日本から地理的にも近い韓国ですが、場合によっては国内旅行よりも気軽に行ける場所にあり、不動産投資を考える方もおられるでしょう。
そんな韓国の不動産市場はどうなっているのでしょうか?2019年の最新情報を元に、韓国で不動産投資をする場合のポイントを詳しく解説していきます。
韓国に不動産投資するメリットやポイントは?
韓国で不動産投資をする際に、頭に入れておくべきポイントとして、
- オーナーが強い慣習
- 賃貸は分譲マンション
- 独特の慣習のチョンセ
があります。
海外不動産投資をする上で、メリットになることもありますが、注意を払っておくべきポイントでもあります。
どのようなポイントなのか詳しく見ていきましょう。
オーナーが強いという慣習
韓国での不動産市場では、オーナーが強いということがポイントです。もちろん他の国でもオーナーに決定権があるのですが、経済の低迷が続いている韓国ではこの傾向が顕著に表れています。
ソウル近郊などでは、部屋を借りたくても借りられない人が出るほどの物件不足となっています。これには、韓国特有の賃貸制度も影響しており、保証金が上がっていることが原因です。
他にも、契約満期の約3週間前から、次の入居者のために部屋の中を見学させなければなりません。日本では契約が満了していないにも関わらず、次の入居者の見学を行うことはありません。これも、韓国のオーナーの力が強いことを示す例です。
賃貸はほとんど分譲マンション
韓国の国土面積は、日本の約4分の1です。特にソウルなどの都市部に人口が集中していることもあり、戸建ての割合は全体の1割しかありません。
そこで、韓国で不動産投資をするとしても、ほとんどがマンションということになります。分譲マンションを購入したオーナーが賃貸住宅として貸し出すことがあるのです。
通常のマンションの他にも、ワンルームや1LDKのような小さめの物件を賃貸目的で、棟ごと購入する投資家もいます。
チョンセという韓国の制度
韓国の不動産投資に当たって、理解しておくべき習慣として「チョンセ」があります。
チョンセというのは賃貸する部屋の分譲価格を元に、その価格の半分から3分の1程度の金額を保証金として預けると、毎月の家賃が必要ではなくなるという制度です。
賃貸契約が終了すると、契約満了後に保証金がすべて返却され、オーナーとしては、預かった保証金で契約期間中、運用できるという仕組みです。
もちろんチョンセという仕組みは、不動産価格が上昇し続けているからこそ成り立つシステム。金利が低くなってしまうと、保証金を元手にしても、稼ぐことが難しくなります。オーナーが保証金を用意することができないなどのトラブルが増えているのも事実です。
2019年の韓国の不動産投資市場
韓国での不動産市場はどのような動きを見せているのでしょうか?最新情報をお伝えします。
アパートの平均売買価格の下落
2019年4月には、アパートの平均売買価格が8億ウォン以下に下がります。しかし実際のところ、不動産市場が衰退しているわけではありません。2017年4月でのアパート平均売買価格は5億6千万ウォンとなっています。この2年間でも、約40%も上昇しているのです。
こうしたことから、ソウルの30代人口が減少しており、新婚夫婦のソウル離れが加速しています。不動産価格が上昇し続ける一方で、需要がある30代人口が、ソウルで減少している事実は気になります。
不動産信託会社の営業利益は好調
不動産市場が低迷している中で、不動産信託会社の営業実績は好調です。大手の各社はすべて200億ウォン以上の黒字を見せています。
政府は大規模地域開発事業を計画しており、開発金融の需要の拡大や開発が進歩していく予測をしています。信託会社の競争は激化していく見込みですが、依然として営業利益は好調となっているのです。
堅実な投資が求められる韓国
韓国独自のチョンセという慣習や物件不足などの現状から、オーナーが強いことが韓国の不動産投資のポイントです。
しかし、金利が下がっていることやチョンセによるトラブルが発生していることから、堅実な投資が求められていくことでしょう。