カナダは海外不動産投資をする方にとって制限がないなど、投資がしやすい環境を備えているエリアです。しかし感染症の影響はカナダだけではなく、世界中に広がりました。
2020年にカナダの不動産市場がどのような変化があったのか詳しく見ていきましょう。
2020年のカナダの不動産市場
2020年のカナダの不動産市場では、賃料の下落が見られた一方で取引数が増加していることや不動産価格の上昇が特徴となっています。感染症の影響によって、不動産市場に大きな影響を出している地域がありますが、カナダの不動産市況は貸手市場よりも買手市場に変化したことがポイントです。
バンクーバーの賃料が下がっている
トロントの不動産協会のデータによると、アパートメントの賃貸マーケットでは賃貸案件成約数が全体で前年同期よりも8.6%アップしています。しかし賃料の推移を見てみると、上昇していた傾向からマイナスに転じているのが特徴です。
賃料上昇が落ち着いた原因として、規制の他に供給が増加したこと、さらにコロナの影響が考えられます。もちろんトロント市内では賃料が高騰していることから、手軽な価格帯になる隣接地区に移動した人も多いことも影響しているでしょう。
2019年までは賃貸物件は移民や人口増加によって上昇傾向があったことから、感染症の影響は一定数あったと言わざるをえません。
賃貸の取引数は増えている
賃料の下落の傾向はありますが、取引数は増えているのが特徴です。感染症の影響がありましたが、売買を計画していた人たちが市場に戻ってきたことから、取引数が増えているのも特徴です。
観光やサービス業を除いた業種は、感染症の影響が少なかったことから、低金利が後押しとなって取引数が増加しています。一方で投資用物件や高額物件は需要が少なくなっていますが、一般向けの不動産価格は上昇しているだけでなく、取引件数も伸びているのが特徴です。
トロントや一部地域の不動産価格は上昇
カナダ全体の不動産価格の上昇は、平均して約3%とされています。しかしトロントは平均よりも高い6%の上昇率とされています。人口増加の影響や低い失業率がよい影響の原因でしょう。
カナダは不動産市場として安定していることが魅力ですが、低いローン利子や地域の活発化は不動産の購買意欲を後押ししています。
他のエリアでは、オンタリオ州やケベック州で不動産価格が伸びていることが予想されています。他の州でも大きな動きは少なく安定していることが特徴です。
特に郊外の物件の取引が活発となっており、平均価格を押し上げています。戸建ての取引数は、郊外は市内の3.5倍以上になっています。さらに平均価格も昨年同月からプラス約11%の93万2,222ドルとなっているのも特徴です。
不動産価格が上昇したり、取引件数が伸びているのも郊外での活動がメインとなっています。
カナダでの不動産投資の注意点
カナダでの不動産投資を考える上での注意点も見ていきましょう。
州によって法律が異なる
州によって税が異なるのはカナダでの不動産売買の際に考えておくべきポイントです。それも連邦税と州税という2種類の税金が存在しているからで、裕福かどうかによっても税率が異なるのです。
たとえば石油産出があるアルバータ州は連邦税の5%を払うだけとなっています。しかし他の州では最高で15%の税金になっているところもあるのです。不動産では固定資産税やキャピタルゲイン税が州によって異なるので注意しましょう。
新築物件数は減少傾向
売買の取引件数が伸びていますが、新築物件件数は減少しています。2020年には2019年と同程度になると予想されていました。
買い需要が伸びているのに対して、売却量が追い付いていないという現状があります。市内でのコンド・アパートの取引数は伸びているのですが、早く手放したいというオーナーが多いことから、市内のコンド・アパートの平均価格は減少しています。新築物件が減少している傾向でも、取引数は増えているのです。
まとめ
カナダでも感染症の影響は不動産市場にも及んでいますが、比較的安定した推移を見せているのが特徴です。取引件数から見るならば、不動産マーケットは活発に取引されており、特に郊外の物件の平均価格が上昇しています。
各地に影響が出ているとはいえ、安定した動きを見せているのです。