「物件を適切に管理する。」
賃貸経営を行っていれば、これは当然だと考えていると思います。ですが、実際にはオーナーが思っている以上に清掃が行き届いてないこともあり、それが理由で空室につながっていることもあるのです。
そこでこの記事では、清掃が空室対策に有効な理由と、清掃時のポイントについてお伝えします。
1.空室対策に清掃は重要
当たり前すぎて見落としがちな空室対策が物件の清掃です。
人気の設備を取り入れたり、物件図面を工夫したりして内覧まで来てもらえるのに、そこから契約にまで至らない。そのような状況であれば、清掃に原因があることが多いです。
なぜなら、内覧に来た入居希望者は、複数の物件を見て比較しています。そして、部屋の中だけではなく、共用部分も含めた物件全体も比較対象となります。入居者はこれから長くその物件で生活していくことになるので、共用部分も大切な生活環境です。そのため、たとえ物件として設備が充実していたとしても、清掃が行き届いてない物件の印象は悪くなってしまうからです。
さらに、清掃がきちんとされていないと新しい入居者の契約が決まらないどころか、現在入居中の方からも退去の申し出が出てくるかもしれません。
空室対策では新しい入居者と契約することに重きを置いてしまいますが、入居者からの退去を出さないことも同じくらい重要です。そのためにも、定期的に清掃を行い、電球が切れていたり、どこか破損していたりしないかチェックするようにして、快適な住環境を提供するように意識するようにしましょう。
清掃であれば、新しく掃除道具を買っても1,000円以内に収まります。そこから得られる利益を考えれば非常に安価で始めやすい空室対策です。
2.共用部分の清掃は細かいところまで
特に清掃については、管理会社に任されているオーナー様も多いと思います。そのため、「自分の物件は大丈夫だろう。」と考えてしまいますが、もし空室が長く続いているようであれば、ご自身で物件に足を運んで、状況を確認することをおすすめします。
管理会社からは定期的に清掃の報告が来ますが、管理会社の担当者が思う「きれい」と、入居者・入居希望者が思う「きれい」に差があるかもしれないからです。担当者が「きれい」と思っても、実際に住もうとしている方が「きれい」と感じなければ、内覧時に評価が下がってしまいます。
たとえば
・ゴミ置き場周辺にゴミが散乱している
・廊下の隅にほこりが溜まっている
・階段にゴミが置きっぱなしになっている
というような環境では、住んでいて気持ちの良いものではありません。
そのため、清掃ではとにかく「入居者の視点」になることが大切です。この空間で快適に過ごせるだろうか、気になることはないだろうか、そのような意識で細かいところまで清掃するようにします。
3.空室を清掃するときの主な場所7箇所
共用部分の清掃だけでなく、空室の清掃も丁寧に行うことが空室対策では大切です。空室だからといって、長い間そのままにしていると臭いがこもったり、隅にほこりが溜まったりして、どれだけ物件の写真が良かったとしても内覧時に悪印象となってしまいます。
そこで空室をきれいに保つための主な清掃場所7箇所を紹介します。管理会社や清掃会社に依頼するときにも、下記7箇所について重点的に対応してもらえるところを選ぶようにすれば、清掃の問題で空室が埋まらないということはなくなるでしょう。
3-1.バスルーム
バスルームは、石鹸カスや水垢、カビなどの汚れが多く、清掃が難しい箇所です。バスルームの鏡に白いうろこのような汚れがついていたり、バスタブに乾くと出てくる白い汚れがあったりするだけでも、印象を落としてしまうので注意が必要です。
またバスルームの床の汚れはなかなか落ちにくいものの場合もあり、簡単に掃除しただけでは汚れが残ったままのこともあります。扉の下の通気口部分も含めて、細かいところまで清掃が行き届いているか確認するようにしましょう。
3-2.キッチン
キッチンは内覧時、特に細かく入居希望者がチェックする場所です。棚をあけたり、シンクの中を覗いたり、人によっては、換気扇のパネルの奥までチェックされる方もいらっしゃいます。
特に棚の中の排水ホースが汚かったり、コンロやシンクに拭きむらがあったりすると、入居するのをためらわれる可能性もあるので丁寧に清掃してもらいたいところです。
3-3.洗面台
洗面台は、特に女性が使用する機会が多いことから、男性よりも入念にチェックされる場所です。戸棚の中や排水口はもちろん、鏡に拭きむらがないか、というところまで見ています。
また清掃会社の中には、照明カバーの内側まで清掃が行き届いてないところもあります。ここには小さな虫の死骸やゴミが溜まっていることも多く、照明をつけたときに透けて見えてしまいます。
仲間でしっかりと清掃されているか確認するようにしましょう。
3-4.トイレ
トイレも男女問わず必ず内覧時にチェックする場所です。特にトイレの清掃が行き届いてない場合、物件がきちんと管理されていない印象まで持たれてしまいます。
一目見たときにはきれいだと思えても、便座の裏側までは清掃されていなかったり、タンクの後ろの方にほこりが残っていたりすることもあります。また便座の連結部分にもほこりが溜まりやすく、入居希望者の目に留まる場所でもあるので、便座を取り外して清掃してくれる業者に依頼するようにしましょう。
また便座の中は光の具合で汚れが見えなかったりするので、様々な角度からみて徹底的に確認するようにしてください。
3-5.玄関
玄関は部屋の第一印象を決める重要な場所です。ポストの中までしっかりときれいにしておく必要があります。また土間にホコリやゴミが残っていたり、玄関のドアに汚れがついていたりすると、大きく印象が下がります。
ドアノブまでピカピカになっていることを確認しましょう。
3-6.居室
前の入居者が退去したあと、居室はきれいに清掃されていると思います。ですが、空室が長く続いたときに、定期的な清掃はされているでしょうか。退去してすぐのときには丁寧に清掃していたとしても、サッシの溝や床の隅にはほこりが溜まってしまいます。
また降り込んだ雨が窓に当たって、汚れになってしまっていることもあるので、定期的な清掃は欠かせません。
3-7.室外機
室外機は外に置かれているので、定期的に清掃していないと汚れがどんどんついてしまいます。そのため清掃会社によっては、すぐに汚れるからとそのままにしてしまっているところもあります。
もし清掃が行き届いてないようであれば、担当者にしっかりと掃除を依頼することが大切です。
4.まとめ
清掃は空室対策の基本とも言えるくらい重要なことです。共用部分は定期的に清掃を行って、入居者がいつも気持ちよく過ごせるような環境にしておくことが、内覧時に入居希望者の印象を上げます。共用部分の清掃は新しい入居者の獲得だけでなく、退去者を出さないことにもつながります。
また空室の清掃も、空室が長く続くときには定期的に清掃することが大切です。退去時にきれいにしたとしても空室が長く続くと、ほこりが溜まったり、汚れがついたりするので、内覧時の印象が悪くなってしまいます。
これから何か空室対策を始めようと考えていれば、まずは物件の清掃が行き届いているか確認するようにしましょう。
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