不動産所得を減らして所得税を減らします。そして、家族を役員にいれることで所得の分散や財産の増加を防いで実質的な所得税の節税や相続財産を抑えることによる相続税の節税を実現します。

そのため家賃収入が少なすぎると、法人の設立費用や毎年の税金、法人化することで必須となる社会保険料の支払いで赤字になっては本末転倒です。

タイミングとしては賃貸事業がうまくいきはじめたタイミング、家賃収入が1,000万円以上を超えて、諸経費を引いたあとの課税所得が500万円を超えたころに設立するのがいいです。それより少ないときでは法人設立と維持にかかる手間が節税のメリットよりも大きくなってしまうでしょう。

7.まとめ


不動産管理会社の設立は、節税に大きな効果があります。家族を役員にすることで所得の分散ができて、所得税の節税ができます。そして家族に安定した収入を提供できるようになるので、金銭的な不安から解放させることができ、落ち着いた生活を送れる手助けにもなります。

また家賃収入がオーナー1人に集中していると、万が一オーナーが亡くなったときの相続税が残された家族に大きな負担となってのしかかってきます。

ただし収益があまりよくないときに不動産管理会社を設立して費用倒れになってはいけません。そうならないためにも税理士などの専門家と設立する費用対効果をしっかりと考えて、タイミングを外さないようにすることが大切です。

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賃貸”住まい”の新しいカタチを提供するEdge編集部が記事を書きました。

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