不動産投資とは、マンションや一戸建てなどの不動産を購入し、賃貸したり売却したりすることにより利益を上げようとするものです。
平均寿命が長くなることで、年金だけでは老後の生活費や医療費が賄えない恐れがあることやデフレ対策として近年、投資が注目されています。
数ある投資の中でも、不動産投資はローリスクであるために、投資入門者に注目されています。
1.不動産投資とは?
①ほかの投資と比べた時の不動産投資のメリットは
不動産投資は、ほかの投資と比べたとき、次のような特徴があります。
・長期間に渡る安定した収益が期待できる
投資の中には、景気が悪くなると損失がでるなどの「外部要因」の影響を受けるものがあります。
株式投資は、景気が悪くなると投資した会社の株価が下がり、損失が出ますし、金(きん)や為替なども円相場の動向により価格が左右されます。
事業用の不動産投資の場合は景気の影響を受けやすいですが、居住用の建物に投資を行う場合は景気に左右されにくくなっています。
家に住まうということは、景気とは関係なく行う行為だからです。
家賃が急に値下がりしないのも安定していると言われる理由です。
「値下がり」しないことも、不動産投資の特徴です。
バブル崩壊で土地の値段は大きく下がりましたが、家賃はバブル期の半分になることはありませんでした。
このことからも不動産投資は「ローリスク・ロングリターン」であると言えます。
・自分の判断で投資効率を上げられる
不動産による利益の出し方は2種類あります。
1つ目は「インカムゲイン」。
マンションや一戸建て住宅を賃貸出すことで得る、賃料収入のことです。
株式投資なら配当に値します。
2つ目は「キャピタルゲイン」です。
買った時の価格と売った時の価格の差で得る利益のことです。
この2つの関係をうまくコントロールすることで最終的に利益を得るのが不動産投資です。
いつのタイミングで、いくらの値を付けて売るかにより投資効率が変わってくるのです。
・投資資金の融資が受けやすい
不動産投資は、お金を借り入れて投資することができるのも特徴の1つです。
不動産投資の場合、購入する不動産がそのまま「担保価値のある資産」になるので、金融機関はリスクが小さいと判断します。
年齢や年収の要件はありますが、融資は通りやすくなり、少ない自己資金で投資が始められます。
②投資用不動産の種類は
不動産投資の種類は以前に比べて増えています。
これは時代とともに融資の仕組みや商品が変わってきて、一般の方にも不動産投資を行いやすくなったことを意味します。
・現物不動産投資
一般に不動産投資といえば、この現物不動産投資のことをいいます。
現物不動産投資とは、実際にアパートやマンション、オフィスビルなどを購入し、そこで暮らす人やビルに入っているテナントから賃料収入を得るというものです。
・小口化不動産投資
不動産投資には多額の資金が必要ですが、それを抑え、投資しやすくしたのが小口化不動産投資です。
複数の投資家から不動産会社などが資金を集め不動産を購入し、管理します。
収益がでたら、出資した投資家に分配を行います。
・証券化不動産投資
小口化不動産投資と仕組みは同じですが、証券として保有すること、小口化不動産投資より小額で投資が可能となります。
管理が不要ですが、必ずしも配当金が出るとは限りません。
株式投資と似た感覚で投資を行います。
2.不動産投資の一連の流れ
不動産投資のやり方は様々ですが、ここでは、一般的な不動産投資の流れについて説明します。
①物件探し
投資対象となる物件を探します。
最近ではウェブサイトで全国の物件をチェックすることができるので、ある程度候補を絞って不動産会社に行く人が大半です。
希望条件を投資専門のポータルサイトや不動産会社のウェブサイト上で登録しておくのもよいでしょう。
マッチングしたらメールがくるので、探す手間が省けます。
②分析を行う
物件に目ぼしを付けたら分析を行いましょう。
その物件に投資してどれくらいの収益を上げることができそうか分析します。
キャッシュフローを詳しく描けることが投資を成功に導きます。
分析には税務、金融、市場動向などの幅広い知識が必要です。
資金計画から最終的にその物件をどう売却するかを考えます。
③物件を購入する
投資先が決まれば、契約を締結して不動産を取得します。
契約前には重要事項説明が行われますので、物件や周辺環境の状況を書面で確認しましょう。
民法、宅建業法などの法律が絡んできますので、ある程度の法律知識があるとよいでしょう。
④管理運営を行う
不動産投資は大家さんの経営の手腕が大きく問われ、経営手法によって利益も異なってきます。
客付けの方法によって、空室期間を少なくすることができますし、リフォームに掛ける費用によって、収益が変わってきます。
不動産経営に関する全権は大家さんにあります。
かといって、全て自分で管理運営するのではなく、相性のよい管理会社を見つけうまく利用しましょう。
⑤物件を売却する
不動産投資で一番大事ともいえるのが出口戦略です。
出口戦略は売却するだけではありません。
建て替える、相続する、更地にして貸す、宅地として分譲するなどの方法があります。
不動産投資で大事なことは、購入する前から出口戦略を考えておくことです。
入門者の人は、「資金面」「物件管理」「入居者募集」の3つが容易な物件をファースト投資物件として選ぶべきです。
資金面でキャピタルゲインを、管理と募集でインカムゲインを健全にできるからです。
3.任意売却物件や競売について
不動産を安く購入し投資を行いたいという人に向いているのが、任意売却物件や競売物件です。
任意売却物件とは住宅ローンの返済ができなくなり、債務の返済に充てるため売却する物件のことです。
いっぽう、競売物件とは、債務の返済ができなくなった債務者の担保である不動産を裁判所が差し押さえてオークションにかけた物件のことです。
①競売物件は入門者に向かない
競売は、落札代金を裁判所に全額納付するまでは家屋内に入れないことや、複雑な権利関係が潜んでいる場合が多くあります。
また、事故物件として世間に認識されがちで、せっかく安く購入しても不動産の市場価値が下がり、キャピタルゲインの値が期待よりも下がるケースも少なくありません。
そのため、入門者にはあまりおすすめできません。
②任意売却物件を見つけるのは難しい
いっぽう、任意売却物件は、競売のように官報に掲載されないので、事故物件扱いされることもほとんどありません。
また、任意売却物件を手に入れるには、不動産仲介会社が介入しますので、リスクも軽減されます。
不動産投資の対象として、任意売却物件を探すためには、不動産会社との情報交換が必要になります。
売り主、買主の希望額の折り合いがつけば契約となりますが、ほとんどの場合、一般の物件に比べて安く購入できますので、不動産投資で確実に収益を上げることができます。
不動産会社が仲介に入るので、入門者にもおすすめですが、任意売却物件は常に出るわけでありませんので、不動産会社といかに「つながり」を持つかが成功のカギとなります。
4.まとめ
不動産投資によってもたらされる収入は不労所得であり、しかも、長期に渡り安定した収入が得られることが特徴です。
人生100年時代を迎え、老後の資金調達が年金だけで賄えない昨今、「ローリスク・ロングリターン」の不動産投資をそろそろ初めてはいかがでしょうか。