不動産投資を始めるにあたって、不動産投資ローンを考慮することでしょう。不動産価格に合わせてどのくらいまで融資してもらえるのか、住宅ローンとの違いに戸惑うこともあります。
収益にも大きく影響を与える不動産投資ローンとは、どのようなものでしょうか?本記事では、その詳細や借入前の注意点を詳しく解説いたします。
不動産投資ローンと住宅ローンの違い
まず初めに、不動産投資ローンと住宅ローンの違いを見ていきましょう。複数の項目において、違いがあることが分かります。
次の見出しから項目別にご説明いたします。
借入目的が異なる
大きな点として、借入目的が異なります。何のためにローンを利用するかという点です。
住宅ローンは自宅として居住する物件を購入する際に利用するローンです。それに対して、不動産投資ローンは購入した物件を賃貸として貸し出し、収入を得ることが目的です。
融資額が異なる
住宅ローンに比べると、不動産投資ローンの方が融資額が大きくなります。これは住宅ローンの場合には、本人の収入のみが返済に充てられますが、不動産投資においては家賃収入などがあるからです。
一般的には、住宅ローンの場合には年収の5倍から6倍が借入額の目安となっています。しかし、不動産投資ローンの場合には、借主の年収だけでなく家賃収入も加算されるので、年収の10倍から20倍程度が上限額となります。
融資額の上限が、大きく変わるのも違いとなるのです。
金利が異なる
融資の際の金利も不動産投資ローンと住宅ローンとでは異なります。不動産投資ローンの場合には、想定家賃収入がないリスクもあることから、金利が1.5%から4.5%と高めに設定されています。
対して、住宅ローンの場合には給与が返済に充てられるので、リスクが少ないことから0.5%から4.5%低めの金利が設定されています。
また、不動産投資ローンの場合には、安く借りられる変動金利が採用されていることがあります。もちろん変動金利と言っても、いきなり引き上げられるということはありませんので、変動金利と固定金利を比較しておくと良いでしょう。
審査内容の違い
住宅ローンの場合には、年収金額や勤務先、勤続年数など「属性」が重要視されます。審査の際には、これらの点を吟味され融資の可否を決定されるのです。
しかし、不動産投資ローンの場合には、属性だけでなくどのような物件を購入するのかもポイントとなります。属性が良かったとしても、中古物件の場合には融資を受けられないということもあるでしょう。
また、都心でアクセスが良い投資物件の場合には属性が悪くても審査に通るということも考えれます。
審査基準は金融機関によって異なりますが、審査内容が異なるのも特徴です。
不動産投資ローンを利用する注意点
不動産投資ローンを利用する際に注意しておきたいポイントについて見ていきましょう。
ローンのリスクを把握しておく
不動産投資ローンを利用する前には、ある程度のリスク管理が必要となるでしょう。
例えば、空き室になって家賃収入が無くなったケース、所有している不動産が災害で使えなくなる、金利の上昇などの複数のリスクを想定しておきます。
これらのリスクを考慮した上で、どの程度借入をするのか、どんな物件を取得するのかを考えておく必要があります。
融資であることを覚えておく
住宅ローンとの大きな違いの一つに、不動産投資ローンは融資であることです。
つまり、今の収入よりも収益性が安定しているかが重要です。経営としてしっかりとした意識を持つことは、キャッシュフローを考えたり、経費などを含めた利回りを考えるのに大切です。
保険に加入しておく
不動産投資のリスクを減少させるのに、保険に加入することも1つの解決法となります。
団体信用生命保険に加入しているなら、万が一の際でも家族に投資用不動産を残すことが可能です。
また、地震や火災に備えて、保険に加入しておくなら、損害をカバーすることにつながります。
不動産投資ローンの知識を蓄えて賢く使う
不動産投資ローンは住宅ローンとの違いがありますので、どのような注意点があるのかを理解した上で融資を受けることが大切です。
ローンに関する知識を蓄えてリスクの対策をし不動産投資することは、不動産経営の成功につながります。