コロナの影響を受けたエリアが多いですが、ヨーロッパの各所での不動産市場はどのような影響を受けているでしょうか?外出自粛による売買件数の減少もありますが、今後の動向として悲観的な見方はされていない地域が多いです。
この記事では、ヨーロッパの不動産市場の変化を見ていきましょう。
【2020年】ヨーロッパの不動産市場
2020年のヨーロッパの不動産市場では、感染症の大きな影響を受けているエリアは少ないです。もちろん市場が完全に回復しているエリアだけではありませんが、大きな市場の冷え込みはありません。
しかし国によってどのような影響が出ているのか異なりますので、それぞれの国別の特徴をご紹介します。
イギリス
イギリスでは香港での情勢不安から海外への不動産に資産を持ち出している関係から、低金利の物件でも買い手が見つかっています。またロックダウンの影響から住宅需要が増しており、それに伴って住宅価格も上昇しています。
イギリスの不動産価格は安定して値上がりを見せているのが特徴です。住宅が古くなっても物件価格が下落することなく安定した経営を見込めます。またイギリスには外国人の不動産購入に制限がありません。土地購入も問題なく行えるので、戸建てのような物件でも購入できます。
一方でリスクが高い物件が売りに出されていることもあります。寮やホテルなどの物件などは利益を出すのが難しいこともあるので、投資先を選択する場合に注意しましょう。
イギリスの2020年の不動産市場については、こちらの記事もご覧ください。
ドイツ
ヨーロッパでも経済をリードしているどいつでは、住宅価格が2010年ごろから上昇しています。さらに2016年からの上昇率が高くなっており、賃料上昇が問題化するほどでした。人口は減少しているのですが、物件価格は上昇しています。感染症の影響は経済にも及びますが、不動産市場に大きな影響を与えることはないとされています。
ベルリンでは家賃価格の上昇を禁止しているので、賃料の上昇は見込めませんが手堅い不動産経営が見込めるのが特徴です。
しかしドイツは大都市がないことや利回りの低さから、海外不動産投資先としての魅力に劣ります。複数の条件をよく比較して、問題がない物件なのかを判断してから契約するようにしましょう。
ドイツの2020年の不動産市場については、こちらの記事もご覧ください。
フランス
フランスでは2015年から住宅価格が上昇傾向にあります。中古物件の価格も上昇しており、全体の住宅価格は高くなっています。
しかし2020年には中古物件の売買総数が下落しているのが特徴です。外出規制が行われなくなると、売買件数が回復する可能性はありますが、2020年12月時点では下落傾向のままです。
不動産市場に影響を与える別の点は、ローンの金利の変化です。ローンの条件が厳しくなっていることから、不動産市場に影響が出る可能性があります。
築年数が経過しても資産価値が下落しないことは、安定した経営が見込めるポイントですが、外国人の投資が少ない点は懸念点となるでしょう。
フランスの2020年の不動産市場については、こちらの記事もご覧ください。
オランダ
経済への影響は少なからずありますが、2020年でも不動産価格が上昇したのはオランダの市場の注目ポイントです。全国平均不動産価格も過去最高額を記録するほどです。コロナによる不動産市場の影響は大きく出ていません。
また2019年には住宅不動産の取引額が過去最高になりました。海外投資家によって購入されたものも多くありました。オランダの住宅市場の特徴として、慢性的な住宅不足もあります。移民が多いオランダでは、住宅の供給が追い付いていません。
アムステルダムでの投資目的で住宅購入が禁止されています。慢性的な住宅不足が見られていましたが、賃料の過剰な上昇を防止するために制限が行われているのです。
オランダの2020年の不動産市場については、こちらの記事もご覧ください。
スペイン
スペインでは2020年に不動産価格が割引されています。不動産価格が下落していますが、大きく下落しているわけではありません。感染症の影響が低くなれば市場も回復すると判断されており、今後価格の上昇が見込まれています。
消費が再開されたときには、不動産価格が回復すると予想されており、投資家にとっては好条件の物件を購入できる機会となりえます。もちろん移動が制限されたことによって外国人の住宅購入は急落しており、2019年と比較して取引件数が減少しているのも特徴です。
しかし税金や諸費用に注意しているなら、不動産価格が上昇する見込みがあるので、今後の不動産市場の動向にも注目です。
スペインの2020年の不動産市場については、こちらの記事もご覧ください。
https://e-dge.life/post-11651/
まとめ
2020年のヨーロッパの不動産市場も感染症の影響が少なからずありました。しかし全体としては、大きな冷え込みは見受けられません。国によってはエリア選定が非常に重要ですし、条件や商習慣などの違いがあるので、よく確認することをおすすめします。