賃貸経営をしていると、家賃滞納のリスクがあります。家賃滞納されてしまうと家賃収入が得られるずにローンの返済は必要になりますし、滞納された家賃の回収に労力や時間が費やされます。
家賃滞納者がいるなら、どのように対処すべきでしょうか?今回は、家賃滞納を未然に防ぐための方法もご紹介します。
賃貸経営では家賃滞納は一定のリスク
入居者が滞納をすることはほとんどないと思っている方もおられるでしょう。しかし全体の約6%の割合で家賃滞納が起きています。
様々な理由があり、予測不能な事態によって家賃滞納につながってしまうことがあるのです。理由を理解しておくことで、滞納を防ぐことができます。
賃貸経営で滞納による影響
家賃滞納が起きてしまうと、まず家賃収入が得られずに賃貸経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。空室が発生するとすぐに入居者を募集して、新しい入居者を探せます。
しかし家賃滞納されたからといって、すぐに退去してもらうことはできません。さらに家賃の支払いの督促をしても、すぐに不払い分の家賃を支払ってもらえるというわけでもないからです。
滞納者から集金を試みている間も、ローンの返済や必要経費などの支出は続きます。予定しているように資金が運用できなくなる危険性があるので、大きな影響が生じます。
滞納が起きる理由
滞納が起きてしまうのには、複数の理由が考えられます。ただ忘れていたとか、旅行や仕事などで支払うことができなかったなどもあるでしょう。さらに病気やケガなどの予測不能な事態が発生したことも考えられます。
滞納が起きてしまうケースのほとんどで、月末には支払いができていることがほとんどです。月末での滞納率は約2%、さらに月末で2か月以上の滞納は約1%にまで下がっているからです。
しかし逆に言うと、100人中1人は2か月以上にわたって滞納する可能性があるとも言えます。
家賃滞納者への対応方法
家賃滞納者への対応方法を見ていきましょう。一時的に忘れているだけなのか、それとも悪質な滞納者なのかによっても対応方法が変わってくるでしょう。
交渉する
穏便に解決して、家賃を回収する方法として交渉があります。家賃の支払いが数日遅れている程度なら、確認してみるだけですぐに支払ってもらえることもあるでしょう。
既に支払っていると勘違いしていたり、ただ忘れていたりという可能性もあります。後のトラブルを回避するためにも、交渉をしてみることは大切です。
もちろん、家賃を支払うつもりが全くないなどの、悪質な滞納の場合には交渉を飛ばして訴訟に移る方がよいケースもあります。
支払い督促・少額訴訟
滞納された家賃を回収するために行える手続きに、支払い督促と少額訴訟があります。
支払い督促は、裁判所へ申し立てを行い、裁判所から借主へ督促の通知を送ります。2回の督促の後でも支払いや行動がない場合には、仮執行宣言付き支払い督促が取得可能です。
少額訴訟は60万円以下の支払いを請求する際に、原則1回の期日で結審する手続きです。勝訴すると、仮執行宣言がつくので、強制執行の根拠である債務名義がつきます。
簡単に訴訟を起こせたり、時間や費用がかからないのが特徴です。
明渡請求訴訟
家賃を支払ってもらってから、退去してもらいたいときは民事訴訟での明渡請求訴訟を行います。建物を明け渡してもらうための訴訟で、未納家賃分も請求できます。
しかし民事訴訟として地方裁判所へ提起し、裁判の手続きになるので法的知識が求められることが懸念点です。弁護士に依頼して手続きを進めることとなるでしょう。
家賃滞納の時効について
家賃滞納にも時効が存在しているので、数か月に上って滞納されておりまとまった金額の未納金があるならすぐに対処しましょう。家賃は5年の消滅時効があります。また時効は支払い督促や裁判を行うと中断します。
もちろん滞納された未納家賃は早急に対処すべきですが、借主が知り合いなのであれば相手の状況を考慮できるかもしれません。さらに借主が亡くなってしまっている場合には、遺族への請求のタイミングも考慮できるでしょう。
5年という時効はありますが、できる限り早急な対応が求められます。
まとめ
家賃滞納をされてしまうと、賃貸経営に大きな影響を与えることとなります。出来る限り早急に対応して未納家賃の回収に努めましょう。
しかし借主や知人などであれば、どのタイミングでどのような対応をするのか検討しておくことをおすすめします。