1.不動産を使った資産運用の基本は賃貸経営
資産運用の1つである不動産投資は、基本的には賃貸経営によって家賃収入を得ることです。
これから値上がりが予想される土地や、その土地の上の建物を購入し、値上がりしたタイミングで売却して利益を出す方法もありますが、これから不動産の資産運用を始めたいと思っている方にはあまりおすすめしません。
それは、値上がりするかどうかの見極めが難しく、また高い確率で値上がりする土地や建物は多くの資産を持つ投資家が先に買い占めていることが多いからです。
そのため不動産を使った資産運用では、賃貸経営を行うことだと思ってください。
2.資産運用で不動産投資を選ぶ5つの魅力
定期預金や株式投資、最近では仮想通貨投資など資産運用の方法は様々です。その中から不動産投資を選ぶ魅力についてお伝えします。
①リスクとリターンのバランスがちょうどいい
定期預金は元本割れする心配がありませんが、リターンとなる金利が安いです。年間で0.01%程度しかありません。また急激な価値の低下が考えにくい債権への投資も、利回りが低くほとんどないに等しいです。
「銀行に預けるよりまし」程度です。
また一方で、株式投資やFX、仮想通貨は値動きが大きく、仮想通貨にいたっては1年間で1億円の資産を築いた方も現れました。
しかしそれだけ値動きが大きいということは同時に、損をしたり、レバレッジを活用していた場合は借金を生み出したりしてしまうリスクも高いです。
その点、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンです。株式投資などの金融商品よりも値動きは小さく安定して、利回りは定期預金の比ではありません。
②資産運用を委託できる
賃貸経営では、資産価値を維持するために、そして長く住みやすい環境にするために物件の管理や修繕を行わなければなりませんし、安定した家賃収入を得るためには高い入居率を維持するための客付けや入居者からのクレーム対応なども大切です。
これらをすべてご自身でやられるとあれば非常に大変です。会社員として仕事をしながら不動産の賃貸経営となると現実的ではありません。
ですが実際は、賃貸経営は管理会社に委託することができます。入居者の審査など簡単な事務手続きの対応を行うだけです。
管理を委託するので、トラブルがあっても管理会社が対応します。そのため日中忙しいとしても適切な対応を取れます。
③融資の審査が通りやすい
資産運用ではどれだけ多くの資金を運用できるかがポイントになります。2,000万円を月利4%で運用すれば80万円ですが、100万円では4万円です。
同じ4%でも利益額は76万円も差があります。資産運用では、資金がある方が有利になります。
ですがなかなか資産運用に使えるお金を2,000万円も貯めることは難しいでしょう。そこで融資を活用します。
不動産には担保価値があるので、購入する不動産を担保にいれることで大きな金額を融資してもらえます。
頭金なしのフルローンでも、家賃収入をしっかりと得られるように運用できれば、資産運用のための初期資金を貯めるというところを省けます。
これは他の資産運用にはない不動産投資の魅力です。
④生命保険の代わりになる
不動産を購入するときには「団体信用生命保険」に加入することが義務付けられています。そして万が一契約者がローンの返済中になくなると、この生命保険から残りのローンが支払われる仕組みです。
つまり、家族を残して亡くなったとしてもローンが残ることはありません。むしろローンを返済し終わった不動産が残るので、亡くなったあとは毎月家賃収入が振り込まれることになります。
他の資産運用ではそもそも融資を受けて行うことがほとんどなく、仮に借金して金融商品に投資していたとするとその返済義務は相続されることになるので、生命保険の代わりにもなる資産運用は不動産投資独特の特徴です。
⑤相続税対策になる
現金や、債権・株式のような有価証券は時価がそのまま相続財産の金額に加算されます。しかし不動産の場合は、建物は固定資産税評価額が用いられ、土地は原則路線価方式で算出された金額で評価されます。
これは時価とは異なるもので、建物は建築費用の50%程度、土地は80%程度になります。さらに賃貸経営している不動産であれば相続税評価額はさらに下がるので、その分相続税を節税することができます。
3.資産運用で不動産投資を選ぶ4つのリスク
ここまで不動産投資を選ぶ魅力についてお伝えしましたが、当然リスクもあります。
①金利の上昇リスク
不動産投資用ローンも今は低金利が続いていますが、将来的には金利が上昇する可能性があります。現在の金利がずっと続くと思って、それを基準に融資の返済計画や投資計画を建てていると、金利が上がったときに対応が難しくなります。
金利の上下は私達にコントロールできる部分ではないので、不動産投資を進めるときは金利上昇まで加味した、無理のなり計画を立てるようにすることが大切です。
②即金性が低い
なにか突発的な出来事があり、急にお金が必要になったとき不動産はすぐに現金にできません。
定期預金であれば引き出せば済みますし、株式や外国為替も保有しているものをすぐに売却すれば遅くても翌日には現金として利用できる形になります。
しかし不動産は売りたいと思ってすぐに売れるわけではありません。急ぎで必要ということであれば不動産の買取を選ぶ選択肢もありますが、買取価格は通常の売却よりも60~80%程度にまで落ちてしまいます。
万が一のときのために、不動産投資とは別に200万円程度は現金で持っていたほうが安心です。
③空室リスク
不動産投資の高い利回りは、あくまでも満室が続いたときの利回りです。実際には入居者が集まらないこともありますし、入居者が退去後、空室が続いてしまうこともあります。
その間、家賃収入はないので、ローンの返済がある場合はマイナスが続くことになります。
空室が出たときにすぐに客付けができる集客力を身につける、またはそうした管理会社へ委託することがポイントです。
最近は家賃保証を行う不動産会社もありますので、空室リスクが怖い場合は話を聞いてみてもいいでしょう。
④天災・倒壊リスク
日本は地震大国です。最近も長野で震度5強の地震があったことは覚えていると思います。それだけ地震があるということは、まだ新しかったとしても建物が壊れる可能性があるということです。
耐震構造は満たしているから問題ないと思っても、周りの建物の倒壊から派生して、投資している物件に被害が出ることもあります。
その他、台風や津波、大雪などの自然災害、火事のような人為的災害もあり、注意しても避けられないことがほとんどで、他の資産運用には見られない不動産投資のリスクです。
4.不動産投資で資産形成を実現するためのポイント3つ
最期に不動産投資で資産形成を達成するためのポイントをお伝えします。
①物件選び
不動産投資で最も重要なことは、空室になりにくい物件を選ぶことです。もちろん空室が多い物件を企画力によって満室物件にされる方もいらっしゃいますが、不動産投資を始めてすぐの頃は難しいでしょう。
企画力もいらないような、最初から人気の物件を入念な調査によって見つけて購入することが大切になります。
②綿密なシミュレーション
そして、購入した物件が空室になりにくいとしても、支出と収入をシミュレーションします。不動産投資ではローンの支払い以外にも、修繕積立金や委託している管理会社への管理費なども必要です。
賃貸経営で実際に支払うことになる毎月の費用と、家賃収入をシミュレーションして安定して利回りが出せそうだという確認も物件の購入前に行います。
③信頼できる管理会社
物件の管理会社に管理を委託する場合、建物の資産価値を維持し、高い入居率を維持するためには管理会社の対応が重要です。
修繕箇所を見つけてもすぐに対応しない、入居者からのクレームは放ったらかし。退去があったあとの客付けが遅い。そのような管理会社に管理を任せてしまうと、どれだけいい物件を見つけたとしても利益が出せません。
物件選びで一段落するのではなく、管理会社選びも気を抜かないようにしましょう。
5.まとめ
他の資産運用と比較した不動産投資の魅力とリスクについて解説しました。リターンとリスクのバランスを考えても、不動産投資を始めることはおすすめです。
ただし闇雲に始めても残るのはローンの支払だけという状況にもなりかねません。必ず不動産投資に関する勉強はご自身でして、始めるようにしてください。
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不動産投資と聞いて、安全で大きな失敗は無いと思っている方もおられると思います。もちろんしっかり研究をして念には念を入れ、細心の注意で物件選びをすればリスクを抑える事はできます。それでも投資の世界では、