賃貸”住まい”の新しいカタチを提供する

Edge [エッジ]

不動産管理

賃貸マンションの空室対策5選【家賃の値下げだけが手段ではない】

更新日:

賃貸マンションを経営していると、空室が長く続くときがあります。どうすれば空室が埋まるだろうかと情報を探して、効果がある空室対策を試したくなりますが、その前にすべきことがあります。

この記事では空室対策前に大切なやるべきことをお伝えしたあとで、具体的な空室対策について5つ紹介します。

1.空室対策の前に大切な現状把握3つのポイント

賃貸マンションの空室対策5選【家賃の値下げだけが手段ではない】
空室対策の前にやるべきことというのは、現状把握です。現在の課題を正確に把握しなければ的はずれな空室対策になってしまい、時間もお金も無駄にしてしまいます。

調べることは次の3つです。

1-1.自分の物件

まず自分の物件について現状を調べます。

・家賃
・間取り
・マンションの設備
・募集条件
・共用部分の状況
・内覧希望者の数とそこからの契約率
・現在の入居者の特徴

このようなマンションの特徴について箇条書きでいいので書き出していきましょう。

1-2.競合の物件

続いて、同じように競合の物件についても特徴を箇条書きで書き出します。競合の物件と比較するため、自分の物件で挙げた特徴についてはわかる範囲で挙げるようにしましょう。

1-3.周辺環境の変化

最後に周辺環境の変化です。

賃貸マンション経営を始めてから時間が経っていると、それに合わせて環境も変わっていきます。賃貸マンションを購入した当時と現在で変わったところ、変わっていないところについて書き出します。

そして書き出したそれぞれの項目を合わせて、空室になっている原因を探します。特に競合物件との家賃で大きく差が出ていないかを確認します。近い立地で似たような間取りであれば、家賃が安い方を選ぶからです。

また周辺環境の変化から、現在のマンションの間取りや設備が、需要に合ったものになっているかも考えます。街も、そこに住む方々も時間が経つと変化していきます。そしていつの間にか、マンションが時代遅れになってしまうものです。

さらに周辺環境の変化によって今まで競合だと思っていた物件以外にも、新たな競合物件が見つかる可能性もあります。空室が目立つようになったときには改めて、自分の物件、競合の物件、周辺環境について考え直すことが大切です。

2.賃貸マンションの空室対策5選

賃貸マンションの空室対策5選【家賃の値下げだけが手段ではない】
それでは具体的な賃貸マンションの空室対策をお伝えします。現状の課題と照らし合わせながら、効果的だと思えるものに取り組むようにしてください。

2-1.共用部分の清掃

入居希望者が内覧には来てくれるのに、入居にまで至らないときには共用部分の清掃を注意してみてください。

物件の管理を任せている管理会社から定期的に清掃が完了したという報告はもらっていると思いますが、面倒でも足を運んでご自身の目で確かめてみることも大切です。中には清掃の報告をしていながら、雑な清掃しかしていないこともあるからです。

共用部分の清掃というのは賃貸マンション経営では基本的なことですが、空室が目立つマンションでは清掃が行き届いていないことも多いです。

もしマンションを確認したときに共用部分の清掃ができていないと感じられたら、その状況の写真を撮ったあとご自身で清掃し、管理会社に報告と合わせて改善してもらうように依頼しましょう。

共用部分は入居希望者の印象を決めるだけでなく、入居者が快適に生活するために重要な場所です。日頃からきれいにしておくことが大切です。

2-2.差別化になる人気の設備を設置する

空室が続いている原因が、競合物件と比べて差別ができていないとわかったときには、入居希望者にとって魅力がある設備の設置を検討しましょう。

現在人気の設備・サービスは

・インターネットフリー
・宅配ボックス
・24時間ゴミ出しOK
・防犯カメラ

です。

インターネットは賃貸マンションに住むほとんどの方がスマートフォンやパソコンで利用されています。そして引越しのあとでインターネットの開通をしようとすると3週間から1ヶ月待たされることもよくあります。

そのため、荷物を運び入れてすぐにインターネットが使えるという環境は今物件を探している方にとっては非常に喜ばれます。インターネット代はオーナー様の負担になりますが、入居者が個人で契約するよりも安いので、その分を家賃に上乗せしたとしても入居者は総額として安く抑えられるメリットがあります。

また単身者が多い物件では生活リズムもバラバラで、学校や仕事などで家を留守にすることも多いです。そのため宅配ボックスや24時間ゴミ出し可能な環境が整っている物件は、家賃が少し高くなったとしても選ばれる理由になります。

さらに女性は賃貸マンション選びのときに、セキュリティをよく見ています。防犯カメラやカメラ付きインターフォン、オートロックなど安心して暮らせる設備を設置することもおすすめです。

2-3.入居条件を変更する

マンションの差別化という点で、入居条件を変更するという方法もあります。

たとえばペット可にしたり、楽器可にしたり、二人入居可にしたりです。今まで入居条件で諦めていた方を新しく入居者候補として募集することができるようになります。

ただし入居条件を変更するときには、今の入居者の同意を取ることは大切です。法律的にはオーナーからの通知で入居条件の変更は可能なのですが、たとえば「犬アレルギーだからペット不可の物件に住んだ」という方がいらっしゃる場合にはトラブルにつながってしまいます。

空室対策のための入居条件変更で、新しい退去者を出してしまうことにもなるので、できる限り現入居者の了解を得たあとで変更するようにしましょう。

2-4.単身高齢者・外国人を受け入れる

また入居条件の変更が難しいときには、入居者の幅を広げるという方法もあります。

たとえば今まで孤独死のリスクで入居を断っていた単身の高齢者や、文化の違い・隣人トラブルの可能性から入居を断っていた外国人の受け入れです。

2024年には日本の人口が減少することが予測されています。さらに今後のことを考えても、日本人が増える可能性は低く、外国人の移民が増えていくでしょう。また結婚率の低下から単身の高齢者も増えていくと考えられています。

そのため、これからの賃貸マンション経営ではこうした方の受け入れも進めていかなければ生き残りが難しい状況です。

万が一、単身の高齢者を受け入れて孤独死が起きたときの対応は下記の記事で対応方法と保険について解説していますのでご確認ください。
→賃貸経営中の物件で孤独死が起きたときの対応【大家向け保険も紹介】
(https://e-dge.life/post-2165/)

また外国人に賃貸マンションを貸す難しさと対策について解説した記事は下記になります。こちらも合わせてご確認いただくと、単身高齢者・外国人の受け入れについてより具体的にイメージしていただけるでしょう。
→外国人へ賃貸物件を貸すのが難しい理由と対策【外国人に慣れた管理会社を選定する】
(https://e-dge.life/post-2174/)

2-5.敷金・礼金を下げる

新しい設備の設置が難しく、入居者条件の緩和も難しいときには敷金・礼金を下げることを検討してみてください。

特に礼金は「今までそうだったから」という理由で設定されていたり、仲介会社への手数料や紹介料に礼金を充てていたりすることも多いと思います。ただ、入居者にとっても初期費用で礼金を支払うことは負担が大きいものです。

もし家賃を下げた分、礼金でバランスを取っていたり、礼金を共用部分の整備に使っていたりしてすぐに礼金を下げることが難しい場合は別ですが、特に理由なく、今までのなごりで礼金をもらっていた場合は下げるかなくすことで、空室対策になります。

また敷金は入居者の退去時に原状回復のために使うお金ですが、その全てを使うことは稀です。今までの敷金の返金額を考慮して、その分だけ敷金を下げることで入居者の引越しの初期費用を抑えることができて、他物件と比較したときに選ばれやすくなります。

敷金・礼金は初期費用として負担が大きいものとなっているので、現状の使いみちとその金額を検討して、可能な限り下げるのもおすすめです。

3.賃貸マンションの空室対策で家賃の値下げだけではん

賃貸マンションの空室対策5選【家賃の値下げだけが手段ではない】
空室対策として最初に頭に浮かぶ方法が、「家賃の値下げ」だと思います。

周囲の物件と比較したときに家賃が高すぎる、という場合はたしかに、家賃を下げることが空室対策として有効ではありますが基本的には最後の手段だと思っていたほうがいいです。

なぜなら、一度下げた家賃は上げにくいからです。空室だからといって家賃を下げてしまうと、今後の家賃収入に響きます。また今後、再び空室が目立つようになったときにはさらなら家賃の値下げをしなければならなくなるかもしれません。

そうなると賃貸マンション経営が赤字になってしまい、継続できなくなってしまいます。さらに今までどおりの家賃で住んでいる入居者からも不満が出て、値下げ交渉されたり、退去されたりする可能性もあります。

このように家賃の値下げは即効性のある空室対策ではありますが、長期的に見たときには大きな収益悪化になってしまいますのでおすすめしていません。

できる限り、物件の魅力を高め、付加価値をつける形で家賃を維持するか、値上げする方向で空室対策するようにしましょう。

Edge事務局

賃貸”住まい”の新しいカタチを提供するEdge編集部が記事を書きました。

-不動産管理

Copyright© Edge [エッジ] , 2024 AllRights Reserved.