人口が多いことや経済成長でも注目される中国でも、不動産投資が盛んに行われています。中国の不動産投資では、政治的、国家的に日本とは大きな違いがあるので、不動産事情も異なることを覚えておく必要があります。この記事では、2019年の中国の不動産投資状況を詳しく解説します。
中国の不動産市場とは?
まず最初に、考え方の違いや環境の違いなどから、日本とは大きな違いがあることを知っておきましょう。特に、近年著しく成長した中国では、不動産に関わる状況が異なります。
どのような背景があるのか、また今後の見通しを知っておく必要があるでしょう。
リーマンショック後に成長
実は、中国で土地の流通が始まったのは20年ほど前からで、1990年代より前には土地は国有でした。
近年の中国での不動産市場の高騰は目を見張るものがありますが、大きく変化したのはリーマンショックの後であり、経済政策が大きな効果を発揮し経済が回復するだけでなく、不動産バブルも起きました。
土地の利用効率を高めることや高度経済成長によって不動産の価値が1年間で2倍にまで高騰し、一般人が購入できる金額ではなくなってしまうほどです。上海では、古いマンションですら、億マンションになるほどでした。
全国に不動産バブルが広がる
都市部から始まった不動産バブルは、全国に広がっていきます。
北京では2015年と比較すると40%の上昇を見ていますし、影響は地方にも及んでいます。福州でも約40%の増加し、広州では53%の増加となっています。
その他の都市でも、基本的に不動産の値段が上がっていることから、不動産バブルは地方にまで及んでいることが分かるでしょう。
外国人投資家への規制に注意
中国の不動産市場には、独特の規制があるので外国人投資家が参入するのは容易ではありません。
基本的に中国での土地の考え方として、国の保有資産で使用権を購入するというものです。以前は、外国人が土地を購入することはできなかったのですが、私用目的に限って建物の購入と土地使用権を取得することができるようになっています。
また外国人の場合には、配偶者が中国籍でも所有できる物件数やローンの使用にも制限があります。規制が緩和されつつあるとは言っても、どのような違いがあるのかよく把握しておく必要があるでしょう。
2019年の中国不動産投資事情
中国の不動産投資市場はどのような変化を遂げてきているのでしょうか?
2019年の中国の不動産投資市場を見ていきましょう。
好調な不動産市場
2019年だけを見ても、1月から9月の不動産投資は約10%増加しており、引き続き好調な不動産市場となっています。
9月には政府の投機抑制策があったことから、少し販売が低迷しましたが、不動産開発業者が調達した資金などは前年比で増加しています。
国内製造業や輸出が低迷している中で、引き続き不動産市場は好調を見せています。
不動産バブル崩壊の危険性
中国の不動産投資で懸念されるのが、不動産バブルの崩壊です。これだけ急激に成長していることから、急激にバブルが崩壊するのではと懸念されています。
多くの投資家がいつかは下落するとしていますが、3年から5年以内に大きく下落する可能性は低いと予想しています。それには、地方政府が政策によってバブル崩壊を防いできたからです。
慎重に観察すべきですが、いきなり大暴落する可能性は低いとの見方が有力です。
日本との違いをよく調査すべき中国の不動産投資
成長率が著しい中国の不動産投資ですが、日本との違いをよく理解する必要があるでしょう。外国人への規制や手続き方法の違いなど、よく調査をした上で不動産投資をすべきです。
バブルが続いていることから、慎重に市場変化を見極めることも必要となるでしょう。