東京オリンピックなどの需要がもあり、不動産の価格が上昇しているという話を耳にすることもあります。不動産投資をするのであれば、どのような価格推移になっているのか、また不動産投資をする良いタイミングはいつなのか気になることでしょう。
今回は、不動産の価格推移の概要と今後の予想を見ていきます。
都市や住宅地における価格推移
まず、都市や住宅地における価格推移を見ていきましょう。インバウンドのニーズが高まるにつれて、都市部では土地価格が高くなっています。
その反面、住宅地に目を移すと、少子化などから価格が落ちています。
都市は価格が高騰している
国土交通省が発表している「主な都市における商業地の『最高』価格の推移」を見ていくと、昭和61年から平成3年までがバブルになっています。バブルが崩壊すると、一気に価格が下がっていますが、リーマンショックのときにはバブル期の水準まで取り戻しています。
平成20年のリーマンショックで土地価格が下がっていますが、平成28年頃にはリーマンショック時まで取り戻し、その後は地価が上昇し続けているのです。
地価公示の変動率を見ても、商業地では変動率が4.7になっているので、高くなっていることが分かります。都市部や商業地域を中心として、土地の価格が上昇傾向にあるのです。
住宅地はバブルより低い
土地全体の価格が上昇しているかというと、住宅地はそうではありません。バブル期には、大都市でも住宅地でも土地の値段が上がっていったのですが、バブルがはじけると大都市と住宅地で地価の変化に違いが生じるようになります。
「主な都市における住宅地の『平均』価格の推移」を見てみると、バブルが崩壊してから、一定の価格をキープしていることが分かります。最高で東京の住宅地で140万円までになりますが、その後、43万円ほどまで下がっているのです。
リーマンショックの際に、土地の平均価格が最高で57.9万円まで上がっているのですが、都市部ほど地価が上がっていません。地価公示の変動率は三大都市の平均でも1になっているので、大きな変化は見られていないことは明らかです。
オリンピック後の不動産の価格推移
東京オリンピックが開催されたとして、その後不動産価格はどのように変化していくのでしょうか?ポイントとなる点をご紹介します。
人口減少による影響
人口が減り続けているという問題は、除外視できないでしょう。人口減少は東京を除いて進みつつある問題で、その結果、空家問題が深刻になっています。
東京の場合には、人口が集中する傾向があるので、人口減少の影響を受けない可能性が高いでしょう。しかし地方になると、大打撃を受けているのです。
全体として世帯数が減っているので、需要が少なくなっているのです。世帯数が増えないことには、不動産の需要が増えることはありません。特に地方での影響は大きいので、どのように不動産投資をするのか考える必要があるでしょう。
もちろん地方都市でも需要がある地域はありますが、世帯数が減少している影響は少なからず受けるのです。
オリンピックが開催されれば価格が向上する可能性もあった
2020年のオリンピックまでは大きな需要があり、その後土地の価格が下落するという見方をしている人もいます。しかしロンドンのようにオリンピック後に土地の価格が上昇し続けるというパターンもあります。インバウンド効果によって、地価の上下に影響を与える可能性があるのです。
オリンピックの開催だけでなく、世界的なコロナウイルスによる経済の影響も大きいでしょう。今後の進展に注目する必要はありますが、経済が停滞すると不動産価格にも影響が及びます。
価格が安くなれば購入しやすいとも言えますが、需要の見極めがポイントとなるでしょう。
東京再開発の需要増
東京都心では、複数のエリアで再開発が行われています。オリンピック後には投資不動産の利益確定売りが始まることから、不動産市場が冷え込むことが予想されています。
しかし、都内での再開発があるエリアでは、賃貸需要が向上することでしょう。
まとめ
不動産価格の推移を見ていくと、都市部と住宅地で値段の動きが異なることが分かります。
延期されたオリンピックが不動産市場のピークになることが予想されていますが、都心部では再開発などから賃貸需要が増すこともあるでしょう。