もくじ
不動産投資は非常に需要があるとされています。ここ10年程で、100万人もの人が投資を始めており、投資物件も10倍も増加しています。不動産業界も需要があると見込んでいる、オススメの投資です。その不動産投資について、よく耳にする「利回り」や、実際の利回りの計算方法、今後の利回りの動向や良い物件の選び方など、まとめてみました。
1.不動産の利回りとは?基本情報を説明します。
不動産投資でよく聞く言葉「利回り」とは、簡単に言うと不動産投資による利益、収益率のことを指します。利回りを知ることにより、どの程度の利益が見込めるのか?また、現状の利益率を知る判断材料になります。
では、その利益とは何かというと、購入した物件の入居者からの賃貸収入です。言わば大家さんです。あなたは物件を貸し出し、そこに入居者を募って、入居者より家賃収入を得ます。非常に分かりやすいシステムです。
その利回りについて、詳しくお伝えしていきます。
2.不動産の利回りの種類と計算方法
利回りには、「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。
表面利回り=年間収益÷物件の購入代金
これにより、年間の利益率を算出することができます。物件の図面に書かれている「利回り」とは、この表面利回りを指していることが多いです。
実質利回り=年間収益ー年間支出÷物件の購入代金
表面利回りから、運用していく上での年間の支出を差し引いたものなので、より現実的な収益を知ることができます。
利回りを計算・予測する際には、表面利回りではなく、実質利回りで計算してみましょう。それにより、正確な利益を知ることができます。投資を始める前に知っておくことで、不安な要素を無くすこともできます。
3.利回りの平均・相場
実際の利回りの相場と平均は具体的にどれくらいなのかも知っておくとよいでしょう。「中古マンション」「新築マンション」それぞれにおける平均利回りを伝えていきます。
築年数10年以上の中古マンション
築年数10年以上の中古マンションにおいては、表面利回りは8%、実質利回りは5~6%と言われています。
中古マンションは新築マンションに比べて、購入資金が安く済むため、利回りは高いとされています。しかし、築年数が古いため、修繕費用が多くかかってくるというデメリットもあります。
ちなみに、中古マンションの中でも、1Rタイプのマンションがオススメです。1LDK以上のファミリータイプのマンションの方が賃料は高く設定できますが、購入価格も高くなります。購入価格が1Rと比べて2倍となっても、賃料設定は2倍にはできません。
修繕費用も部屋数が増えるとその分かさんでしまため、手間を考えた上でも1Rおおすすめします。
新築マンション
築年数が新しい新築マンションにおいては、表面利回りは6~7%、実質利回りは4~5%と言われています。
新築マンションは新しいため、資産価値も高くはなりますが、その分購入資金も高くなります。その結果利回りが低くなります。
利回りの推移
過去における表面利回りの推移はどうなっているのか、表を用いて紹介していきます。今回は、利回りが良いとされる、中古1Rマンションの推移をお伝えします。
都心部 | 23区 | 横浜・川崎 | |
---|---|---|---|
2016年 | 5%→4.79%(横ばい) | 6.1%→5.72%(横ばい) | 7%→6.61%(下落) |
2015年 | 5.5%→5%(下落) | 6.1%→5.8%→6.2%(横ばい) | 7.1%→7%(横ばい) |
2014年 | 6%→5.8%(横ばい) | 7%→6.5%(下落) | 7.5%→7.6%→7.2%(下落) |
2013年 | 6.8%→6%(下落) | 7.8→7%(下落) | 9.8%→7.9%→8.1%(下落) |
2013年~2016年の間で、全体的に1%~3%下落していることがわかります。しかし、都心部や23区においては大きな下落はせずに、5~6%と安定しています。
横浜・川崎では3%下がっているものの、比較的高い利回りを保っています。ちなみに、都心部における一棟マンションの2013年~2016年での表面利回りは7%→4.94%、一棟アパートは7%→5.72%となっています。
一棟マンションは戸数が多いため、より多くの利益を見込めますが、購入価格が高額になります。その上、利回りは低めなのが特徴です。また、売却する際にも高価格ゆえに買い手が見つかりにくいという側面も持っています。管理する戸数が多いこと、修繕費用も一棟分かかってくること、高額購入価格が高額な点より、不動産投資初心者には手を出しにくい物件と言われています。
一棟アパートにおいては、アパート一棟だけでなく土地も購入できるのが最大のメリットです。賃料が低価格ゆえ需要はあるため高い利回りを記録しています。しかし、築年数が古いため修繕費用が多くかかってきます。また、鉄筋造りが多く、マンションなどと比べると物足りない部分もあり、資産価値も下がりやすいと言われています。
近くに新築マンションなどが建てられると、どうしても劣って見えてしまうというデメリットがあります。
4.実際の物件を見てみよう。
実際の物件の図面から利回りを計算してみましょう。
見る項目は、「物件価格」「家賃」「管理費」「修繕積立金」の4つです。
- 物件価格1,800万
- 家賃100,000円+入居者の管理費10,000円
- 物件の管理費7,500円
- 修繕積立金1,500円の物件の場合、
表面利回り=年間収入÷物件の購入代金 のため、
132万(賃料11万×12ヶ月)÷1,800万(物件の購入代金)=0,073%
0.073%×100=7.3%となり、表面利回りは7.3%です。
では、実質利回りも見てみましょう。年間支出は次のとおり。
- 物件の管理費7,500円×12ヶ月=90,000円
- 修繕積立金1,500円×12ヶ月=18,000円
90,000円+18,000円で108,000です。
実質利回り=年間収入ー年間支出÷物件の購入代金 のため、
132万(賃料11万×12ヶ月)ー年間支出108,000円(物件の管理費90,000円+修繕積立金18,000円)=121.2万
121.2万(年間収入)÷1800万(物件の購入代金)=0,067%
0.067%×100=6.7%となり、実質利回りは6.7%です。
こうして図面から実質利回りを読み取っておけば、どんな物件だと利回りが高いのか知ることができます。実際に投資を始める際にも役にたつ可能性が高まりますよ。
5.不動産利回りの今後の動向
過去における表面利回りの平均は、大体5~6%ですが、2017年後半からの動向はどうなっていくのか、具体的な理由を用いてお伝えしていきます。
都心部においては、中古区分マンション・一棟アパート・一棟マンション共に少々下落気味であり、横ばいの状態が続くと言われています。平均して、4.5~5%の表面利回りが続くと言われています。都心部においては、中古・新築共に区分マンションの需要が高く、相続税対策などを目的とした投資家が多いのです。アパートに関しては、新築アパートも表面利回りが5~6%と高くなってきているため、中古アパートが影に薄れてきていると言えます。
23区においては、どの物件も平均して5.5~6%と都心部よりかは高めの平均利回りが期待できます。下落気味ではありますが、大きく下がることはしていません。
横浜・川崎においては、6.6~7.5%と高い利回りを期待できます。どの物件も利回りは上昇傾向にあり、需要が高い地域と言えます。このエリアは特に一棟アパートや一棟マンションが強く、他の物件や地域と比較しても、大きく下落することはなく、横ばい状態で高い利回りを誇っています。よって、2017年も大きく下がることはないと言われています。
融資の面においても、2015年頃から融資対象物件の幅が広がってきています。資産価値だけで評定せず、計算上黒字になるのであれば融資は可能、と積極的に融資をする方向になっているようです。融資期間も最長35年、と長くなってきていることも分かりました。長期返済になれば、その分返済額も少なくなるため、利回りの上昇も図れますよ。
また、木造アパートなど古い物件には価値がないとされることもあるため、比較的古い物件を購入する際にも注意が必要です。
以上の点から、2017年の利回りの動向は大きく下がっていくことはないとされています。賃料や空室率が極端に悪化しない限りは、不動産投資環境は良好といえます。
6.良い物件を見つけるには
次は、とても大切な物件選びのポイントをご紹介していきます。
良い物件を選ぶ際のポイントは次の3点。
- 需要のあるエリア
- 周辺の環境
- 物件の管理体制
エリア
やはり、都心の住宅街や人の多いエリアを選ぶのが1番大切です。賃料や売却価格が安いエリアでも、そこに需要が少なければ、空室になった際にも人が入らないことも考えられます。そのため、人が多いエリア・物件の多いエリアの物件を選びましょう。
周辺の環境
周辺に何もお店がないところ、駅から遠いところには住みたいと思えませんよね。同じエリアに周辺環境が整っている物件があれば、そちらに入居者を取られてしまいます。周辺の環境や利便性も考えましょう。
物件の管理体制
管理体制も非常に大切です。資産価値の保持に繋がり、入居者も長期的に暮らしてくれます。また、仲介業者も入居希望者にオススメしやすいという側面もあります。エレベーターなどの安全点検、共用部分の清掃などがきちんとされている物件を選ぶとよいでしょう。
収益率や利回りも大切ではありますが、その前に「どんなところなら入居者が入ってくれるのか」という点も重視しましょう。
また、注意点として、「1981年6月以降に建築された新耐震基準の物件」「徒歩分数15分以内」「総戸数20戸以上の物件」を選ぶのもおすすめです。新耐震基準の物件は、阪神大震災の時にも倒壊しませんでした。総戸数においては、総戸数が多いほど、管理者に修繕費用が分散されるため、負担を減らすことができますよ。
7.物件を購入する際の注意点
物件を購入する時には、「現金一括払い」と「不動産投資ローン」の2通りの購入方法があります。どちらがおすすめなのか、そのメリットとデメリットをお伝えします。
不動産投資ローン
メリット
- レバレッジを効かせることにより、利回りが上がる
- 選べる物件が増える
- 最短ルートで投資開始が可能
デメリット
借金が増えて負担が増える
現金で購入するよりも利回りは高くなるという結果がでています。ローンで購入すると、「レバレッジ効果」を効かせることができるため、高利回りが期待できます。
レバレッジ効果とは、簡単に説明すると、ローン借入によって投資資金を増やし、高価値な物件を購入することによって結果的に賃料収入を増やすことです。
自己資金のみで、安価で価値の低い物件を購入した場合と、少々高額になっても需要のあるエリアの資産価値のある物件を購入した場合では、収益に差が出ることは想像できるかと思います。そういった「資産価値」と「収益(利回り)」においてレバレッジを効かせることを指します。
後々の資産になり、売却する時まで賃料収入を得られるというメリットを考えると、資産価値の高い物件を購入した方が大きく収益率も上がります。デメリットとしては、返済額が負担になってしまうということですが、こちらもシュミレーションが可能ですし、返済した後はその返済分も利益となります。
現金一括払い
メリット
- 負担なく、余裕を持てる
- 返済がない分、必要経費も抑えられう
デメリット
- 選べる物件が少なくなる
- 資産価値のクオリティが低くなる
現金一括払いの場合は、やはり返済額がないということが大きなメリットです。負担がない分、利益に集中できます。経費も抑えられるため、利回りも上がります。しかし、その分少額で始めると、選べる物件の幅が少なくなり、結果的に利回いが低くなってしまうという側面もあります。
また、資産価値の低いものを選ぶと、後々に財産として残る価値も連動して下がってしまいます。
以上の点から、不動産投資ローンで購入することをおすすめします。負担は多少ありますが、資産価値を高めることで利回りも大きく上がり、財産としてよいものを購入する方がメリットがあるといえます。
不動産投資について、まとめました。需要のあるよい物件を購入して、よりよい不動産投資をしてくださいね。