もくじ
不動産投資したら簡単にお金が儲かるでしょ!?
そう考えている不動産投資初心者の方が多いでしょう。しかし、世の中そんなに甘くはありません。
安定した家賃収入が望める不動産投資ですが、いいことばかりではないのです。
不動産投資を当然多額のお金を投資するため、投資に失敗すると大きな借金を背負うことにもなります。
そこでこの記事では、不動産投資を取り組むにあたっての注意点を解説します。
注意点をしっかりして、不動産投資をすることはとても重要ですので、ぜひご覧ください。
1.不動産投資はギャンブルではない
不動産投資には経営者としての視点が不可欠です。「投資」と聞くと株式やFX、今の流行りでは仮想通貨なども思い浮かべると思います。
しかし、不動産投資はこれらとは性質が異なります。
それは「利益」の仕組みです。
投資には安く買って、値上がった時に売って、その差額の利益であるキャピタルゲインと、不動産が自ら生み出す家賃収入のようなインカムゲインに分けられます。
安く買って、高く売るという場合、その投資商品の価格へ影響を与えるのは、経済状況による企業の業績や投資家の動向など細かな要素も考慮すると多岐にわたります。
そしてこれらをコントロールするのは不可能です。結果、素人がキャピタルゲインを狙って投資をするとギャンブル的な要素も含まれてしまいます。
一方で、不動産投資の場合は自分自身の選択や判断によって安定した家賃収入を得ることができます。
情報を仕入れて、勉強をしていい物件を見つ、信頼できる管理会社を選定します。
ここが不動産投資においてとても重要です。
不動産投資会社や、管理会社があなたのともに、立地条件、入居者の募集条件を決め、賃料の設定にしっかり助言してくれるかどうかをしっかり確認しましょう。
そしてその助言をもとに自分自身で判断します。この判断力というのは経営者にも求められる資質です。
会社経営者は利益とリスクのバランスを見て、大きく利益を上げられる可能性が高いものに舵を切る判断をする人です。これと同じ資質が不動産投資家に求められるのです。
たとえワンルームマンションの一室の投資であっても、不動産を「経営」しているという意識が大切です。
2.資金だけでなく知識も重要
投資では運用する金額が大きいほど、小さい利回りでも大きなお金を得られます。
大きなお金を動かすことができれば、簡単に不動産投資で利益を得ることができると思いがちですが、そんなにあまくはありません。
不動産投資家として「知識」と「情報」が必要です。そして、それらを得た上でどのような物件に投資するか?どのくらいの賃料で入居者を募集するか?などを判断していくのです。
以下は判断するための基準の例です。
2-1.構造について
不動産は木造か、鉄筋かなどの構造別に様々な特徴があります。災害への耐性や耐用年数なども異なるためこれらの知識は必須です。また鉄筋コンクリートと木造では焼却期間も違うため、キャッシュフローにも大きく影響します。
2-2.キャッシュフローについて
銀行から融資を受けている場合、特に家賃収入からの借入の「返済比率」は非常に重要です。
家賃の何割が返済に充てることになるのか、また、ローンの年数や頭金の有無によって金利が大きく異なるため金利を安く抑えるノウハウも把握しておくと交渉のときに有利です。
2-3.利回りについて
不動産投資には「利回り」という言葉がでてきます。簡単に説明すると投資総額に対してどのぐらいのリターンがあるかを表す言葉です。
そして利回りには表面利回りと実質利回りといった形で、同じ「利回り」でも違う意味のものがあります。この違いは後ほど解説します。
また不動産会社の担当者との会話中に使われる「利回り」はどちらのことなのか、常に意識することも大切です。利回りを基準に不動産投資の運用状況を判断することになるので、覚えておきましょう。
2-4.様々な価格の相場
不動産には家賃の他にも、融資の利息、物件の本体価格、不動産管理手数料、修繕費などが掛かります。
これらの金額の相場を知っておかなければ、判断に迷うことになります。
例えばリフォーム業者の見積もり費用が妥当なのか、妥当ではないのかというのは、相場を知らなければ判断できません。相場を知らないために無理な値引きを要求して関係を悪くしたり、逆に、不要な費用を支払ってしまうことになったりします。
そのため相場感覚も重要です。
弊社では賃料査定を無料で行なっています。家賃相場を知りたい方は以下からお問い合わせください。
また賃料査定の詳しい記事は以下にも記載しています。
【簡単】賃料査定の方程式を公開します【大家さん希望者は必見】
もくじ1.賃料査定の方程式2.賃料査定の5つのポイント3.賃料設定を具体例で考えてみる。賃料査定がすべての基本収益不動産を保有しているならば目指すべきは「収益の最大化」です。その収益の最大化の為に最も
2-5.契約書の知識
不動産投資をするとき、物件購入時の売買契約書、不動産管理会社との管理委託契約、賃貸人との賃貸借契約書など多くの契約書を目にすることになります。
これらすべての内容を隅から隅まで理解できる必要はないですが、一定の法律知識や契約書の見るべきポイントは把握しておいた方がいいです。
契約書の効力は強いです。知識が何もなければ自分が結んだ不利な契約に拘束される恐れがあります。
3.表面利回りと実質利回りの違いを理解する
不動産投資の物件選び、運用状況を判断するうえでも重要になる「利回り」について解説します。
3-1.表面利回り
表面利回りとは年間の家賃収入の総額を物件価格で割り戻した数値です。 投資用物件をサイトなどに記載されているのはこの表面利回りです。
3-2.実質利回り
実質利回りは年間の家賃収入から諸経費を差し引いた数字と、物件価格に購入時の諸経費を足したもので割った数字です。
表面利回りだけを見て購入してしまうと実際に運営をしたときに、想定よりも手元にお金が残らないということになってしまいます。
利回りを考えるときは経費を考慮した実質利回りで考える癖をつけましょう。
3-3.利回りの具体例
具体的な数字を使って、利回りを考えてみます。
例えば年間家賃収入300万円、不動産価格3,000万円、購入時の諸経費200万円、不動産保有時の諸経費が年間100万円の不動産に投資する場合です。
このとき表面利回りと実質利回りとでは下記のような違いが出ます。
300万円÷3,000万円×100=10.0%
・実質利回り
(300万円-100万円)÷(3,000万円+200万円)×100=6.3%
ここで1つ注意点として、実質利回りもあくまでも一時的な数値でしかありません。
利回りの計算結果は、経費に掛かる金額が変化すれば年ごとに変わります。
そのため、不動産業者が物件の広告を行うときには表面利回りを使うことが多いです。 物件を選ぶときには、表面利回りを目安にして、実質利回りを担当者に確認するようにしましょう。
4.自力ではどうしようもないリスクがある
知識や情報は、自分自身が意識することで学び、集めることができます。ただ不動産投資では自分の力だけではどうすることもできないリスクがあります。
4-1.自然災害
日本は世界でも珍しい地震大国です。地震により、投資物件が全壊してもローン債務はなくなりません。
また仮に全壊は免れたとしても、修繕費などコストがかかります。
これらのリスクを最小限に抑えるためにも、建物の耐震基準、震災における地域性などをよく考えて物件選びをすることが大切です。また、有効な災害保険への加入は必ず検討しておきましょう。
4-2.金利の上昇
物件購入のローンを申し込む場合、借入期間中、金利が固定される固定金利と、一定の期間で金利が変化する変動金利から選択をすることになります。
変動金利を選んだ時、低金利が続いていればいいですが、変動金利が固定金利の利率を上回ることが続けば、その分、損をすることになります。
5.不動産投資をするための物件選びは慎重に
不動産投資の成功に物件選びが占める割合は大きいです。安定した家賃収入を確保するためには、空室になりにくい物件を選ぶことです。資金計画との兼ね合いもありますが、可能であれば以下のような条件で探すことをおすすめします。
5-1.物件の利便性がいい
ワンルームマンションの場合、特に物件の利便性は重要です。具体的には最寄り駅から徒歩10分以内、利用する路線がターミナル駅に出やすいなどです。
また、近くにコンビニがあるか、日用品の買い物が可能なところがあるかなど、周辺環境も考慮しましょう。ファミリー向けであれば、治安や公園の有無、学校が近いかなどもポイントになります。
5-2.管理・メンテナンスが行き届いている
管理人は常駐なのか、共有部分の状態、定期点検を行っているのか、入居者が安心して、快適に過ごせる環境を整えることが大切です。
5-3.ニーズを満たした設備・仕様がある
最近は、セキュリティに対する関心が高まり、オートロックや防犯カメラが設置されている物件の需要が増しています。
また和室の人気は下落傾向にあり、トイレ・バスはセパレートが重要、など時代によって入居者の希望が変わります。
これから購入しようとしている物件は、今の、そしてこれからの需要に応えられるものなのか、時代に合わなくなったときに、自分自身の判断でリフォームができるのか、他の第三者の許可が必要なのか、も判断するポイントになるでしょう。
6.安心して任せられる管理会社選びも重要
物件の管理を委託する管理会社によって入居率も大きく変わります。安心して任せるためにも、雰囲気や自分との相性なども確かめます。
そしてしっかりと話しを聞いてくれるか、そのうえで狙うべき入居者の客層や家賃、その他修繕方針やリフォームなどについても真摯に提案やアドバイスをしてもらえるかも管理会社選びの判断材料にしましょう。
ただし慎重になりすぎて、決めきれないのも問題です。大切な資産を任せる不動産管理会社ですが、一度任せたからといってずっと変更できないわけではありません。
もし、実際に任せてみて不信感を持ったり、相性が合わなかったりしたら、その経験をもとにまた別の管理会社を探してもいいです。
難しく考えすぎず、気軽に相談からしてみることをおすすめします。
弊社も不動産管理を行なっています。ぜひ気軽にお問い合わせください。
7.不動産投資をする前にしっかり経営者としての心構えを身につけよう!
不動産投資に取り組むときに気をつけるべき注意点を解説します。不動産投資の家賃収入は魅力的ですが、投資なのでリスクがつきものです。
このとき、リスクを恐れてなにもしなかったり、リスクを無視したりするのではなく、正しくリスクを評価し、今できる最善の対策をするようにしましょう。
不動産投資とリスク管理は切り離せません。
不動産投資で失敗しないためにも、勉強や情報収集はこまめに行うようにしましょう。