賃貸管理を任せるなら有名な大手の方が安心だと思われているかもしれません。ただ実際は、大手だからいいというわけではないのが現実です。
そこでこの記事ではまず、東証一部にも上場している大手7社を紹介したあとで、管理会社選びのポイントについても解説します。
1.不動産管理会社で東証一部上場している大手7社
次に紹介する7社は、事業として不動産管理を行っていて、東証一部に上場している会社です。
1-1.スターツコーポレーション株式会社
スターツコーポレーション株式会社は1969年に創業した会社です。年間売上高は連結で1,688億円です。
様々なグループ会社があり、賃貸の不動産管理事業を担っているのは、主にスターツアメニティー株式会社(https://www.amenity-net.co.jp/)になります。
スターツグループのノウハウを活かした集客力、分析力、提携力が強みです。「見える化」Web閲覧システムによって、自宅にいながらいつでも管理状況を確認できるので、適切な管理が行われているかひと目でわかります。
1-2.株式会社大京
株式会社大京は1960年に、その前身となる株式会社大京商事として創業しました。年間の営業収入は連結で3,351億円です。
マンション管理事業では53万戸を超える管理受託実績があり、グループ会社である大京アステージ、穴吹コミュニティの2社が担っています。
大京グループそれぞれの会社が役割に応じて室の高いサービスを提供し、それらの情報やノウハウが共有されている総合力が強みです。
また防災への取り組みを積極的に行っており、大規模災害時の対応の早さと的確さにも定評があります。
1-3.日本管財株式会社
日本管財株式会社は1965年に創業されました。創業当時は建物清掃管理事業が中心でした。そこから特にオフィスビルや商業施設、官公庁施設などの建物運営管理で伸びてきた会社です。
2017年には住宅管理事業を分社化し、日本管財住宅管理株式会社がマンション管理などを担当しています。住宅管理事業では海外展開も積極的に力を入れていることが特徴です。
1-4.三井ホーム株式会社
三井ホーム株式会社は1974年に創業しました。不動産の賃貸管理はグループ会社の三井ホームエステート株式会社が担当しています。三井ホームエステート株式会社のみの売上高は2017年度実績で254億円でした。
都内を中心に3万戸以上の管理戸数実績があります。三井不動産グループの総合力を生かして適切な賃料設定、幅広い手段での入居者募集を行います。また、入居者を集めるだけではなく、トラブルを未然に防ぐために厳しい入居者審査が行われているのも特徴です。
1-5.株式会社エフ・ジェー・ネクスト
株式会社エフ・ジェー・ネクストは1980年に創業しました。マンション管理事業はグループ会社の株式会社エフ・ジェー・コミュニティが担っており、14,000戸超の管理実績があります。
建物を維持管理し、管理組合の業務をサポートする機能と、賃貸運営で必要となる業務をオーナーの代わりにサポートする機能を併せ持ち、オーナー・入居者双方が満足する細やかなサービスを提供していることが特徴です。
1-6.日本管理センター株式会社
日本管理センター株式会社は2002年に創業しました。2017年度の売上高は405億1,000万円でした。日本管財センター株式会社は、サブリースが主な事業です。実際にサブリースの管理戸数は74,000戸以上にもなり、業界7位、ハウスメーカーを除けば最多の管理戸数になります。
全国に1,400社以上のパートナー企業があり、賃貸住宅に関わるすべての業務をワンストップで提供していることが強みです。賃貸住宅オーナー向けのセミナーも全国で頻繁に開催されています。
1-7.大和ハウス工業株式会社
大和ハウス工業株式会社は1947年に創業しました。賃貸住宅の管理業務はグループ会社の大和リビング株式会社が担っています。
賃貸経営管理では、オーナー向けに情報を発信し、担当者とメッセージのやり取りも行えるD-room倶楽部というマイページが提供されています。
入居者募集では、賃貸住宅・賃貸マンションの募集専門会社であるダイワエステートもサポートを行い、また全国約9,000店の提携不動産会社がリアルタイムに空室情報を閲覧できる状態で、入居率を上げるための体制が整っているのが特徴です。
2.不動産管理会社は大手だから安心というわけではない
不動産管理事業も行っている上場企業を紹介してきました。大手なこともあり、どの会社もきれいなホームページで、魅力的な言葉が多くあると感じたと思います。
特に「グループ会社全体の総合力」というのは、上場企業ならではの表現です。ですが実際にはそのような言葉通りになっていないことも多いです。
大手不動産管理会社だからと安心して任せたのに、担当者の連絡が遅い、そもそも管理物件について把握していなかったという声もよく聞きます。
そこで最後に、安心して任せられる管理会社を選ぶための、大手や中小といった会社の規模以外のポイントについてお伝えします。
管理会社選びで最も重要なことは、あなたの物件の収益性をしっかりと考えてくれることです。
物件が満室になればそれでいいと考えていらっしゃるオーナー様も多いですが、どれだけ入居率が高くても、たとえば家賃の大幅な値下げによるものであれば収益性が悪化して、賃貸経営の意味を感じられないでしょう。
だからといって、客付け力が管理会社になければ、そもそも空室が埋まらずにローンの支払いや月々の管理費の支払いで赤字になってしまいます。
そのため管理会社選びでは、収益性を維持・向上させるための提案をしてくれて、なおかつ客付け力があるところにするのがおすすめです。
管理会社に相談に行って、「客付け力はありますか?」「集客力はありますか?」と質問しても正直に「ないです」とは答えてくれません。「安心してください。」「大丈夫です。」という心強い言葉が返ってくるでしょう。
そこでもう一歩踏み込んで、どのようにして入居者を集めるのか、現在の管理物件の入居率はどれくらいかということを聞いてみてください。このときに納得力のある回答があれば、信用できます。
また賃貸管理の相談は複数の会社に同時並行で行ってもいいです。各社それぞれのサービスを提供しているので、比較して、ご自身が望む管理業務とサービス、管理委託費で受けてくれる会社を探すようにするのがおすすめです。
管理会社は賃貸経営の大事なパートナーです。上場しているから、有名だからという理由だけで管理会社を決めるのではなく、しっかりと調べ、比べてから選ぶようにしましょう。
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もくじ1.不動産収入を得るための最重要ポイント、それは出口2.出口なしで不動産を運用していると、意思決定ができなくなる話3.出口で失敗しないために 税務知識は『絶対に必要』です。4.税理士も疑え!出口