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不動産管理

【オーナー向け】賃貸管理に関して知っておくべき全ての情報【解説】

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マンションの運営で賃貸管理業務は物件の価値を維持するために重要なものです。その管理業務を委託したときに任せられるサービスと相場、家賃・管理費・共益費を決めるポイントについても紹介します。

また賃貸管理費の消費税の考え方についてもお伝えしています。賃貸管理を委託しようと考えていればぜひお読みください。

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1.賃貸管理業務とはなにか


賃貸管理業務は大きく「入居者の管理」と「建物の管理」の2つです。

1-1.入居者の管理

不動産管理会社に管理を任せると入居者の募集から退去時の対応、次の入居者募集の手続きまで不動産運営に必要な一連の業務を行ってくれるようになります。

たとえば、毎月の家賃の回収や、滞納者への督促、入居者からのクレーム対応です。家賃の回収については最近、家賃回収を専門にしている会社や督促を専門にしている会社が増えていることもあって、管理業務に含まれなくなっていることが多いです。

入居者からのクレームは様々あり、騒音問題や設備の故障、水漏れなどの相談が持ちかけられるので適切に対処することが求められます。

他居時には立ち会いだけでなく原状回復費用の請求・徴収・オーナーへの入金までも対応します。

1-2.建物の管理

オーナーにとっても入居者にとっても建物がきれいで安全であり続けるということは重要なポイントです。外壁が傷んでいたり、屋上防水シートが劣化していたりするとトラブルにもなり快適な生活が送れません。

そこで事前に将来トラブルになりそうな箇所をしらべて、修繕工事が必要かどうかを確認します。また修繕工事が必要になったときや原状回復工事ではオーナーの代わりに業者へ工事の発注をします。

定期的な業務としては、共用部の掃除やごみ処理、草刈りなどがあります。このような定期的な業務は管理会社というよりも、管理会社が依頼した派遣会社の人が対応しているところも多いです。

2.入居者募集前に知っておきたい家賃・管理費・共益費の違い


分譲でも賃貸でも、マンションに住んだことがあれば家賃以外にも管理費や共益費がかかります。家賃はなんとなくイメージできるかもしれないですが、管理費と共益費の違いをすぐに思い浮かべられるでしょうか。

オーナーとなって費用を設定するときにもこれら3つの違いを把握していることは大切です。

2-1.家賃

家賃はその部屋を使用するための資料良という位置づけです。

家賃はオーナーが任意の金額に設定することができます。ですが実際には、物件の構造や立地条件、地価、周辺物件の条件と家賃などを総合的に判断して家賃は設定されています。

ここで意識されることが相場です。相場よりも高い金額で家賃を設定すると入居者は集まりにくく、相場よりも安ければ入居者はすぐに集まります。家賃は賃貸物件を探す時にまず候補の物件を絞るときの目安になるからです。

同じような物件・立地であれば安い方が入居者にとって魅力的です。

家賃を決めるときには物件への投資額から投資回収期間を出して算出するよりも、相場をみて家賃を決めるようにするほうが確実です。また家賃が低くなりすぎてしまう場合には、セキュリティ設備の充実など他の周辺物件にはない魅力を追加して、高く家賃を払ってもらえるような工夫をする必要も出てくるでしょう。

2-2.管理費

不動産の表示に関する公正競争規約施行規則によると、管理費は「マンションの事務を処理し設備その他共用部分の維持及び管理をするために必要とされる費用をいい、共用部分の公租公課等を含み、修繕積立金を含まない。」とされています。

噛み砕くと、マンションの管理人さんを雇う費用やエレベーターや廊下の固定資産税です。エレベーターや廊下はマンションの住人の全員が利用するので、そこにかかる税金は全員で負担しましょうという考え方です。

2-3.共益費

管理人同様に共益費も不動産の表示に関する公正競争規約施行規則に定義が書かれていて「借家人が共同して使用又は利用する設備又は施設の運営及び維持に関する費用をいう。」とされています。

管理費に含まれる内容ではありますが、特に共用部分の運営・維持についてあたる金額が共益費です。廊下やエレベーターの電気代や、電球を取り替えるためにかかった費用、エレベーターの定期点検などです。

管理費は物件の維持管理費、共益費は共有部分の使用料と維持管理費と区別されることが多いですが、明確になっていないのも事実です。共用廊下の清掃も物件の維持には大切なことですから、そこにかかる賃金や清掃道具の費用は管理費に含まれるともいえます。

ですので、管理費と共益費の区別については厳密に考えなくても大丈夫です。ただし目安として、家賃の5~10%程度が相場です。

それより安い価格で管理費を設定すると十分な管理業務を委託できず、エントランスの掃除が2週間に1回になってしまうような、物件をきれいに維持できないことにもなり、入居者の不満にもつながります。

管理費や共益費は安いほうが入居者にとっての魅力は増しますが、それによって物件の価値を損ねてしまっては長期的にみるとデメリットの方が大きいです。家賃同様、しっかりと考えたうえで金額を決めるようにしましょう。

3.管理費に高い・安いがある理由


マンションによって管理費に高い安いがあるように、同じマンションでも住む部屋によって管理費の値段が変わるところもあります。

3-1.マンションによって管理費が違う理由

管理費はマンションの運営・維持にかかる費用ですから、マンションに設置されている設備や管理業務の内容、管理組合の収入、マンションの部屋数によって差が出てきます。

たとえば、同じ5階建てのマンションでも、エレベーターがあるかないかで管理にかかる費用は変わってきますし、エレベーターがあっても点検の頻度やかかる電気代によって必要な管理費は変わります。

その他、マンションに花壇があれば手入れも必要になるので、不動産管理会社に委託しているとその分費用は増えます。

また駐車場を入居者に無料提供しているところは、有料で提供しているところに比べて管理費は高くなる傾向があります。駐車場が有料であれば、その分は管理組合の収入となり、管理費に回すことができるからです。

入居者から払ってもらう管理費は安く抑えることができます。

そして同じ設備でもマンションの部屋数によっても管理費が変わります。30部屋あるマンションと20部屋あるマンションで比べた時に、エレベーターがどちらも1台であれば1部屋あたりの負担は30部屋あるマンションの方が小さくなります。

他に管理員の派遣料や機械設備の点検料など、部屋数が増えても管理費用への影響が少ないものについては、部屋が多くある方が1部屋あたりの負担は小さく、管理費も安くなります。

3-2.同じマンションでも部屋によって管理費が異なる理由

管理費は共有部分の持分割合で割り当てられることが多いです。この持分割合は、部屋の広さによって決まります。

同じマンションの入居者でも10畳の部屋よりも、20畳の部屋に住んでいる方が共有部分の持分割合は多いことになります。共有部分に90の費用がかかるとき、10畳と20畳で持分の場合は1:2になります。

そのため10畳の部屋であれば30、20畳の部屋であれば60の費用を負担することが管理費の公平な負担割合です。

これがマンションの部屋によって管理費に差が生まれる理由です。

4.管理会社に支払う手数料の相場


所有している不動産の賃貸管理を管理会社に委託する場合、家賃の5%~10%が相場です。ただし、管理費が家賃の10%にまでなるときは、マンションの賃料が相場に比べて安いときです。

賃料・部屋数が相場並であれば、高くても7%程度におさまります。15万円の家賃であれば、10,500円です。

管理会社に委託することで、入居者からの家賃の集金や入居者からのクレーム対応、物件のメンテナンス、工事の交渉などを任せられるようになります。

もちろん管理委託料が高いと思えば、自主管理という選択肢もあります。ですが、専門的な知識や経験が管理業務には求められ、入居者対応は時間を奪われ、精神的にもどっと疲れるものです。

手入れが不十分で物件価値を損ねたり、修繕のタイミングや依頼の仕方が悪かったりすると余計な費用もかかってしまいます。

管理委託料の値引き交渉も考えられるかもしれませんが、その結果、管理業務の質が落ちて物件の価値も落ちてしまうと長い目で見たときの収益性が低下し、委託料を支払う費用よりも大きな損失になる可能性も高いです。

手数料が相場から大きく超えている場合は、管理業務の内訳をしっかりと確認する必要があります、無理に値引きして質を落とすことは得策ではありません。

5.賃貸物件の管理委託料に消費税はかかるのか?


賃貸物件の管理委託料には消費税はかかります。

国税庁のホームページに記載されている「集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定」によれば管理費は非課税とされていますが、これは入居者がオーナーに支払うものに対してです。

オーナーが不動産管理会社に支払う管理委託料は、国税庁のいう「管理費」ではないので、消費税の課税対象です。

6.家賃交渉されたときにおすすめの対応


入居希望者や入居者から家賃交渉されるのは、物件のオーナーにとっては嬉しいものではありません。家賃交渉に応じて賃料を下げてしまうと収益の減少につながり、投資計画にずれが出てしまうでしょう。

今はインターネットを使えば簡単に家賃交渉の方法を調べられる時代です。だからこそオーナーも値引き交渉があったときの対応はあらかじめ考えておくことが大切です。

家賃交渉に応じるかどうかは、現在の空室や入居希望の状況がポイントです。

たとえば閑散期に入居希望者から家賃値下げの交渉があった場合を考えてみます。75,000円の家賃に対して5,000円の交渉をされたとします。

このとき、仮に2年契約で値引き交渉に応じたとすると12万円の減益です。1.6ヶ月分の家賃にあたります。これから2ヶ月を考えたときに入居が決まりにくいのであれば、5,000円値下げしてでも入居してもらった方が、オーナーの収益は値引きに応じないよりもプラスになります。

一方で、これから1ヶ月後には入居希望者が集まる見込みがあり、直近の支払いについても心配がない場合は応じる必要はありません。オーナーが希望する家賃で入居してくれる人を待つほうがいいです。

また現在の入居者から更新のタイミングで家賃交渉されるときもあります。

「長く住んでいて、老朽化しているから家賃を下げてほしい」、「他の部屋で今よりも安い賃料で募集しているのを見かけたから、その金額まで下げてほしい」というような理由です。

家賃の決定権はオーナーにありますから、同じ部屋だからといって賃料も同じにしないといけないわけではありません。そのため、家賃の値引きに応じる必要はないですが、値引きしてくれなければ更新しないと言われたときは、その入居者の質と今後の空室状況を総合的に判断することが大切です。

もし空室が長引いてしまいそうであれば値引きに応じたほうが、メリットが大きい可能性もあります。また滞納もなく、トラブルも起こさない入居者であれば長く住んでもらったほうが安定した収益になります。

この入居者が出ていって、新しい入居者が滞納しないかどうか、騒音などのトラブルを起こさない人かどうかは入ってみないとわかりません。そのリスクを考えれば、物件全体の投資収益性から値引き交渉に応じた方が手間もかからないでしょう。

そして単純に値引き交渉に応じる、応じないという対応の他に、設備をより良くするという提案をするという対応もあります。

家賃の値引きには応じない代わりに、トイレをウォシュレット付きに変えたり、モニター付きのインターフォンに変えたりすることで、物件の価値を高めて今の家賃で納得してもらいます。

改修には費用がかかりますが、その分は経費となるので現在収益があれば節税にもつながり、物件の競争力が高まって今後の収益性向上にもつながります。

設備の改修という対応も、1つの選択肢に入れておけば家賃交渉にも柔軟に対応できます。

7.まとめ


賃貸管理業務の内容や価格の違いなど賃貸管理についてお伝えしてきました。不動産管理会社によってはこの記事で紹介した賃貸管理業務以外にもサービスを提供していたり、業務の対応範囲がせまかったりするところがあります。

不動産管理会社に管理業務を委託するときは、どの業務をやってもらえるのか事前に確認することが大切です。

マンションの管理は手を抜くと物件価値を大きく損ねてしまい、10年、20年単位で見たときの収益が下がることにもつながります。管理費を節約して質が悪いサービスを提供されるよりも、十分な管理業務をしてくれることを確認して、適切な費用を払うようにしましょう。

それがマンションの収益性向上につながります。

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賃貸”住まい”の新しいカタチを提供するEdge編集部が記事を書きました。

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