マンションを購入するときには、ローンで借入をして長期間にわたって返済をすることでしょう。その場合、資金計画は非常に重要になります。特に購入に際して、頭金をどのくらい用意すべきなのか気になることでしょう。
そこで今回は、マンション購入の頭金の目安や頭金を用意するときに注意したい点をご紹介します。
頭金が必要になる理由
マンション購入でローンを組むことがほとんどですが、頭金を用意することで金融機関からの審査が有利になることがあります。結論から言うと、頭金を用意できる人ほど、計画的に資金計画ができる人であるという印象を与えることができるからです。
頭金を少しも用意できていない人よりも、すでに頭金がある人の方が安定して返済してもらえると判断されるのも理解できるでしょう。
別の点として金利の影響があります。借入額によって金利が変わることがあるからです。融資率によって金利の範囲が変わることがあるので、より有利に借り入れできる可能性があります。
次の見出しから、さらに詳しく見ていきましょう。
頭金の目安は2割?
頭金の目安となるのは、物件価格の2割程度というのが定説となってきました。2割の頭金があるとすると、残りの8割は借入で用意することになります。2割の頭金というのは定説だけでなく、実際に利用している人のデータからも裏付けできます。
例えば、2018年のフラット35の利用者の調査では、注文住宅の平均頭金は19.4%です。その他のマンションや建売住宅では、平均値が異なりますが、おおよそ10%から20%の間の数値になっています。
どの程度頭金を用意するのかは、どのような不動産を購入するのかによっても変わりますが、平均値としては10%から20%と覚えておくと良いでしょう。もちろん借入金が少なければ少ないほど、利子も少なくなりますので、総返済額が減少します。
金利が影響している
頭金の目安を決めるのに参考にできる点として、借入金額によって金利が変わるということがあります。頭金が多く用意でき、借入金額を減少させることで、金利が有利になるのです。
例えば、フラット35の場合には、融資率が9割以下の場合に多い金利として1.30%です。これが9割を超える場合には、最も多い金利として1.56%というデータがあります。細かな金利の差を思うかもしれませんが、金利が1.2倍も高くなり、全体の総返済が多くなります。
頭金なしで購入する場合もある
頭金を準備せずにマンションを購入するパターンもあります。物件価格の100%をローンとして、融資してくれる場合もあるのです。マイナス金利政策や金融機関の競争などが原因となって頭金なしでも借入できます。
頭金の支払いによって生活が困るよりも、借入できるのであれば資金を残すことができるかもしれません。リスクがある支払いよりも、借入する方が得策となることもあります。
頭金を考慮する上での注意点
頭金を支払う前に考慮したいポイントを見ていきましょう。
頭金を用意する時期
頭金を支払うタイミングですが、申し込みの段階で10万円程度が必要になることがあります。その後に手付金で、契約金額の5%から10%を支払うことになります。
実際に物件を引き渡すときに、残りの頭金を支払うのです。
残りの貯蓄とのバランス
マイホームを購入するときには、その他の資金が必要になるケースがあります。例えば、引っ越しをして家具を購入したり、家電を購入したりすることです。その他の生活用品を購入することも考えなければいけないでしょう。
頭金を支払って低い金利になったとしても、手元に資金が残らないのでは本末転倒でしょう。家計の貯蓄とのバランスが必要です。
その他にかかる諸費用
頭金を支払っても、後に契約から引き渡しには諸費用がかかります。手付金だけでなく、仲介手数料や印紙税などです。
全体で支払う目安として、新築の場合に価格の3%から5%ほど、中古の場合に6%から8%の費用がかかります。
頭金をゼロにしておくリスク
頭金なしで借入することを決定したときには、そのリスクも考える必要があるでしょう。借入金が増えることで返済額が増えること、また利息負担が増えることも考えなければいけません。
頭金なしで購入したときに万が一ローンが返済できなかったときに、マンションを売却してもローンの残高の支払額に達しないこともリスクです。
リスクも考慮して頭金の準備を
マンションの購入を考えているなら、頭金をどこまで用意するのかは判断に迷うものです。
目安として、10%から20%というデータがありますが、自身の貯蓄とのバランスやリスクも考慮しながら、頭金の額を決定することをおすすめします。