住宅設備保証の背景や仕組み
住宅設備保証は、住宅を購入した後に設備などが故障した際に、修繕や検査費用を保証するというサービスです。
買主にとっては安心して購入するためのサービスであり、住宅設備保証を提案する企業が増えています。
まずは、住宅設備保証ができた背景や仕組みを見ていきましょう。
住宅設備保証が誕生した背景
中古住宅を購入する場合には新築物件とは異なり、設備に何かしらのトラブルが購入後起きた場合に補修する費用を誰が持つのか問題になります。
これまで故障していなかった設備が、購入した後に経年劣化によって突然故障することはないとは言い切れません。
中古物件の修理費や電化製品の新品交換には多くの費用が必要になることが懸念されてしまうのです。
購入から7日間は売り主に責任があるとされ、補修費用は売り主の負担になります。
しかし、7日間という短い保証期間は買主にとって不安材料でもあり、中古物件を購入するリスクでもあると考える買主も多いのです。
そこで、買主の不安を少しでも軽減させるために、仲介不動産会社が住宅設備保証サービスを開始し始めたのです。
住宅設備保証の仕組み
住宅設備保証は、不動産の売主と買主どちらもが安心して売買をするためのサポートサービスです。
物件を売却する際には、仲介不動産会社が介入することとなります。
その時に、仲介不動産会社や不動産会社が指定する第三検査機関にて検査を受けた場合に加入することができます。
通常であれば、引き渡しから7日間ほどが売主の住宅設備修理瑕疵担保責任となります。
しかし、住宅設備保証に加入することで、契約に応じた年数の期間保証が延長されます。
この延長された保証期間は、買主側が負担するのではなく不動産会社が負担をしてくれるのです。
住宅設備保証の保証内容の違いとは
住宅設備保証の保証内容は、不動産会社によって内容が異なります。
基本的な内容としては、住宅設備が故障やトラブルが起きた際に、保証期間中であれば無償で修繕してもらえるという内容です。
ただし、不動産会社によって細かい条件や内容が違うことからも、自身の希望に合ったサービスやプランを選ぶ必要があります。
住宅設備保証のサービス内容の中でも会社によって異なる部分について知っておきましょう。
保証期間の年数
住宅設備保証のサービスを受けられる期間は、不動産会社毎に異なります。
最長10年の保証期間を持つ不動産会社もあれば、1~5年間という比較的短い保証期間になる場合もあるのです。
この保証期間はプランによって選べるケースもあり、保証期間によって保険料も異なってくるので、自身の希望する保証年数のプランを選ぶようにしましょう。
無償修理の範囲
住宅設備保証において、保証期間ないであれば故障やトラブルがあった際には無償修理をしてもらうことができます。
しかし、どの設備までが範囲内に入るかは不動産会社やプランによって異なります。
大半はシステムキッチンや水回り、インターホンなどが保証対象になります。
エコキュートなどの消耗品などは保証対象になる場合とならない場合があるので、事前に確認が必要です。
無償修理の回数
住宅設備の修理にかかる修理代や部品代、修理の出張費用などが全てカバーしてもらうことができます。
保証期間内であれば何度でも無料で修理をすることができるという謳い文句の不動産会社が多くなっていますが、実際には設備によって修理・交換費用の限度額が設けられているケースも多いものです。
例えば、インターホンや換気扇などは限度額がないものの、給湯用熱源は限度額15万円やシステムキッチンは10万円までなどの限度額内での修理もしくは交換費用の限度額が設けられているのです。
この限度額は1作業あたりの修理・交換限度額であることが多く、部品欠品や修繕不能な状況における交換修理の限度額となるケースが大半です。
つまり、どんな故障状況でも何度も無料で交換・修理ができるというものではないので注意が必要です。
メンテナンスや点検のサービス
物件の引き渡しから定期的に点検やメンテナンスを行うというサービスが契約内容に含まれているケースもあります。
不動産会社が専門スタッフに依頼をして不具合などがないか点検を行い、必要に応じた修繕が受けられるようになっているのです。
住宅設備保証を利用するメリット
住宅設備保証は買主にとっても売主にとっても、非常にメリットの多いサービスになります。
保険料が発生ため費用を支払うことを懸念する人もいるかもしれませんが、安心して中古住宅を購入するにあたってのメリットだけではなく、売主とのトラブル回避にも繋がるサービスなのです。
住宅保証を利用するメリットは以下となります。
中古物件も安心して購入できる
住宅設備保証は対象設備が事前検査されているので、どういった状態なのかを確認してから物件購入を判断することができます。
状態が明確になっている分、購入してからの不安点も取り除くことが出来ます。
入居後に、設備に関する故障やトラブルは保証されるという安心感が得られるのです。
売主とのトラブルが回避される
住宅設備保証に加入することで、引き渡し後の設備トラブルに関する売主とのトラブルを回避することができます。
保証がなければ、一週間という短い保証期間内でしか売主は設備不良や故障に対する保障しないということになります。
そのため、設備に不良や故障が多発した際でも、7日を超えてしまえば売主はノータッチになってしまいます。
売主に保証してもらいたいようなケースであれば、トラブルになってしまうので住宅設備保証に加入すれば安心して保証してもらえます。
まとめ
住宅設備保証は中古物件を購入して経営していくにあたり、リスクを軽減するために加入を考えるべき保険です。
ただし、保障内容が不動産会社やプランによって異なるので、慎重に検討する必要があります。
購入物件にはどういった保障があれば入居後も安心・安全に物件を維持することができるのか想定して、プランなどを決めましょう。