賃貸”住まい”の新しいカタチを提供する

Edge [エッジ]

不動産投資

DIY型賃貸をうまく使って空室対策【少ない予算で満室経営】

更新日:

最近、賃貸物件で注目が集まっている「DIY型賃貸借」。借り主が住まいに手を加えられるので、賃貸住宅でも自分なりのテイストにアレンジができ、賃貸住宅の選択肢が広がりました。
実際のところは、どんなことを、どこまでできるのでしょうか?ここでは、DIY型賃貸借の詳細についてお知らせします。

1. DIY型賃貸って?!

DIY型賃貸をうまく使って空室対策【少ない予算で満室経営】
DIY型賃貸とは、借主が自由に造作できるように賃貸借契約を結んで居住できる賃貸物件のことです。今までは、退去の際に、借りた時の状態に戻す「原状回復義務」が伴ったため、改修すると非常にコストがかかるので、部屋をカスタマイズすることは敬遠されてきました。

【1.-1】国がDIY型賃貸住宅を推奨

近年、賃貸住宅は持ち家と同様、人口減少の影響で空き家が増加しています。これらを有効に流通させるために、国も様々な対策に乗り出しました。平成25年9月には「個人住宅の賃貸流通の促進に関する検討会」が発足され、その一環として「DIY型賃貸借借」の活用のためのガイドライン作成や契約書式例の策定が行われました。

これにより、築年数が経っていて、借り手がつかない物件に、新たなニーズが生まれました。修復箇所が多いため、予算的にリフォームが難しいという事情と、借り主が自分の好みで改修を行いたいという事情がマッチしたのです。

賃貸住宅を借りるときは、契約書を交わしますが、一般的な賃貸物件を借りる場合には賃貸借契約を結ぶだけで、契約が成立します。しかし、DIY型賃貸借の場合はトラブルが起こりやすいため、賃貸借契約以外に、「DIY工事の申請書」「DIY工事の承諾書」「DIY工事の詳細な取り決めに関する合意書」を交わすことを国土交通省はすすめています。

また、ガイドラインでは、小規模な改修について実例を紹介。壁紙の貼り替え、棚の設置、キッチン扉の変更、床・壁・天井の素材変更などのケースを写真付きで掲載しています。借主は、貸主と協議するために、入居前に具体的な工事の検討を行い、図面などの資料を準備することが必要です。

【1.-2】貸主・借主のメリット

通常の賃貸借契約に比べ、DIY型賃貸借の契約は貸主・借主それぞれにメリットがあります。

貸主のメリットは、

1)通常は築年数の経っている物件をDIY型賃貸借にすることが多いが、現状のまま賃貸できるので、リフォーム費用の手間や時間がかからない
2)借主が自分の好みの工事を行うことで愛着が生まれる。そのために長期に入居してもらえる可能性が高い
3)入居者が手間暇かけて工事している内装や設備は、グレードアップしている可能性が高いため、コストをかけずに室内のグレードアップができる

などです。

借主の主なメリットは、

1) 持ち家に住んでいるのと同じように、自分の好きなように改修ができる
2)工事費を負担する分、家賃は相場より安くなる
3)原状回復義務がない場合もあり、その際は復旧費用を節約できる

です。

とはいえ、貸主と借り主の状況にもよるので、きちんと契約時の取り決めをしたほうがよいでしょう。

2. どこまでならアレンジできる?

賃貸住宅で使われる「原状回復義務」という言葉。借りる前の状態に戻すという意味でつかわれますが、とても曖昧な言葉です。国土交通省が打ち出しているガイドラインによると、住宅の損傷の定義は

1)通常の使用により生ずる損耗(経年劣化、通常損耗といわれるもの)
2)通常の使用により生ずる損耗以外の損耗(故意、過失など)

の2種類があります。

1)については原状回復義務がないとされています。時計やカレンダーを壁にかけたときの、画鋲の穴は「通常損耗」と定義されています。掃除を怠りカビが大量発生してカーペットにシミができることは「故意過失」となります。

【2.-1】通常の賃貸契約では、釘もさせない物件が多い?!

通常の賃貸契約だと、かなり制約がでてきて、やりたいことをすべて実現させるのは難しいようです。
1)壁
画鋲はOKで、釘NGといった物件が多いようです。クロスは1か所損傷しても、全体の色味が変わってしまうことから、一か所破損状態にすると、全体の現状復帰が求められるケースが多いです。
2)ペンキ
建具などにペンキを塗るのは禁止されている物件が大半です。ただし、契約前に申し出れば、相談の余地はあります。
3)床暖房
設置するための工事は比較的大きな工事となるために、施工は難しいようです。

【2.-2】DIY型賃貸ならペンキもOK!

DIY型賃貸借の場合は、契約前にどこまでアレンジしたいかを決めておくことがトラブルにならないためのポイントです。

1) DIYの費用負担者が借主なのか貸主なのか
2) DIYの工事を実施するのは借主なのか貸主なのか
3) 工事部分の所有権は借主なのか貸主なのか
4) 工事部分の原状回復義務はあるのかないのか、またはどこまでやるか
5)明け渡し時の精算はどうするか

などを最初から決めておきさえすれば、DIY型賃貸借ならペンキを塗ったり、作り付けの棚を設置したり、と改装の自由度は高くなります。

3. 実際の施工例

とはいっても、間取り改変など大幅な改修はほとんど行われていないのが現状です。実際には、どんなことが行われているのでしょうか。
上段:洗面スペースに棚を取り付け。機能性が増したうえ、黒のアイアンがアクセントになり、無機質な脱衣場に表情が生まれました。

下段:襖を取り払い、床・壁・天井に手を加えた比較的大掛かりなDIYです。面積の多いい壁や床の色が変わると、部屋の印象ががらりと変わります。襖を取り払い、欄間は枠だけ残すことで、空間の広がりを確保することができました。
国土交通省発行 「DIY型賃貸借のすすめ」より

4. まとめ

DIY型賃貸は、貸主にとっては手間がかからず空き家の有効活用になり、借主にとっては原状回復の必要がなく自分好みにリフォームでき、双方にとってメリットがある新しい賃貸のスタイルです。

ただし、工事方法や工事した箇所の所有権、費用精算の有無などを具体的に取り決めておかないとトラブルになってしまうので、注意が必要となります。国土交通省のホームページに詳細情報が掲載されています。参考にしながら、うまく活用すれば、空室率の改善につながるかもしれません。

参考:DIY型賃貸に関する契約書式例とガイドブックの作成について(国土交通省WEB)
http://www.mlit.go.jp/common/001127694.pdf

Edge事務局

賃貸”住まい”の新しいカタチを提供するEdge編集部が記事を書きました。

-不動産投資

Copyright© Edge [エッジ] , 2019 AllRights Reserved.