1.解約の流れは?
解約の流れは、「マンションの契約を解約します」と意思表示をすることから始まり、それに伴い、ライフラインやインターネットなど、色々な契約を解約することになります。
①意思表示をすること
解約に際して、賃貸借契約書の内容を確認しましょう。
チェックする点は
・契約の種類(普通借家契約なのか定期借家契約なのか)
・契約期間(◯年◯月◯日から◯年◯月◯日の◯年間」などと記載があります。普通借家契約の場合の多くのアパート、マンションは2年間であることが多いです。)
です。
解約日は前日に指定できるわけではなく、1カ月前、3カ月前など、契約書記載のルールにのっとり解約予告は前もってしなくてはなりません。
解約したい日程が決定したら、遡って計算し、いつまでに解約の意思表示をしなくてはいけないかを確認しましょう。
②ライフラインなど、部屋以外の解約手続きを行う
次にライフラインのなど、部屋以外の解約手続きをすすめます。
水道、ガス、電気の名義変更を入居時に連絡した関係機関に再度連絡しましょう。
インターネット回線を自分で手配し引き込んだ場合は、解約日までに撤去してもらうよう手配をします。
忘れてしまいがちなのが、火災保険の手続きです。
火災保険を解約するか引っ越し先の住所に変更するか連絡をしましょう。
連絡を不動産会社が行うと契約書本人が連絡しないと受付を受理できないと言われるケースがほとんどなので、契約者または家族が連絡するようにします。
インターネット関係は時間がかかる場合がありますので注意が必要です。
ひかりテレビのような特殊設備や機器を導入している場合は、とくにに時間がかかるようなので確認をしっかりするようにしましょう。
③管理会社もしくは大家さんによる部屋のチェック
解約の手続きを済ませ、荷物を次の転居先に運び出したら、管理会社または大家さんが原状回復のためのチェックを行います。
入居者も一緒に立ち会って確認を行い、どちらの費用負担で何を修復するのかの共通認識を持つようにし、退去後の精算金額についてのトラブルを防ぎます。
この作業を「退去立会い」「退去確認」などといいます。
チェックされることの多い箇所は以下のとおりです。
1.床の傷・汚れ
壁の汚れは目立ちやすいものです。
たばこのヤニ汚れや油汚れなどはもちろんですが、クロスに発生したカビなども、保全を怠ったとして入居者の負担となることが多いので気をつけましょう。
2.たばこの臭い
たばこの臭いが部屋にしみついてしまっていた場合は、修繕費用を請求される可能性があります。
3.網戸が破れていないか
長年使っていて敗れた場合は、経年劣化と判断しますので、基本的には入居者による支払いはありません。
4.浴室乾燥機、ウォシュレット、エアコン、換気扇は動くか
掃除せずに放っておくと入居者負担で修理しなくてなりません。
指定の口座に敷金が返還されるのは、1カ月前後見ておくとよいでしょう。
もちろん、精算額が敷金を上回れば、差額を支払うことになります。
ここまでやって賃貸アパートやマンションの解約が完了するのです。
④退去における敷金の精算
敷金の精算は解約日すると戻ってくるわけではありません。
退去立会において修繕の負担額が決まり、部屋が明け渡された状態で部屋の汚れ具合が分かり、クリーニング金額も確定するからです。
敷金の返還や書類の送付などがあるので引越し先の住所や連絡先を聞かれるので教えておきましょう。
また、引き落としをしていた銀行口座に敷金が返還される場合があるので、銀行口座を解約するのはもう少し後にすべきです。
2.解約したい場合の注意点
解約をする場合は次のようなことが考えられますので、注意が必要です。
①更新日を超えていないか
解約を連絡する際、まずは、不動産管理会社か大家さんに電話で連絡を入れましょう。
正式な解約連絡は、書面をもって行う事がほとんどですが、タイムラグが発生します。
たとえば、契約書に「解約連絡は1カ月前に行う」とあった場合、不動産屋が知った時から1カ月後が最短の解約日となります。
そのため、なるべく早く解約をしたい場合は、電話連絡をしておくと、その時が起算日になります。
その後で解約通知書を送るほうがよいでしょう。
気を付けたいのは、解約しようとする日が契約満了日を1日でも超えてしまうと更新料または更新手数料がかかるということ。
ほとんどのケースで、更新日を超えてしまうと更新料を徴収されます。
更新日が2019年5月1日、更新料1カ月、家賃62,000円、精算方法が実日数による日割り計算である契約で、4月10日に解約の連絡を不動産会社にしたとします。
このケースですと、最短の解約日は5月9日になりますので、更新日を超えてしまいます。
家賃は日割り・9日分である18,000円しか徴収されませんが、更新料や62,000円徴収されてしまいます。
もう住まない部屋に1カ月分の家賃分のお金を支払うのは、大変勿体ないことです。
次の部屋探しをするときは、更新日をまたがないように契約開始ができるように、逆算して部屋の見学日を決めるべきです。
②敷金精算で揉めることがある
賃貸借契約関係でトラブルが多いのが敷金・原状回復に関することです。
「室内のリフォーム、修繕費用は入居者が全額負担する」「ハウスクリーニング代を請求された」ということについては、とくに各種相談機関に多く寄せられている問い合わせで、結果的に敷金が戻ってこないことも多くあります。
原状回復については、国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」を読むと、自分が不当に請求を受けているのかが分かります。
ハウスクリーニングに関しては、大家さんの費用負担で行うべきと書いてあり、基本的に入居者がクリーニング代を支払う必要はありません。
ただし入居者が原因で汚したり、傷つけたりした場合、たとえば、タバコのヤニやにおいが付着した場合、入居者の負担でクリーニングを行う場合があります。
また、契約書の特約で「ハウスクリーニング費用を借主が負担する」と記載された場合は、ハウスクリーニング代を入居者が支払うことが有効となります。
つまり、原状回復の取り決めは契約までに確認をすることが、トラブルを防ぐのに一番効果があります。
3.まとめ
マンションやアパートの解約で大切なことは、契約開始前に契約内容を確認することです。
何年更新か、更新料および更新事務手数料はかかるか、原状回復に関して特約事項がないか、あれば、記載内容は納得できるものかを確認しましょう。
また、更新の時期には特に注意を払うべきです。
更新料をまたいで、契約が終了することがないように、計画的に解約の連絡を入れるべきです。
順序だてて解約手続きをしっかり行って、余分な出費が内容に配慮しましょう。