海外不動産投資先としてベトナムが挙げられます。コロナ対策が功を奏しているとはいえ、少なからず影響を受けている不動産市場ですが、どのような変化を遂げているのでしょうか?
今回は、海外不動産投資の対象であるベトナムの不動産市場の変化やどのような注意点があるのかご紹介します。
【2020年】ベトナムでの不動産投資のポイント
ベトナムではコロナ対策が功を奏している現状がポイントです。2020年12月時点では、新規感染者数は一桁台に抑えられています。2020年7月の感染者数増加を除いて、迅速な対応によって感染者数が低くなっています。
外国からの渡航者も抑えられていたことから、感染を抑制することに成功してきましたが、観光業や不動産業への影響は少なからずあるといえるでしょう。さらに影響を与えるポイントとして、インフラ整備やGDP成長があります。
インフラ整備の増加で地価の上昇の見込み
ハノイとホーチミンの大都市では、都市鉄道の運行が開始される予定になっています。ハノイでは10路線、ホーチミンでは6路線が計画されています。人口が急激に増加していること、また経済発展が進んでいることから、かねてから交通渋滞が問題視されていました。
しかし2021年から路線工事を完了させた後に、運航開始予定となっています。鉄道だけでなく、駅周辺の開発も進められており、地下街などの開発が注目されています。ホーチミン市はその他に、都市部の東エリアに開発プランを提案しており、今後の経済成長が期待される開発です。
コロナ禍でも物件の取引が増加
コロナ禍で外国人の入国制限は続いているので、不動産業へのダメージは受けています。取引件数は減少していますが、取引価格は増加している傾向があります。ハノイでは前期比21%ほどの現象、ホーチミン市では40%ほどの新規販売件数の減少があるのが特徴です。
新規物件の件数が増加していないことから、中古物件の取引が積極的に行われる傾向があり、中古物件の取引数は増加しています。外国からの中古売却の件数も増加傾向にあるので、新築物件よりも中古物件の取引が多くなっています。
ベトナムのGDPはプラス成長
不動産市場への影響を与える要素として、経済成長率があります。経済が成長しないなら不動産市場の取引が活発にならないからです。その点、2020年のベトナムの経済成長率は、2020年6月の世界銀行のデータによると、世界5位の+2.8%にもなるとされています。
コロナ禍の影響で、落ち込みがりましたが一気に回復して高水準をキープする予測がされています。ベトナム経済は大きな打撃を受けているとはいえ、今後の経済のための良好な基盤が確保されているのが特徴です。
ベトナムの不動産投資で注意点
ベトナムの不動産投資で注意したいポイントを見ていきましょう。どの国でも外国人の不動産投資に制限が加えられていることがあります。不動産の所有に関しての制限や売却をどのような方法で行うのかに注意したいものです。
不動産売却に注意する
不動産売却の際には、外国人権利物件として売却先に注意すべきです。まずは同国人への売却がスムーズに行くことを覚えておきましょう。その後外国人、ベトナム人への売却を検討します。売却するときに、不動産仲介業者のセールストークにのって、保有物件の適正価格での売却を検討しましょう。
「すぐに売れる」などのセールストークにのって、焦ってしまった結果、損をしてしまうケースもあります。物件の価値や立地条件を検討して、適正価格での売却を決意しましょう。
外国人が不動産を所有する制限に注意
ベトナムでの不動産は、土地は国の所有で土地の使用権と建物の所有権の購入になります。特に外国人は土地の使用権は50年と定められています。外国人が購入できるのは、外国人枠になっており、外国人が購入した物件という条件です。
外国人が不動産を所有するために数々の制限を満たす必要があり、コンドミニアムの使用権の延長など、具体的な年数が定められていないものもあります。どのような制限があるのか最新の情報に注意する必要があるでしょう。
まとめ
コロナ禍でも経済成長を続けているベトナムは、不動産投資先としても引き続き注目されていくでしょう。しかし外国人が不動産を所有するときの制限やどのエリアを選ぶのかにはよく注意しておきたいものです。