賃貸で起こるトラブルで多いものが、近隣住民とのトラブルや騒音、そして害虫などが挙げられます。
その中でも害虫が発生した場合、入居者の問題になるのか管理会社が対応すべきなのか難しい問題でもあります。
ダニなどの虫が大量に発生した場合の駆除はどのように対応すべきなのでしょうか?
費用は、管理会社と入居者どちらが負担するのかなど詳しく解説していきます。
1.虫の駆除はどのように対応すべきか
築年数が古い物件の場合、ゴキブリやダニといった虫が大量に発生してしまうことがあります。
また、新しい物件であっても、湿気の多い季節には虫が発生する可能性はあり、日常生活の中で完全に虫を排除することはできません。
もし虫が発生したというクレームが入居者側からきた場合、管理会社や大家さんはどのように対応すべきか見ていきましょう。
①:虫の種類を特定する
まずは虫の駆除を行うために、どういった虫が発生しているのか特定する必要があります。
虫の種類によっては対応も異なりますし、発生してしまった原因も違います。
もし入居者側が虫の種類を特定することができない場合には、オーナーや管理会社が虫の種類を特定します。
②:状況確認
場合によっては1室からだけではなく、アパート全体からの苦情がある場合もあります。
築年数が古い建物であれば、白アリなどアパート全体に広がっている可能性もあるので、害虫がどの程度被害を与えているのか調べる必要があります。
他の部屋からのクレームがない場合には、その賃貸の入居者の生活環境を確認します。
虫が発生しやすい環境ではないかという確認です。
・室内の換気の不十分
・ゴミの放置
こういった高温多湿になりやすい環境や、虫の好む餌がある状況を入居者が作りだしている場合には、生活環境の改善協力をお願いしなくてはいけません。
どのように部屋を利用しているのか確認しましょう。
③:殺虫剤による対応
発生している虫の種類と、生活環境を確認したら殺虫剤によって虫の駆除をお願いします。
状況によっては管理会社側が殺虫剤で駆除を行いますが、生活環境が要因になる場合は居住者に非があるので、駆除は居住者の義務となります。
虫の種類によって効果のある殺虫剤は異なるので、対象となる殺虫剤を利用します。
殺虫剤で一時的に駆除はできますが、卵の状態には殺虫剤が効かないこともあるので、1度駆除した後、更に2週間後に再度駆除するようにしましょう。
④:害虫駆除会社に相談
賃貸の生活環境を改善し、殺虫剤による駆除でも改善されない場合には、害虫駆除会社への相談が必要になります。
ダニがカーペットだけでなく、フローリングなどに卵を産んでいる場合には専門業者でないと対応が難しくなります。
2.費用は管理会社が負担するのか?それとも居住者が負担するのか?
賃貸の虫の駆除を行う場合、費用は管理会社が負担するのか、それとも居住者が負担するのかトラブルになりがちな問題です。
居住者としては建物が造りが問題であれば管理会社に費用を求めますが、管理会社としては生活環境に要因があるのに負担をするわけにもいきません。
費用の負担はどのようになるのか見ていきましょう。
①:場合によっては管理会社が負担をする
居住者の生活環境が要因ではなく、賃貸の老朽化や水回りの排水管の欠陥などが原因となって害虫が発生する場合があります。
この場合には管理会社が害虫駆除の負担をする必要があります。
クレームごとに対応するのではなく、アパート全体で被害がないのか確認しておきましょう。
実際は被害があったものの居住者が自身で対応していて申請していない可能性もあります。
②:居住者には虫の発生を予防する義務がある
管理会社が費用を負担する場合もありますが、居住者に要因がある場合には居住者が駆除費用を負担することになります。
これは「善管注意義務違反」といって、虫などが発生することを予防するための行動を居住者も行う義務があり、その義務を怠ったという違反です。
例えば、ゴミの放置や結露の放置などが挙げられます。
3.虫駆除の費用負担は原因に応じて判断される
虫の駆除は問題が起きてから行うことも大切ですが、普段から管理会社が点検を行い、居住者も予防することが大切です。
虫が発生した場合には、どちらに非があるということよりも居住者と管理会社が協力して駆除を行える環境を作り、住みやすい環境を少しでも早く整えるようにしましょう。