1.ホームウォッチについて
ホームウォッチは大崎電気工業株式会社が提供するスマートホームを実現するIoTサービスのことです。
たとえば、Webカメラと連携させることで、離れた場所からでも部屋の様子をスマートフォンから確認できるようになります。そのため、子どもやペットを留守番させているときに不審なことがないかを気になったタイミングで知ることができます。
また部屋の様子だけでなく部屋の温度や湿度なども確認できるので、ホームウォッチに対応したエアコンのオンオフを外出先から行えます。今までは帰宅する時間を予測して、タイマーを設定するようなことが必要でしたが、ホームウォッチの導入によって、「帰宅30分前に外出先からエアコンのスイッチをオンにする。」というようなことも可能になります。
家電製品の制御については赤外線通信を採用しているので、利用者も新しく家電を買い直す必要がほとんどなく、エアコン、テレビ、照明などですでに普及している赤外線リモコン付き家電を簡単に操作できることが大きなメリットです。
セットアップの手間、導入コストが低いことから賃貸住宅への導入もしやすく、物件価値の向上による賃料アップも期待されているサービスです。
2.ホームウォッチの活用
実際にホームウォッチがどのように活用されているか、3つほど紹介します。
2-1.不動産賃貸管理会社向けへのサービス提供
2017年4月以降に始まったIoT技術を活用したレンタルサービスがあります。2016年10月に発表された三菱UFJリース株式会社との業務提携によって実現したもので、マンション入居者が外出先からスマートフォンやタブレットを使って、スイッチのオンオフなどの家電制御や室内の確認ができるようにしたサービスです。
導入は、人感・環境センサーなどの専用小型機器4セットを室内に設置するだけです。
サービスの提供方法は、三菱UFJリース株式会社が大崎電気工業株式会社からホームウォッチに必要な機器を購入し、不動産管理会社にレンタルするという形です。レンタル料も月額1,000円程度の低コストで導入することができます。
2-2.学生会館Uni E'meal ナゴヤドーム前(ユニエミール)
株式会社ジェイ・エス・ビーが運営する学生マンションです。2017年3月から運営開始したばかりのマンションで、学生の一人暮らしの快適性と安全性を求める声に応える形でホームウォッチサービスが導入されました。
外出先からの家電操作ができるようになることはもちろん、万が一不審者が侵入したときでもお手持ちのスマートフォンに通知されるようにできるので、安心した学生生活を送れます。
2-3.and factory社のスマートホテル
2018年1月18日、and factory株式会社が手がけるIoT体験型宿泊施設のスマートホステル「&AND HOSTEL AKIHABARA」と「&AND HOSTEL KANDA」に提供することが発表されました。
&AND HOSTELは最先端のIoTデバイスを集結させて、宿泊自体をひとつの観光として楽しめるコンセプトで作られています。通常、部屋にIoTデバイスを設置したときは、鍵を開ける、電気を点ける、エアコンを点けるなどの操作は、各操作のための専用アプリを立ち上げる必要がありました。
しかし&AND HOSTELでは独自開発した1つの専用アプリ「&IoT Platform」を利用するだけで全てのデバイスを操作できるように設計されて、より近未来的な体験を得られるということで好評です。
また実際の宿泊者がどのようにIoTデバイスを利用したかという定量的・定性的なデータに基づいたフィードバックも得られるので、メーカーにとってもスマートホームサービスの改善・新しい可能性の開拓に活用できています。
3.ホームウォッチが賃貸マンションを変える
2018年3月完成の仙台にある賃貸マンションでもホームウォッチが導入されています。人口減少、少子高齢化、空室率増加など課題の多い賃貸業界において、物件価値を高めるものとして、今後もホームウォッチが導入されていくことが予想されます。
利用する物件が増えることでホームウォッチ自体のサービス改善も促され、オーナーにとっても、入居者にとっても使い勝手の良いものとなっていくことでしょう。
現在管理中の物件に導入を検討されてみるのもおすすめです。