賃貸物件を探しているときに、築年数が条件を左右することがあります。築年数が浅い方がきれいなことが多いと感じるからです。しかし築年数が古い物件であっても、他のメリットがあることもあります。築年数だけでは、快適さを判断できないことがあるのです。
この記事では、賃貸物件の築年数の判断基準や耐震性の影響など、築年数と賃貸物件の関係がある点をご紹介していきます。
物件の築年数とは?
「築年数」とは建設が完了してからの年数のことです。完成してから入居したことがない物件、もしくは築年数1年未満であれば新築といいます。また築年数が数年しか経過していない物件は築浅、年数が経過しているものは築古と呼ばれることがあります。
一般的には築浅であれば、設備も新しいのできれいなことが多いです。その分家賃が高くなる傾向はあります。
また築浅の方が劣化の度合いが低いことが多いですが、建物のタイプによっても変わってくるので、築年数だけで判断するのは難しくなります。
築年数が影響する3つの要素
築年数が影響を与える要素をご紹介していきましょう。劣化や耐震性、また家賃にも影響を与えるので、物件探しの際に考慮するべきです。
築年数と劣化
劣化度合いは築年数に左右されますが、物件の造りによっても変わります。アパートは木造や軽量鉄骨の2階建てから3階建ての物件が多いです。マンションになると、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートの建物になります。
コンクリートを使って建てられたマンションの方が、アパートよりも頑丈とされており、同じ築年数でも古さが異なります。法定耐用年数も木造では22年、軽量鉄骨では金属の厚みによって19年、もしくは27年となっています。しかし鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートでは47年と、法定耐用年数にも違いがあるのです。
築年数と耐震性
耐震基準は改善されているので、築年数によっても対応している基準が異なります。建築基準法で定められた地震に対する強さを満たす必要があるので、安全性の面からも重視したいものです。
耐震基準で考えておきたいのは、1981年に改正されていることです。賃貸物件の築年数を確認するときには、1981年6月1日以降に建築確認されているかを見るとよいでしょう。また2000年6月に新しい基準に改正されているので、より安全さを求めるのであれば2000年6月以降の耐震基準を満たしている物件がおすすめです。
築年数と家賃
築年数が古いものは、家賃が安くなります。一般的に同じような間取りでも、築年数が20年から30年であれば、家賃が5万円から10万円の物件でも1万円から2万円ほど安くなります。
三井住友トラスト基礎研究所の調査でも、新築時に100の賃料とすると築20年で81ほどになるからです。
築年数が20年を超えると物件の選択肢も増えますし、家賃も安いです。設備の古さと家賃のバランスを見るとよいでしょう。
築浅物件のメリットとデメリット
築浅物件は、内装も外装もきれいなものが多いです。汚れがあまりついていないので、快適に生活できます。
また設備が新しいものが設置されているので、防犯カメラやオートロックなどセキュリティ設備はもちろんですが、IHクッキングヒーターや浴室乾燥機などを備えていることも多いです。
誰も住んだことがないという気持ちよさもあります。築浅であれば、他の人が住んだ経歴があっても、汚れの影響は少ないでしょう。
しかし家賃が高いことや、新築時のにおいがデメリットになることがあります。
築古物件のメリットとデメリット
築古物件は、家賃が安くなっていることや物件の選択肢が多いことがメリットです。同じ間取りでも安く借りることができますし、また物件の数が増えるので希望する条件で部屋探しがしやすくなります。リノベーション済みの部屋であれば、築年数が古くても中が新築のようにキレイということもありえます。
しかし1981年以前に建設されている建物であれば、耐震性に不安が残ります。新しい耐震基準の建物や耐震リフォームが完了済みの建物なら安心できるでしょう。
古くてもよい物件の選びはメンテナンス体制の確認
築年数が古い物件でもメンテンナンスされている建物であれば、築浅物件と変わらずに快適に利用できます。しかし築年数に限らず、メンテナンスがおろそかにされている物件は、設備不良が多く発生します。
内見時にどれほどメンテナンスされている物件なのか、水回りや床のきしみなど、よく確認しておきましょう。
まとめ
築年数は物件の劣化と快適に入居できるかに大きな影響を与えます。しかし古くてもメンテナンスされていたり、耐震基準を満たすようにリフォームされている物件であれば、快適に安心して生活できるでしょう。
家賃や設備などに違いがあるので、築年数と自分が希望する条件をよく確認しておきましょう。