もくじ
不動産の資格で代表される宅地建物取引士。
通称、宅建。
この宅建の資格を独学で勉強している方もいるかと思います。難しい資格と言われていますが、宅建は独学でも十分合格が可能です。
そこで今回は宅建を独学で合格する勉強法や勉強時間について記事にします。
宅建の難易度・合格率
毎年、宅建の試験には30,000人近い数が合格しています。人数だけ考えれば多いように感じますが、合格率は17%程度です。年度によって合格率は多少上下しますが、それでもここ数年は16~17%前後を推移しています。つまり、6~7人に1人の合格率です。
ただし宅建は有名な資格ということもあって、しっかりと勉強をせずに受けている人が他の資格に比べて多いのも事実です。それを踏まえれば、20%程度の合格率にはなるのではないでしょうか。
20%というと低く感じますが、国家資格としては高い数字です。また宅建の合格基準は、合格最低点によって決まります。資格によっては、「受験者の○%」が合格」と相対的に決められているものもありますが、宅建は点数のみが合格基準です。
そして過去の合格最低点は32~36点程度となっているので、7割以上の正解を獲得できればほとんどの確率で受かるでしょう。平成28年の試験結果は、受験者数198,463人に対して合格者数30,589人、合格率15.4%、合格点35問以上でした。このことからも、7割以上が1つの目安と言えます。
宅建は独学でも十分に合格を狙える資格なので安心してください。
宅建に独学で合格できる勉強時間の目安
勉強時間は、宅建の勉強を始める前にどれくらい不動産や宅建について知っているかによって大きく異なります。過去に宅建の勉強をしたことがあったり、不動産業に馴染みがあったりすれば、100時間程度の独学で余裕を持って受かることができるでしょう。逆に、宅建どころか「不動産」について全くの知識なく宅建の資格取得を目指した場合、200時間は最低限の目安として頑張りたいところです。
インターネットで調べてみると「100時間あれば十分」という考えを発信している方もいますが、あくまで「その人は100時間程度で結果が出た。」だけで、参考情報に留めるのがちょうどいいです。
それでは実際に200時間を勉強時間の目標としたとき、試験のどれくらい前から始めたらいいのでしょうか。
平日は出社前や会社後に時間を取って平均3時間。土日は予定もあるでしょうから、それぞれ5時間程度だとすると、1週間で勉強できる時間は30時間程度です。そしてそこからアクシデントなどがあって、実質の勉強時間が7割程度になると見越しておいた方が良いので、1週間で21時間の勉強時間とします。
すると200時間勉強するためには約10週間、2ヶ月半必要な計算になります。
試験日は10月中旬、平成30年は10月21日(日)の予定ですから、8月になったタイミングで勉強に取り組み始めれば、余裕を持って合格を狙えるでしょう。またもし、そんなに勉強時間を取れないというときは、あとから紹介する効率的な勉強法を参考にしてください。15~20%は時間を短縮して、160時間程度の勉強で合格を狙えるようになります。
宅建を独学するときにおすすめの本
宅建の試験は暗記の要素が強いです。なかには暗記が全て、暗記だけで受かるという方もいらっしゃいますが、実際は難しいです。それは過去問を解いてもらえれば実感できると思います。確かに暗記ではありますが、試験では問題が100%そのままということはありません。合格率が20%弱、合格点が7割以上ということを考えても、暗記だけで受かるほど簡単な試験なわけがありません。
もしあなたが過去に不動産や宅建、民法について勉強したことがあり、今もある程度、基本をつかめているという場合は1冊宅建士の教科書を読んで内容を思い出したあと過去問にひたすら取り組みましょう。
ですがもし、これからはじめて宅建の勉強に取り組むという場合は、最初は馴染みやすい入門書を使って全体像をつかむようにしましょう。
3-1.うかる!マンガ宅建士入門2018年度版
毎年度出版されているマンガ宅建士入門です。宅建の勉強は初学者にとって難しいだけでなく、専門用語なども多く出てくるので挫折してしまう人が多いです。そこでこの本が役立ちます。漫画で、ストーリーがある展開となっているので読み物としても面白く、取り掛かりやすくなっています。
もちろんただ漫画になっているだけではなく、宅建を受験するうえで重要なポイントはしっかりと押さえられているので安心してください。
3-2.2018年版 らくらく宅建塾 (らくらく宅建塾シリーズ)
例年宅建を受験するテキストとして評価の高い1冊です。宅建には民法の知識も求められ、法律用語独特の堅い言葉が並びます。それらを全て暗記していくことは、会社勤めをしながらではまず不可能です。この本では難しい用語もわかりやすく解説されているだけでなく、暗記に役立つ語呂合わせ、記憶に残るイラストも豊富です。
過去20年以上出版され続けて合格者を多数排出してきた実績もあり、知識の理解・定着だけでなく、合格に必要な暗記についても心強いです。
3-3.民法がわかった
出版は2008年と10年近く前ですが、未だに宅建のサブテキストとして人気が高いです。法律用語は馴染みにくい、という印象を覆してくれるようなわかりやすい文章が魅力です。宅建試験では民法の権利が当たり前のように出てきますが、この本を読んで理解することで、問題をスムーズに解けるようになります。
宅建のテキストと合わせて読むことで民法の理解が深まり、得点アップにつながるはずです。宅建の試験が終わったあともずっと手元に置いておきたい1冊です。
宅建を独学するときに効率的な勉強法
前提知識がない場合の勉強法を紹介します。プライベートに多少ゆとりを持ちながらも独学で、3ヶ月で受かることを目標にした勉強法です。
まずは宅建の全体像をつかむことが一番です。最初から過去問を解いても、何がわからないのかもわからず、どこから手をつけたらいいのか途方にくれてしまいます。そこで先ほども紹介した漫画の入門書がおすすめです。1回目は細かい用語は気にせず、流し読みしましょう。
そうすれば概要をつかめます。そのあともう一度、同じ入門書を読み直します。2回目に読むときは、つまった用語や説明のところは飛ばさずに、何を言っているのかを理解するようにしましょう。理解に苦しんだところは繰り返し読むことで定着させることができます。
ここでは完全に覚えることが目的ではありません。これから本格的に宅建の勉強を進めるにあたって、用語などでつまずかないようにする準備期間です。そして基礎が定着したあとは実際に宅建のテキストに取り組みましょう。
その前に大事なことは、試験までの計画を立てることです。宅建で求められる知識は膨大な量になるので、計画的に進めなければ試験当日までに勉強が間に合わないということになってしまいます。
試験日から逆算して、達成可能な計画を立てます。そして、毎週振り返って、計画の進捗を確認し、必要であれば修正を行います。このとき、試験当日までテキストの勉強に充ててはいけません。少なくとも試験直前の1週間、できれば10日程度は過去問を集中的に解いて理解する期間にしましょう。
また宅建の勉強で特に落ち込みやすいところが民法です。理解に時間がかかることを見越して、民法は早い時期から勉強の予定に組み込みます。そしてゆっくりと理解していくようにすれば、挫折せずに最後まで勉強できます。
もちろん何度勉強しても、全く理解できないというところがあると思います。ですが、宅建の合格点は7割だと考えれば満点を取る必要がありません。理解できないところを理解する努力は大切ですが、直前になったら丸暗記か、「これが出たら諦める」と割り切ってしまうことをおすすめします。
テキストで勉強しながら、過去問も並行して進めることで理解の定着が進みます。過去問を解くときは、正解を覚えるだけでなく、不正解の選択肢がなぜ不正解なのかというところまで理解して進めるようにしましょう。
試験1ヶ月半前になったら、繰り返しテキストと過去問を往復し、少なくとも5周はするようにします。そうすれば、試験で過去問にない問題が出たとしても慌てずに対応できるはずです。
独学と講座、どっちがいい?それぞれのメリット・デメリット
ここまで宅建合格に向けて独学での取り組み方を紹介してきました。最後に、講座と比較したメリット・デメリットを解説します。
まずメリットですが、なんと言っても教材費以外に費用がかからないということです。入門書とテキスト、過去問を購入したとしても15,000円以内には収まります。講座の場合、20万円近い費用がかかることを考えれば、1/10以下です。また自身のペースで勉強できるので、精神的にリラックした状態で試験勉強に取り組めます。
逆に独学のデメリットとしては、大きく2つあります。1つ目は、自分自身でテキストを選び、法改正などの最新情報も自分で取得しなければならないということです。講座であれば事前に用意してくれているものも自主的に情報を集める必要があります。そして2つ目は、質問できる環境を整えにくいということです。講座であれば先生がいるのでわからない点もすぐに質問して理解を助けてくれますが、独学では自分で理解するしかありません。そのため強い意思がなければ挫折してしまいやすいです。
宅建を独学で合格しよう!
宅建について知識がない人が、これから独学で合格するためにおすすめのテキストと効率的な勉強法についてお伝えしました。宅建は専門用語も多く、覚えるべき範囲も広いです。合格点は7割以上、問題は4択式ということで運が強ければ、ちょっとした勉強で受かってしまうかもしれませんが、まずありません。ぜひこの記事を参考に宅建合格に取り組んでください。
またしっかりと計画を立てて、着実に取り組んでいくことが大切です。また独学ではモチベーションの維持が難しいところもあるので、一緒に受験する仲間を見つけることもおすすめです。