不動産を相続すると、何から手を付けてよいのか分からなくなります。税金がかかることは分かっていても、計算をする方法や、節税できるのかなどと疑問に思う点がたくさん出てきます。この記事では、不動産を相続した際の税金や節税方法などを解説します。
「相続税」とはどのような税金か?
相続税とは、人が死亡した時に財産が移転される際の税金です。
富の再配分という思想の元、貧富の差を緩和させるための政策の1つです。
すべての人が課税対象ではなく、控除もあります。
課税されるものを把握しておくことで、支払うべき相続税を計算することが可能です。
相続税がかかるケースと計算方法
基礎控除範囲内であれば税金を支払う必要がありません。
もし、相続税申告の対象でないならば、申告書を提出することも必要なくなります。
そのため、相続税がかかるケースや計算方法を理解しておく必要があるのです。
相続税がかかるケース
既述しましたが、遺産には基礎控除額があります。
基礎控除額以下であるならば、相続税もかかりません。
もし、相続した財産が基礎控除額を超えたなら、超えた金額に課税されます。
相続税がかかる対象には、財産になるものが含まれます。
現金、預金、不動産をはじめ、貴金属や骨とう品なども課税対象となるのです。
これには名義に関係なく、誰が財産を手に入れたり管理をしていたかに基づいて判断されます。
相続税の計算方法
基本的な相続税の計算方法は以下の通りです。
相続税額=(すべての相続財産額-基礎控除額)×相続税率
不動産に限定して、相続税を計算するとすると、不動産の評価額を算出することが必要です。
土地の評価額を算出するには、2つの方法があります。
路線価が定められているなら「路線価方式」、何も定められていない土地では「倍率方式」が採用されます。
一般的な土地の評価額は、路線価方式か倍率方式で算出された金額の80%程度になることが多いです。
「路線価方式」
市街地の土地などで、面する道路に定められた価値を元にします。
さらに、特殊な土地には、補正が行われてから土地の評価額が算出されるのです。
「倍率方式」
土地の評価額を算出します。
土地の評価額は、固定資産税評価額に地域ごとの倍率をかけた額です。
3年ごとに固定資産税評価額が算出され、また倍率も国税局長によって毎年定められます。
上記の方法によって、土地の評価額を算出し、基礎控除額と合わせて計算します。
基礎控除額は法定相続人の人数によって変動します。
基礎控除額の計算方法は、以下の通りです。
基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の数
まず不動産の評価額を算出し、上記の基礎控除額との差し引きをして、基礎控除額内に収まっているのか確認しましょう。
相続税を節税する方法
相続税はいくつかの方法を組み合わせることで、節税することができます。
その方法を見ていきましょう。
控除を利用する
既述した基礎控除の他にも、控除が利用できます。
控除できるものには、以下のものがあります。
「贈与税額控除」
相続発生から、3年以内に贈与財産を受け取った場合に、贈与税を相続性から引くことができる制度です。
「配偶者控除」
配偶者は最大で、1億6000万円もしくは、法定相続分のうちで多い金額が相続税がかからなくなる制度です。
「未成年者控除」
法定相続人が未成年の場合に、一定額を相続税額から控除できます。
満20歳になるまでの年数かける10万円が控除額となります。
「障害者控除」
障害がある法定相続人が遺産を相続すると、一定額を控除できます。
一般障害者か、特別障害者かに分かれています。
「相次相続控除」
10年以内に2回相続が発生した場合に利用できる制度です。
過去に支払った相続税から控除可能です。
生前贈与する
生前贈与することも、相続税を減らすことができる方法です。
短期間で贈与できるので、手続きの手間を軽減することにもなります。
もちろん所有者が生きている間に譲渡するので、いつどのようなタイミングで贈与するのか見当する必要があるでしょう。
不動産に関わる相続税を正しく理解して節税を!
不動産を相続する際には、相続税がかかります。
しかし、相続税について理解しておくなら、どのようなケースで課税されるのか判断できるでしょう。
生前贈与などは、前もって誰に贈与するのか考える必要があります。
不動産を相続する際の税金を考慮して、どのように相続するのか検討してみることをおすすめします。