ベトナムは経済成長が進んでおり、不動産投資先としても注目されています。アジアの中では、不動産の価格は安く、しかし2012年以降不動産価格も上昇傾向があるからです。では2019年のベトナムの不動産投資状況はどのように変化しているでしょうか?この記事では、ベトナムでの2018年から2019年にかけての不動産投資の流れを解説していきます。
【2019年】ベトナムの不動産投資市場は?
2019年に入っても、ベトナムの不動産投資市場は成長していると言えるでしょう。ベトナムのGDP成長率は上昇し続けており、2018年から2019年にかけても成長しています。
日本貿易振興機構が発表しているデータでも、2019年上半期の実質GDP成長率は前年比で6.8%となっています。2018年上半期の成長率である7.1%よりは低いですが、2011年以降では2番目に高い成長率です。
また海外投資実行額も上昇しており、2018年にベトナムで行われた海外直接投資(FDI)は前年比9.1%増加の約2兆600億円に達します。2019年1月から5月のデータでも、不動産分野での投資は11億ドルと上昇傾向です。
市場は土地購入の動き
ベトナムでの不動産投資は、2017年に勢いが落ちましたが、2018年も取引が活発に行われました。特にベトナム人による投資は拡大傾向にあります。高層の建築物よりも、戸建てや土地に動きが移行しています。
これには、高層ビルでの火災を懸念することや、中心地の物件価格が上昇したことも関係しているのです。富裕層だけでなく、中間層も不動産投資をしていることから、積極的に売買されているのは周辺地になっています。
ベトナムの不動産投資のメリット
ベトナムでの不動産投資のメリットを見ていきましょう。主に考えられるのは、成長が進んでいることや2015年に外国人が不動産取得できるようになったことが大きいです。
成長が進んでいるベトナム
経済成長が進んでいるベトナムでは、これからの成長が見込まれています。不動産の分野では、2011年に落ち込みましたが、その後は上昇傾向があります。2015年のデータになりますが、ベトナムでの不動産価格は、20年間で2.6倍に上昇しており、今後も成長することが期待されています。
最貧国から中所得国へと変化しており、その後も成長していることは、不動産投資先として期待されています。記述したGDPやFDIのデータも前年よりも成長していることから、経済成長は今後も続くことが予想されるでしょう。ただし政策による鈍化には注意が必要です。この点は、下の見出しで解説いたします。
外国人も不動産取得可能
2015年に外国人も不動産を取得することが可能となりました。ベトナムの不動産市場に外国人も参入できるようになって約4年ですが、物件価格は東南アジアの他国と比べると、格安とも言えるものです。
ベトナムのホーチミンでの高級物件は東京の10分の1程度で、マレーシアやタイなどの国と比較をしても半分程度です。不動産投資をしやすい価格なのも、ベトナムで不動産投資をするメリットになるでしょう。平均年齢が若く、今後の成長が見込まれる国で不動産投資をするメリットを選択する方が多いのです。
ベトナムで不動産投資する注意点
ベトナムで不動産投資をする際の注意点も見ていきましょう。2019年の不動産市場の変化における注意点も解説します。
市場の鈍化に要注意
全体をしては、ベトナムの不動産市場は成長することが予想されますが、市場が鈍化することには注意が必要です。市場の鈍化になぜ注意する必要があるかというと、2017年から急激に不動産価格が上昇していること、またホーチミン市中心地での新規プロジェクトの高さ制限、さらに高層ビルでの火災事故などの要素があるからです。
新規のプロジェクトが見合されているケースもありますので、どこで何を狙って不動産を購入するのか見極める必要があるでしょう。こうした状況から、転売できる物件が今後注目を集めることが予想されます。新規のプロジェクトが今後どのような動きを見せるのか、また政策がどのように変化するのか注目です。
外国人が物件取得する際の制限に注意
外国人がベトナムで不動産投資をする際には、いくつかの注意点があります。例えば、コンドミニアムであれば、1棟につき全戸数の30%まで保有が認められています。もし戸建ての場合であれば、1街区に250戸までという制限もあるので注意が必要です。
またベトナムでの不動産の所有権は、50年に限定されています。1回は更新できるので、最大で100年の所有権です。また中古物件は基本的に購入できないというのも制限となります。外国人が不動産を取得するには、上記のような制限があるので注意しましょう。
ベトナムの不動産投資には落とし穴に気を付ける
ベトナムでの不動産投資は、成長が見込まれている市場とは言っても注意が必要です。急激な価格上昇から市場が鈍化したり、外国人が物件を購入するにあたっての制限があります。どのような物件なのかに注意したり、現地の最新情報を取り入れ続けることで、リスクの少ない不動産投資ができるでしょう。