海外不動産投資を考えているなら、投資先を決めるのは重要なポイントです。ヨーロッパでも経済をリードしている国にドイツがあります。しかし不動産投資先としてのドイツは、大きなメリットがあるとはいいにくいものです。
この記事では、ドイツの2020年の不動産市場の変動について詳しくご紹介します。
【2020年】ドイツの不動産市場
経済も安定した国で、住宅不足に悩まされているほど需要はあるのですが、不動産価格が高くはないという現状があります。しかし住宅価格は上昇しています。感染症の影響で不動産市場に影響が出ることが懸念されていますが、住宅不足というドイツの不動産事情がポイントです。
ドイツの住宅価格は上昇している
ドイツの住宅価格は2010年ごろから上昇しています。特に2016年からは上昇率が高くなっており、賃料上昇が問題化するほどです。ドイツは日本と同じように人口減になっている国ですが、物件価格は上昇しています。
感染症の影響があるとされていますが、不動産市場には大きな影響を与えていないようです。ドイツの経済は大きな打撃を受けたものの、独連銀は不動産価格の急激な修正は起こりそうにないと判断しています。
大きな値下がりはない
ドイツは住宅不足なので、大きな値下がりがないことは特徴となっています。ベルリンでは10年で2倍の家賃になっていますが、生活コストが高くなりすぎていることが問題化。
ベルリン市は市内の賃貸物件を対象に、家賃価格の上昇を禁止する方針を決定し、2020年2月から施行開始されています。家賃抑制策があるので、大きな賃料上昇が見込めませんが今後賃料が大幅に下がる可能性は低いでしょう。
手堅い不動産経営ができる
ドイツの住宅は石やレンガ造りが多く、築200年や300年という家が多くあります。古い物件であればプレミアが付いて、高額な価格で取引されることすらあるのです。
多くの国での住宅は、年数が経過すると価値も下がっていくものです。しかし築年数が経過していっても値下がりを気にしなくてよいのは、手堅い不動産経営で欠かせないポイント。さらに持ち家率が高くないので、賃貸需要が継続してあるので、手堅い経営が見込めます。
ドイツでの不動産投資の注意点
結論からすると、ドイツでの不動産投資の魅力はそれほど多くありません。それも、以下のようなポイントを考慮する必要があるからです。
- エリア選定の難しさ
- 利回りの低さ
- 人口の減少
これらの要素を考えると、ドイツの不動産投資が困難になることが分かります。
投資エリアの選定
ドイツには、大都市がないことからエリア選定が難しくなります。海外不動産投資としては、大都市を選択するのが鉄則です。
しかしドイツでは、複数の町に分散して住んでいる傾向があるので、1つの都市に人口が集まっていることがありません。そもそも大都市がないのは、エリア選定を難しくさせる要因です。
利回りの低さ
ドイツで投資をしても、表面利回りが3.5%ほどという低さです。税金や手数料などを含まると実質利回りはさらに低くなります。他の国での不動産投資なら、実質利回りでも4%ほどになることから、比較したときに魅力が薄くなります。
既述のエリア選定の難しさと相まって、投資先としてドイツを選ぶメリットが少なくなる原因です。
人口が減少している
ドイツは人口が減少している国で、高齢化と出生率の低下に悩まされています。働き手が不足しているので、外国人労働者を受け入れて、労働力不足を補おうとしています。
ドイツの人口自体が減少していることは、空き家問題が発生する要因です。人口減少と共に住宅価格は上昇していて賃貸物件は少なくなっており、庶民の住宅が不足しているのは懸念点となります。
まとめ
ドイツは住宅の需要は多いのですが、利回りが低かったり、エリアの選定が難しいなど、投資先としての魅力は低い国です。もちろん住宅価格が上昇していたり、不動産の価値が変わりにくいことは手堅い経営を目指す上でメリットとなります。ドイツを投資先として選ぶのであれば、慎重に物件選びをすべきでしょう。